iPadmini が使えない

朝=玄米トマトリゾット/夜=チキン丼、コロッケ、温野菜サラダ

寒い! 寒いなんてもんじゃない。家の中が冷蔵庫状態で、妻が朝起きて台所に行くと室温が2度だったそうだ。僕はその報告を布団に丸まって聞いていた。

iPad mini6がアップデート中にフリーズして、動かなくなった。僕はiPhoneが見えづらいのでiPadminiを肌身離さず使っているので、困ったことになった。Apple careに入っているので保証は大丈夫だが、数週間使えないことになる。あとは12.9インチのiPadProがあるけど、大きくて持ち運ぶ気になれない。困ったなあ。月曜日に新宿の北村写真機店へ写真展の搬入に行くので、地下の修理センターに出すことにして予約を入れた。頼むから早くなおってくれ。

『撮る力見る力』の表紙案が出た。数パターンあって悩む。書体によって漢字の「力」が、カタカナの「カ」に見える。「撮るか見るか」になってしまうのだが、それもいいなと思えてくる。「チカラ」っていうほどすごい内容じゃないから(笑)。表紙は僕の写真になっている。大野正人さんに、昨年一緒に行った浅間で撮ってもらったポートレート。気に入っていて、タイトルにもぴったりなので使わせてもらうことにした。本屋さんで目立つはず。2月28日発売予定です。

<2022年1月28日の日記から>

ワークショップに参加してくれていた女性が熊本で無農薬野菜を作っている。大企業に勤めていたのに、夫と一緒になんのツテもない熊本で農業を始めてしまった。そこで作った無農薬ニンジンを一昨年から購入している。不揃いのB品だが、味は最高。生で味噌をつけて食べるのが一番美味しい。ただし箱いっぱいにニンジンが届くので、仕入れるといつも阿佐ヶ谷の友人たちにおすそ分け。りんごと人参は免疫力を上げるというので、毎日食べている。午前中にNHKオンデマンドで「謎の日本人サトシ~世界が熱狂した人探しゲーム~」を見た。2007年くらいに海外でブームになった謎解きゲームの中に「サトシという名前の人間を探せ」というミッションがあって、手がかりは1枚の自撮り写真だけ。今なら一瞬で見つかるが、15年前はまだSNSが普及していない時代。サトシを探すのに10年を費やした海外の女性の話なのだが、上質のミステリーを見ているような面白さがある。お昼からはずっと動画編集。松本地域の17歳のインタビューを10分くらいの動画にまとめる。7人がバラバラの場所で収録しているので、音も、露出もそれぞれ補正が必要になる。6時間でギブアップ。あとはタイトル周りをつければなんとか形になりそうだ。

<2014年1月28日の日記から>

ずっと借りっぱなしだったコンタックスNマウント24-85ミリのEOSマウント改造品を返すことになった。本当にいいレンズだった。カナダのおじさんが個人でマウント改造を商売にしているそうで、電子絞りはもちろんAFもちゃんと作動する。しかも速い。色のりの濃い好みの味付けだった。もう一度使いたいがレンズ自体は手に入っても改造に1年近く待たねばならない。レンズを返してしまったらEOSを使い続ける気が失せてしまった。買ってから1年、今なら高く売れる。箱もとってあったから買い取りに出してしまおうと考えた。ソニーから24-70F4という魅力的なズームレンズが出た。売ったお金でα7をもう一台とそのレンズを買うのはどうだろうと思ったのだ。近頃はα7が好きすぎて仕事もα7だけ使ってキヤノンはバックの中に入れっぱなしなことがほとんどだ。中野フジヤカメラの買い取り見積もりは183000円だった。純正ストラップがないからこんなもんんだろう。下取りに出して新しく買うと10%下取りが上がる。すると差額ちょっとでαセットを買うことができるではないか。査定が出てα7を見せてもらおうと思ったら、お店のカウンターで大学時代の先輩にばったり出くわした。頭を冷やすのにちょうどよかったので2階のお店でお茶を飲むことにした。先輩は僕が学生時代からずっと世話になっているカメラマンだ。写真家じゃなくて映像も撮る職業カメラマン。大学入学当初オリンパスを使っていた僕がキヤノンを使うきっかけになった人でもある。ふたりとも30年以上キヤノン一筋で仕事をしてきた。映像を撮る先輩はソニーの良さをよく知っている。α7にも興味はあると言っていたが、今日買ったのはEOS-Mのダブルズームキットだった。「渡部、やっぱりキヤノンだよ。お前もずっと使ってきたんだろ」。そういわれてみると僕の人生の大半をキヤノンで生きてきたことになる。AE-1、A-1、F-1、NewF-1、T-90、EOS-1、EOS1n、D60、20D、5D、5DMark2、5DMark3、、、先輩と会ったのも何かの縁だ。別れた後、α計画はやめにしてEOS用のズームレンズを買うことにした。評判のいい24-70F4IS。これでちょとすっきりした。まだまだキヤノンには頑張って働いてもらわないと。

新刊のタイトルは『撮る力見る力』

朝=お雑煮/夜=野菜カツオ丼、キャベツとアボガドとトマトのサラダ

火曜日の夜は雑誌『写真』3号発刊のパーティで、目黒のふげん社へ。臼と杵で餅つきをやるというので行ってきた。なんせ、世の中で好きなもののかなり上位がお餅。つきたてのお餅は最高でした。家にも電動の餅つききが欲しいといつも思っているが、妻に却下されている。パーティには旧知の人も多く来ていて、新型Macbook Proの話になった時に「渡部さとるさん、大学で教えているならAppleの教職員割引使えますよ」と教えてもらった。盲点だった。そういえば聞いたことある。3年前から非常勤でやっているし、今年からは別の大学にも行くから適用されるじゃないか。家に帰って、すでに入れていた注文をキャンセルし、再度注文し直した。5万円くらい安くなった。円安分がカバーできた感じだ。

2月末に出版予定の書籍カバーデザインが上がってきた。タイトルは『撮る力 見る力」。僕が今まで書いてきた『旅するカメラ』『じゃない写真』と「2BChannel」が合わさったような内容になっている。「全身写真好き」が書いた本だ。

<2022年1月26日の日記から>

松本地域の17歳を撮影したインタビュー動画の編集をどうやったらいいか悩んでしまった。写真と違って動画編集の引き出しがほとんどない。そこで動画のプロの北桂樹さんにアドバイスをもらうことにした。北さんと言えば 「2B Channnel」での「拡張する写真」が1時間動画にも関わらず、 2万回以上も再生されている。「エモい写真」と並んで、この回は 「2B Channnel」での柱的な存在になっている。北さんはこんな時期だけど、わざわざ家まで来てくれて僕が仮編集した動画を見ながら、編集のヒントをたくさんしてくれた。おかげで全体像がはっきりした。後は地道な作業を繰り返すだけ。せっかく来ていただいたので、収録させてもらうことにした。今回はいま大学で博士課程を専攻している北さんに「写真の物質性」について教えてもらった。この「写真の物質性」という言葉は、ここ数年のパワーワード的なもので、現象は知っているけど、なぜ物質化が起きているかはわからないでいた。それを今回「スネ夫の髪型問題」を引き合いに、ものすごくわかりやすく教えてもらった。その中で大事だったのが、これまでの写真は三次元を二次元にするものだったけど、現在のテクノロジーを使えば、二次元を三次元にすることもできる。それが「写真の物質性」ということに深く結び付いていた。これは面白い。そして同時に現代写真のツボだと思う。これを知っていたら現代写真の見え方が変わる。90分も話を聞いたけど、どこも重要に思えてカットするところが見つからない。 2本立てでもいいかな。近日公開、お楽しみに。

<2005年1月26日の日記から>

ロシア出身の指揮者でありピアニストでもあるウラディーミル・アシュケナージ氏の撮影。何度聞いても名前が覚えられない。現在NHK交響楽団の音楽監督を務めている。例によってホテルのスィートでの撮影なのだが、今回は部屋内に撮影に向いている場所がない。ベッドルームは使えないし、リビングは狭いしで場所探しに難儀した。結局白壁を使うことにする。「狭いねえ」と編集者に言ったら「7万5千円もしたんですよ」と言われてしまった。海外で7万5千円も出せばお屋敷が借りられそうだ。場所選びに苦労したがアシュケナージ氏の顔の彫が深く、フォトジェニックだったので撮っていて手ごたえがあった。翌日プリントしてみると白壁バックは正解だった。数枚のプリントでOKが出せた。少ない枚数で終わるときほど撮影がうまくいった証だ。シチリアに住んでいる元アシスタントYがやってきた。明後日またイタリアへ帰るという。向こうで知り合いができ、カメラマンをやっている。サッカーを撮る仕事のためにEOS1-Dの中古を買っていくと言う。日本からの雑誌連載が決まったし、もう1年住めるようだ。3月のシチリアはいい季節だと言うから行く約束をする。夜、林家こぶ平の舞台撮影で国立劇場小劇場へ。落語協会の人に挨拶をしたら「旅するカメラ」を読んでます」と言われて驚いた。仕事先で言われたのは始めてだ。仕事なのに落語をたっぷり楽しんでしまった。気がつくと2時間半があっという間に過ぎていた。アシTは始めての落語だったようだが面白がっていた。そういえば落語家の友人がいたのを思い出した。このところずっと会ってないけど元気かな。

原稿探し

朝=カレーうどん/夜=春菊の胡麻あえ、親子丼、豆腐味噌汁

日曜日は撮影の予定だったけど、スタッフがコロナで中止に。インフルもあるし、まだまだ大変。

週末の講座配信が終わると月曜日はお休み気分になるのだが、なんだか落ち着かない。書籍の原稿の直しを入れたいと思って、編集部に送ったファイルを探すが、肝心の修正したい項目だけ見つからない。よくよく確認したら、なんと! その項目だけを送り忘れていた。そしてPC内のどこを探しても書いたはずの原稿がない。さらに運悪く昨日PCのゴミ箱を整理してしまったのだ。あーやってしまった。あのテンションでもう一度4000字書くのは無理っぽい。どうしようとうろたえていたら、妻が「メモ帳には残ってない?」。

そうだ、Wordで書いた原稿は、その都度メモ帳に貼り付けて音声でチェックしていた。で、メモ帳を検索してみたら、見事ヒット。妻のファインプレーだ。これはどうしても入れたい内容だったのだ。無事に編集部へ送ったものの、ちょっと前に、すでにレイアウトはほぼほぼ進行済みだと連絡が来ていた。とにかく編集者に謝るしかないか。

<2022年1月23日の日記から>

東京の感染者数1万人突破。嬉しくない。さすがに外に出る気がしないので、妻のカレー作りの手伝い。スパイスと玉ねぎを炒める係。目が痛い。カレーは我が家の必須アイテムで、お客さんが来る時にもよく出している。何もやることないならYoutube動画でも作ればいいのだが、α7Ⅳをいじっているうちに時間が過ぎる。動画もそうだけど、写真の写りがいい。今までのソニー機とは明らかに違う。スタンダードでちゃんと色が出るし、ナチュラル。キヤノンほどではないが、撮って出しに耐えられる。昨年α9Ⅱと7RⅢを借りて撮影した時は、色とコントラストが好みではなく、後処理にちょっとうんざりしていた。元の画像が好みじゃないと、いくら直してもピンとこない。それが今回は「お、いいじゃない」という感じがしている。当然ハッセルブラッドが一番なのだが、実はリコーGR3Xの出す色がかなりいい。GR3と同じ画像エンジンということだが、ちょっと信じられないほど変わっている。もし本当にそうならレンズ性能がいいんだろう。夕方5時過ぎにお風呂に入り、夕ご飯を食べて8時から「写真史」講座1回目の再配信。内容は「ドキュメンタリー写真」について『LIFE』から始まって日本の『PROVOKE』までを話した。日曜日にやった内容をその週の土曜日にもう一度生配信するのだが、いつも再配信の方がうまく話せる。

<2007年1月23日の日記から>

写真家の鬼海弘雄さんと2Bで打ち合わせ。作家のオリジナルプリントを作家の解説つきで見せてもらう「ビューイング」を昨年からワークショップ終了者を対象におこなっており、今回で3日目となる。鬼海さんはワークショップの中でも人気がすこぶる高い。作家を前に作品を見ることができ、ダイレクトな質問をすることができるのは楽しい。打ち合わせの後、何人かで中華料理屋へ。以前鬼海さんに「デジタルは使わないんですか?」と聞いたところ「ザルから愛情がもれるような気がするから使わない」と言っていた。なのにこの頃使ってみたくなったらしい。「小さくて、いいデジカメは何がいい?」と聞かれたのでリコーGRDを勧めた。そしたら鬼海さんはファインダーがないと嫌だという。ひとりが持っていたGRDにコシナの外付けファインダーを付けたのを見せたら大喜び。今度海外で使ってみようかと言い出した。土曜日は「日本カメラ」の月例コンテスト年度賞表彰式だった。ホテルの宴会場での立派な会だ。1年間戦い抜いたものだけが集まれる。晴れやかな感じがよかった。誌面上の審査で写真は知っていても皆始めて会う人ばかりだ。ほとんどが年配者。しかしカラープリント年度賞1位は若干23才。僕は彼の昆虫写真が好きだ。将来彼が有名になったら「あいつは俺が見つけた」と言ってやろう。現在モノクロ印画紙の供給最大手のフォルテが工場閉鎖になることが決まったようだ。ということはフォルテで作っているベルゲールも生産中止となるわけだ。ようやくベルゲールに慣れた矢先の出来事に唖然。またしても印画紙難民となってしまう。今日ヨドバシでベルゲールの印画紙を棚買い。でも使いはじめたらあっという間だ。

完了!

朝=キーマのドライカレー/夜=ラフランスとチーズのサラダ、鳥手羽のスパイス焼き、生ハムとキノコの玄米パスタ

最近、ウチで再開しはじめた「ウクレレナイト会」に来たPCに強い友人にMacの相談。一度盛り盛りの注文を入れたのにエラーで通らず、一晩経ってちょっと冷静になった。いったいどののスペックがいいんだろう? この場合、Youtuber目線で言えば「最高スペックこそ正義」なのだが、もう一度考えなすことにした。

で、彼にいろいろ相談した結果、サイズは16インチ、メモリは32G、SSDは2T、MAXモデルじゃなくて通常のPRO。これで盛り盛りスペックより15万円抑えることができた。今使っているのがインテル最終系の16インチだから、このスペックでも体感的にはかなり違うだろう。今回は無事注文が通り、来月の10日くらいには届くようだ。新しいMacのためにカルデジックのドッキングステーションも合わせて購入。

これで我が家には2012年、2015年、2019年、2023年のMacbook Proが並ぶことになる。妻が2012年モデルを使っているが、さすがに最近調子が悪いみたいなので2015年モデルに移行して、僕は2019年モデルをバックアップに新製品を使うことに。2BChannelをやってなかったら、今でも2015年モデル使ってたろうな。

<2022年1月22日の日記から>

午前中に原稿を書いて、印刷の構成のチェックをやってしまったらやることがなくなった。毎日日記を書いているおかげでキーボードに手を置いているだけで原稿が出来上がってしまう。ちょっと便利。「まん防」が出たので、またしても行動が制限されてしまった。数件の用事が吹っ飛んで、ちょっと時間ができてしまった感じで所在ないというか。30年前のアシスタントと、最近また連絡を取り合うようになって、彼も「2B Channnel」のハッセルの描写に驚いていた。彼は現役の広告カメラマンなので何を使っているのか聞いたら「一応キャノンは持っていますがメインはライカSL 2sとM10です」と意外な答えが返ってきた。「ライカってやっぱりいいの?」と聞くと「違いますね、やはり驚くような表現します」と。一瞬「あれ? もしかしてソニーじゃなくてライカ買った方がよかったか」と思ってしまったが用途が違うから。もうひとりの元アシスタントは青山にスタジオ建てて物撮りで成功している。彼は「キヤノンR5ですが、たまにPhaseOne iQ3 トリクロマチックをリンホフM679に付けて撮影しております」と、なんかプロっぽい。「まん防」があけたら元アシスタントたちに集合してもらうことにした。現役バリバリの話が聞ける。

<2004年1月22日の日記から>

落札したニコンのハイスペックフィルムスキャナー8000EDが届いた。ヨドバシの5年保証が後3年と9ヵ月も残っている。精密機械だけにとてもありがたい。出品者は大阪の広告カメラマン。EOS1Dsを買ったので必要がなくなったので売りに出したと書いてあった。丁寧な方でとってもいい買い物ができた。8000EDは、IEEE1394のポートしか対応していないので、今日IEEEのボードを2500円で購入。ついでにデュアルモニター用のボードを6500円で手に入れた。明日繋いでみる予定だ。これで事務所のパソコン環境はDELLの高速マシン、21型CRTモニター、15型液晶モニター、外付けHD、シャープメビウス、キャノンピクサス9000プリンター、オリンパスP400プリンター、エプソンPM3000Cプリンター、エプソンGT9000フラッドベッドスキャナーそれにニコンクールスキャン8000EDとなった。1年前のへっぽこi-Mac1台からあっという間に揃ってしまった。自分でも驚いてしまう。しかし、一度足を踏み入れてしまうともう戻れない気がして怖い。お金を出した分だけ環境が整う。逆に環境が整わないと遅れてしまう気がするのだ。プリミティブに機材を整理したい欲求と、すべての環境を整えたくなる欲求が交差する。

 

注文エラー

昼=鹿肉のカレー、野菜サラダ、素揚げのムカゴ/夜=焼き餅、ゴボウ鶏唐揚げ、温野菜

石井智彦さんに来てもらって「2BChannel」の収録。今回はマーティン・パー。あまり馴染みがないかもしれないけど、かなりの重要人物。日本の写真集ファンでも知られている。

さてMac問題。意を決してMAXモデルにSSD4T積んで購入ボタンを押したのだが、朝起きてみたら何かのエラーで注文が反映されていなかった。なんだよ、せっかく買うって言っているのに。なえる、激しくなえる。さらばインテルと思っていたのに。

しかし高い。とてもパソコンの値段じゃない。でも1990年台のMacのクアドロⅡって1メガのメモリーが1万円してて32メガ積んだモデルが70万円くらいしてた覚えがあるから、値段的には変わんないのか。しかし一晩経つと、一括で払えない物を買うってどうなんだろうって気にもなってきた。こういう買い物って、勢い無くしては買えたもんじゃない。昨年の日記を見るとちょうどSONYのカメラを買っている。やっぱり同じくらいしてる。

<2022年1月21日の日記から>

真新しいα7Ⅳの設定。メニューが複雑多岐にわたるが、Youtubeで懇切丁寧に解説しているものが多いので、完全に説明書代わり。早く実践で使いたい。昨夜の2BChannnelでハッセルブラッドX1D2の写りの話をしたら、案の定けっこうな反響があった。数人の知り合いからもメールで「あれはどうなってるんだ?」と聞かれたが、設定は全てオート。たいしたことはしていない。動画のコメントで「ホワイトバランスの違いではないか」という指摘があったけれど、パナソニックS5もハッセルブラッドX1D2もオートホワイトバランス。試しにパナソニックS5のRAWデータからホワイトバランスを変化させてみたが、あんな風にはならない。もっとも比較テストのために撮っているわけではないので、パナソニックS5のほうが若干シャッタースピードが遅くなっている。もしかしたらそれの影響が写りに関係しているかもしれない。でもそもそもが全然違っている。本当にカメラが違うだけで写りってそんなに変わるものなのかは疑問だ。まだ信じられない気持はある。ひとつだけ言えるのは「すごいものが撮れちゃった」っていうこと。「どんと焼き」各地で行われるから、是非写真を撮ってみてどう写ったか教えてください。

<2008年1月21日の日記から>

昨年12月の暮れも押し迫った頃に、わざわざ米沢まで来てもらって僕を撮ってもらった写真が今月号の写真雑誌「CAPA」の巻末「写し屋の肖像」に4頁に渡って載っている。CAPAの表紙を撮っている土屋さんと、米沢と福島の県境にある峠の駅に行ったときのものだ。雪の米沢で撮影するはずが、行ってみたら雪は少なく市内ではイメージに合わなかった。温泉に1泊し、翌日電車で峠の駅で降りた。そこは標高が高く雪があると思ったのだ。電車が3時間に1本しか通らないので、駅前の茶屋に電話をして営業しているか確認してから向かった。3時間も暖をとらなかったら凍えてしまう。峠の駅は予想通り雪に覆われていて土屋さんにもスイッチが入った。EOS1DsMark3という現在最強のカメラでバリバリ撮っていく。初めて人の撮影するのを見た。アシスタント経験もスタジオマンの経験もない僕は、人がどうやって撮影しているかをほとんどしらない。たまにスタジオに入ったときに隣のスタジオを、ちょっと開いたドア越しに覗き見るくらいだ。だから撮られながらずっと土屋さんを見ていた。アシスタントとの連携、レンズの選択、ストロボの使い方、感度や露出の決め方。そしてモデル(僕のことだが)に対する指示。なるほどこうやっているのかと感心しきり。似ているところもあれば、まったく違う場面もあり、知らなかったことも多かった。土屋さんがしきりに言っていたのが「写りにきてくれ」という言葉。写される方が漫然と立っているのではなく、写されることを意識して、どう写りたいかを見せてくれということだ。ポートレートを撮っていると分かるが、自然なポーズは不自然なくらいの演出によって生まれるものだ。写真的に成立する状態においてのみ自然に見えるわけだから、立ち位置もポーズもそれに合わせなければならない。外での撮影がひと段落し、暖をとろうと茶屋に向かった。ところが茶屋は閉まっている。「今朝電話したものですが」と扉を開けると「ホームでの物販はしているがお店はやっていない」とにべもない。途方にくれてホームの待合室に向かう。そこは無人駅だから暖房も入っていない。寒さで震えてきそうだった。そのとき新幹線の通る合図のチャイムが鳴った。土屋さんはホームに飛び出し、「ここ、ここに立って」と僕を促した。新幹線は左側からやってくる。ということは体も左側を向けばいい。目線は顔がシャドーにならないようにちょっと上目で。持っているカメラは首からぶら下げないで、手に持って胸のちょっと下側に構える。新幹線が僕の前を通る瞬間、土屋さんのシャッターが「カッシャン、カッシャン」と数回切れた。驚くほどスローなシャッター音だった。土屋さんに聞いたら「2分の1秒くらいかな」と平然と言う。「感度は?」と聞けば「100」と答える。一脚を使っているとはいえ、なんで400にしないのか不思議でしょうがなかった。1DsMark3なら感度1600でも問題ないはずだ。土屋さんは「2分の1秒が好きなんだよ。瞬間ではなくて時間を感じられるから」。眼からうろこが3枚ほど落ちた思いがした。その時の写真が今回のCAPAに使われている。スローシャッターでぶれた新幹線は不思議な発光体となって僕を照らしている。まさに移動するレフ板のような絶妙な効果。この効果は土屋さんも予想以上だと思うが、時間を写しとめたいと考える土屋さんにしか撮れない写真には間違いない。僕があの状態で撮るなら感度は1600にして30分の1秒のシャッタースピードを選択したことだろう。そしたらあの写真は生まれなかった。寒さで震えていた我々を、もうひとつのお店が拾ってくれた。何もできないけど、と食事まで用意してくれたのだ。暖かい部屋で米沢の味を楽しむことができた。2日間かけて撮影してもらうことなど今後の人生で考えつかない。第一線のプロの撮影を目前で見られるとても貴重な体験だった。

 

心が揺れるMac祭り

昼=太田の和定食/夜=香味園の中華

MacBook Proの見積もりをしてはカートに入れてを繰り返す。しかし未だ決断できず。知り合いとチャットしていて彼は「この際だから最高スペックで」と言っていた。ストレージは8T出そうだ。でも最後の最後でクリックできずにいるらしい。でも買うだろうなw

実はTVが壊れてしまって、しかも配信用に使っている確認用のモニターなので困ったことになった。リビングのTVをとりあえず代用として事務所部屋に持ってきたのだが、妻から不満が出る。これはそんなに高いものじゃないようだが、今までのもので十分まかなえていただけに出費感があるな。

MacBookをMAXモデルにしないで通常のPROにすればその差額でテレビも買えるのだけど、YoutbeのMac祭りを見ていると心が揺れる。

<2022年1月20日の日記から>

機材の入れ替えで散らかり放題の事務所を片付ける。そしてα7Ⅳを箱から出す。中身はかなりあっさりしている。ハッセルは物々しかったよな。ワンタッチでAPS-Cサイズにクロップできるようにセッティングして、ついでに超解像ズームという電子ズームを背面ボタンに割り当てたら35ミリが見かけ上78ミリになる。写真ではしんどいかもしれないが、動画ではフルHDをちゃんと解像する。ここ最近ずっとα7ⅣのYoutubeを見ている。設定の方法は役に立つし、レンズとか気になってしょうがない。買ってからまだ1枚も撮ってないけど。過去日記を見たら2006年にコニカミノルタがカメラ部門撤退でソニーが引受先になったんだよなあ。あの時キヤノン、ニコンと肩を並べるというか、追い抜くようなメーカーになるとは誰も思っていなかった。後発の強みがいい方に出た。午後から松本の本の仕事でzoom会議。印刷について担当者と印刷所の方と3人で2時間以上、あれこれやりとりをした。もしコロナがなければzoomはこんなに普及していなくて、そのたびに松本に行かなければならなかったかもしれない。そう考えると、コロナで仕事の仕方が随分と変わってしまった。夜に「2BChannnel」のライブ配信。しばらくの間、ライブ動画には広告をつけないことにした。これまでのライブの過去動画の広告もオフにした。それがどんな効果をもたらすのか、ちょっとした実験。ライブでハッセルブラッドX1D2の画像を紹介。これを見てハッセルに手を出す人が出てくるかな(笑)

<2006年1月20日の日記から>

とうとうコニカミノルタが全ての写真事業からの撤退を発表した。写真関係者と会うと挨拶代わりにその話しになる。コニカミノルタギャラリーの存続が気になる。京セラの撤退、ニコンも縮小、オリンパスも銀塩を止めている。残るペンタックスもいつまで続けるか分からない。ライカがエルメスに見限られるのも時間の問題。ハッセルの雲行きもあやしい。となると、フィルムカメラはキヤノン、フジ、そしてコシナということか。皆そのことを嘆いているが、カメラなんてこれまでのものが中古で流通すればとりあえず問題はない。フィルムもフジが作り続けると宣言しているから信用している。ディスコンの発表があったら専用冷蔵庫を買って保存すればいい。レコードがCDになったからと言って音楽が変わることはなかった。写真だって変わることはない。専門に写真を学ぶところで暗室が消えていく。デジタルに特化していくのは時代の流れだ。これからの時代は新しくデジタルを使って作品を作る世代が登場してくるだろう。オヤジはオヤジなりの写真を撮っていくのだよ。

Macと『写真』

朝=自家製カレーパン、トマトスープ/夜=親子丼、無限キャベツ、納豆、味噌汁

朝起きたらMacbook Proが突如リリースされていた。最初なんだかよくわからなかった。6月くらいに出るもんだとずっと思い込んでいたけど、それにしても1月って早くないか? 今使っているのが2019年生のインテルMac最終系で、その時点でスペックてんこ盛りにしたのに、最近はスペック不足を痛感している。試しにカートに入れて値段を試してみた。16インチモデル、4Tストレージ、メモリ32Gで572800円! ここに3年保証をつけるとプラス5万以上。カメラも高いがPCも高い。毎日使うもんだし仕方ないか。無金利だから24ヶ月で割った方がいいんだろうか。雑誌『写真』の3号 が届いた。テーマは「写真と文章」。編集長村上さんの序文がよかった。

「英語のSPELLには言葉という意味のほかに魔法、呪術といった意味合いもある。言葉無くして写真を語ることはできず、写真と言葉はどちらも世界との距離を示すツールで、記号であると同時にその連なりが人と人を結びつけ、時には人の心を揺るがし世界を憂う多様性複雑さをつなぎ止める力を含んでいます」(序文より)

口絵は川田喜久治。90歳の新作だ。きちんとインタビューも載っている。他の口絵にも内林さんが考察を載せているのがいい。僕も西田航さんと対談させてもらった。写真系YouTuber同士の話は、これからの写真家という存在について。

<2022年1月19日の日記から>

昨日の日記が普段の数倍アクセスがあった。何でだろう。たいしたことを書いたわけではないのに。インスタもバズってるわけでもないし。謎だ? さて、ハッセルブラッドX1D2のセンサーが汚れてきたので原宿のショールームでクリーニングしてもらう。その間にデモ機を触り倒し、先日出たばかりの「ハッセルブラッド80周年モデル」を見せてもらった。世界限定800台。907に30ミリレンズとグリップ、外付けファインダーがついて170万円! ライカも高いがハッセルも負けてないな。気になるのは僕が使っているX1D2の後継機。フジフィルムとのラージフーマットカメラが1億画素を出しているから、間違いなくハッセルブラッドでも出してくるはず。いまの5000万画素で十分足りているのだが、どんな写りか試してみたいもんだ。その後、新宿MAPカメラで、パナソニックS5セットを売却。他にも複数台持っていて、最近は出番がないソニーZV1なども。査定の間に階下のソニーブースを見ていたら、品薄のα7SⅢがあった。35万円ちょっと。α7Ⅳをまだ使っていないのにね。でもカメラマンの習性として同位置機種を2台持ちたい欲求があるから、いずれはね。まずはα7Ⅳを使ってみないと。帰りにヨドバシに寄って、新しいレンズの保護フィルターとNDフィルターを購入。ここでもカメラを触り倒す。キヤノンEOSR3を初めて触った。見かけより軽くてびっくり。凄まじい連射速度。さすがだね。

<2003年1月19日の日記から>

昨日は娘の「バレエ」の発表会。娘と妻を車で都立大学まで送り届ける。都立大学跡地に図書館、体育館、ホールなどが集まった複合施設が新しく出来ていて、そこを借りてやるらしい。小さいホールでこじんまり、かと思っていたらプロが使うような1000人収容の大ホールでやるという。たかが子どものバレエの発表会にしてはすごすぎないか? リハーサルの時間が結構あって、本番まで時間があいたので、近くに住むカメラマンの友人Oの家に遊びに行く。彼とは同い年で出身地もすぐ近く、フリーカメラマンになった時期もほとんど一緒なら結婚したのも同じ頃。フリーになりたての頃知り合い、いくら働いても日当15000円の時代から、降って湧いた様なバブル時代、そして不景気なこの頃までと、ずっとお互いの仕事を見てきた。彼は「輝け! 日本で忙しいカメラマンランキング」でいくと、おそらく250位くらいには入っているのではなかろうか。とにかく知っているカメラマンの中で一番忙しい。どれくらい忙しいかと言うと、北海道ロケから戻って羽田で着替えとフィルムを受け渡し、そのまま沖縄ロケに行ってしまうくらいである。ある時、僕がすごく忙しい時期があって、たしかひと月22本の仕事をした時だったと思う。自慢げに「イヤー、今月はいそがしかったよ」と彼にいうと「俺は今月たいしたことなかったなあ」という。「勝った!」と思い、彼に撮影本数を尋ねたら、なんと「25本」だった。25本でたいしたことのない生活をしているとは。以来、撮影本数を自慢するのはやめにした。彼の事務所部屋をのぞくと、そこはまさにコンピュータールームだった。ざっと見ただけでMacのG4デュアル、パワーブックG4、DELLのハイスペックマシン、ニコンのブローニーフィルム対応スキャナ、17インチツイン液晶モニター、エプソンのプリンターが2台、デジカメがニコンD-1とフジのS2PRO。デジタル撮影の割合が多いというのも納得。夕方から発表会。親バカに徹して「EOSD60」で娘の舞台を撮る。感度1000で撮るがとてもきれい。デジカメは条件が悪くなればなるほどフィルムに対してアドバンテージを保てる。悪いが、会場でオフィシャルで撮っているカメラマンよりあがりはいいぞ。なにせ彼らの使っているのは感度800のネガカラーなのだから。

 

「スラムダンク」は必見

朝=肉うどん/夜=ラム肉のカツレツ、小松菜と揚げ出し豆腐の炒め煮、白米、味噌汁

新宿に出る用があったので御苑の映画館バルト9に寄ってみた。「すずめの戸締り」を見ようかと思っていたけど、時間の関係で「スラムダンク」を見ることにした。どちらもアニメだから。僕は国内映画はアニメの方が好きだ。「スラムダンク」は漫画で読んでいたし、作者の井上雄彦さんは、仕事で数回撮影をしたことがある。一度は結構長い時間をかけての撮影だったのだが、人気絶頂にも関わらず、クライアントにも、アシスタントにも同じように接する姿を見て尊敬する人物のひとりになってしまった。

今回の映画は、新しい物語の展開ではなく、ポイントガードのリョータにスポットを当て、あの「山王戦」を描いていく。結果は知っているのに、最後のシーンは感動する。井上雄彦の書く物語ってすごいな。大正解の選択だった。漫画を読んでいた人は必見だね。

<2022年1月18日の日記から>

松本のデータを印刷用に仕上げる。先日書いた「さんくろう」の炎の写真はハッセルとパナソニックの両方で撮ったのだが、その違いが面白い。これは今度の2B Channnelライブのネタになる。僕のインスタにも1枚上げたので気になる方はどうぞ。ちょっと驚くはず。銀座に用があったので、ソニーストアに寄ってレンズをあれこれ試してみる。やっぱり単焦点レンズは気持ちがいい16-35F2.8と70−200F4の2本のズームレンズだけなので真ん中が抜けている。ゆくゆくはそこを何かで埋めたい。シグマの28-70f2,8が軽くて性能がいいと評判なので気になる。でもシグマは35ミリと65ミリのF2の明るいレンズがいいんだよな。銀座から新宿に出て「リコーGR TV」のゲスト出演。ホストは赤城耕一さん。GR3とGR3Xの話なのだが、かなり暴走。担当者が困ってた(笑)   編集大変だろうなあ。すいません。でもメーカー系の番組にありがちな予定調和的な話はしていないので面白いはず。今週中にはアップされるらしいのでお楽しみに。赤城さんはライカのM11を触ったらしい。相当いいそうだ。僕も銀座に行ったついでにライカショップに行ったのだがお休みだった。120万円のカメラには100万円のアポズミクロンをつけるのがお約束なんだろうね。

<2006年1月18日の日記から>

『日本カメラ』の審査も早いもので4回目。少しはペースがつかめてきた。審査前に編集部の担当者とお昼ご飯を食べるのだが、さすが人形町、何でもおいしい。今日は洋食屋でフライのセットを食べた。さっくり揚げられているので、胃もたれすることなどない。編集部のすぐそばに親子丼で有名な「玉ひで」がある。いつ見ても長蛇の列。審査をしているうちに、一度は食べてみようと思う。2月号ができていたので早速見てみる。「da.gasita」が8ページで掲載されている。難しい雪の写真が多かったが、十分印象は伝わる印刷だった。編集長が「何度もやり直しで大変でした」と言っていた。中藤毅彦氏のニューヨークが次のページに載っている。相変わらずグイグイと力強い写真だ。どこに行っても、どこを撮っても一目で中藤毅彦と分かる。

「作るは簡単、売るは困難」

朝=焼きベーグルのたまごサンド、トマトスープ/夜=親子丼、味噌汁

寒いね。なのでずっと家で『da.gasita』にサインを入れて、トートバックに包んでをくり返していた。一日中やってもさっぱり目処がたたんw  相変わらず本はうず高く積まれている。これは早急になんとかしないと家が傾くぞ。「本を作るは簡単、売るは困難」というのをひさしぶりに思い出した。最初に作った写真集も自費出版だったので事務所が本で埋まったけれど、今回も似たようなもんだ。

フィルムの高騰は冗談のようだけど、印刷費もかなり上がっていて、赤々舎のツイートでも「値上がりがすごくて見積書が正視できない」とあった。「2BChannel」のコメントに「なぜそんなにフィルムにこだわるんですか」とあったけど、合理性じゃ片付かないこともあるわけで。とは言え、ずっとフィルムで撮って写真集を作り続けるというのは徐々に難しさを増していきそうだ。

<2022年1月16日の日記から>

肝心要の17歳のポートレートが松本市のコロナ警戒レベルMAXのため撮影できなくなるという不測の事態が発生し、朝ご飯を食べながら担当者と打ち合わせ。「さあ、どうする?」。当初四季を通して12人の撮影予定が最終的に7人まで減ってしまったのは痛い。とはいえ嘆いてばかりもいられない。食事後も移動しながらずっと話し合う。一旦撮影から戻りホテルのロビーで今までの材料をあげて調整作業を続ける。そして夜、最後の撮影へ。「さんくろう」という豊作祈願のお祭りで巨大な櫓を燃やすもので「どんと焼き」と同じ。火をつけるとあっというまに火柱になり盛大に燃える。火がおちついた頃に、枝の先につけた団子を火であぶって食べる。ハッセルブラッドのX1D2で撮影したのだが、写りが常軌を逸している。撮りながら興奮してしまうほど。使うたびに感動できるのだから、すごいカメラだよなあ。この仕事の最後の撮影がうまくいって、明日は気持ち良く帰ることができる。

<2006年1月16日の日記から>

横木 安良夫 写真展 『Teach Your Children』のパーティが13日にあった。ギャラリー所狭しと貼り付けられた写真、写真、写真。横木さんが70年代、学生からアシスタントの時に撮った、まだ何者のでもない時代の写真だ。見ていて不思議に思ったことがある。どうして当時の横木さんの写真はこんなに「バタくさい」のだろうか?古き日本というよりアメリカを感じてしまう。横にいた赤城耕一がつぶやいた「ロバートフランクだよねえ」。ああ、なるほどロバートフランクかあ。横木さんにロバートフランクは好きかと聞いてみた。「あったりまえじゃないか。写真を始めた頃に一番好きだったのはフランク。それと高梨豊だよ。でも天才だとと思ったのは篠山紀信」。横木さんのルーツがちょっと分かったような気がした。今回の展示は全てエプソンのプリンターで出力されている。ちなみにA1ノビのプリントは僕の事務所で出力した。銀塩プリントと、印刷物の中間に値するものだと横木さんは言っている。1枚欲しいなと見ていると、数百枚のプリントの中で1枚だけ70年当時のヴィンテージプリントがあった。雨に濡れた車の写真だ。ネガを紛失してしまい、もうプリントすることはできないらしい。そう言われると俄然魅力的に見えてくる。やはり物として欲しいのはその1枚だなあ。でも当然非売品。後半はお酒が入ってちゃんと見ることができなかった。会期が長いからもう一度見に行ってこようと思っている。

 

 

 

 

 

 

 

大根の煮物

朝=野菜あんかけパスタ/夜=土鍋で豚と大根と野菜の煮込み、納豆、白米

自営業にとって1月2月は憂鬱。確定申告の時期だから。妻が1年分の経費をさらっていくのだが「これは何?」と問い詰められる。妻はただ帳簿に記載するためにやっているわけだが、その度に「あ、それカメラ、それはレンズ、それはマイク」と説明するたびにビクビクする。とうぜん必要経費なのだがなぜか後ろめたい(笑)。

僕は一日中写真展の準備とトートバック作り。そして朝と夜のご飯作りをしたのだが、最近は作ってもらってばかりだったから、ひさしぶりすぎて手順を忘れている。沢木耕太郎がインタビューで「掃除も洗濯も料理もなんでもできるのがいい」と言っていた。自由についての話の中で出た話だったが、大きくうなづいてしまった。ひとりでなんでもできるようにというのは、つまり一人旅につながるわけだ。

<2022年1月15日の日記から>

午前中に松本入り。今回で4回目で最後の撮影になる。戻ったらすぐに画像を納品、これまでの写真と合わせて2月中旬に印刷物となる。今日は土曜日の人物撮影のロケハンと足りない場所の風景撮影。ハッセルブラッドX1D2を使った。1年使っても撮るたびに感動してしまう発色。色の作り方が抜群にうまい。ポートレートだとなおさら。寒くてバッテリーの消費も早いので大型のモバイルバッテリーから給電しながら使う。夕方ホテルに戻り、PCで今日の撮影分のチェック。センサーに数カ所ゴミがついていた。絞り込んで撮影していたので目立ってしまう。帰ったらサービスに出さないと。翌日の動画撮影で使うために持ってきたパナソニックS5の設定を最終チェックしていたら、担当者から電話があった。「松本のコロナ警戒レベルが5になってしまったため、非常に残念ながら明日の人物撮影は中止となってしまいます」。まさかのタイミングでの警戒レベルMAX。さあ、どうする。もう撮り直す時間はない。とりあえず冷えた体を温めに銭湯へ。風呂につかっているうちに「なんとかなるさ」と思えてきた。

 <2003年1月15日の日記から>

朝5時半集合。当然外は真っ暗、風が強く寒さがしみる。アシT、自転車で20分かけて暗室に到着。ちょっとだけ同情。外気温3℃。朝がこんなにこっぱやいわけは、築地市場を撮るため。築地には一般客が入ることが出来る「場外」と関係者オンリーの「場内」とにゲートで仕切られている。場外をうろつくも築地らしいところがない。意を決して場内に潜入。許可はない。だまてん。すると場内は「おお、これこれ!」という活気にあふれている。ぼやぼやしていると運搬車にひかれそうになる。皆、寒空のなか湯気を上げて働いている。どこかいいところがないか場内を歩き回る。ここぞと思っても三脚を立てるスペースなどありはしない。30分以上歩き回るが見つからない。段々日が登ってきて焦りが出る。今日はロケハンでもいいやと考えていたが、なんとか1カットは撮りたい。最後にマグロを並べている入り口付近にポジションを発見。急いで三脚を立て撮影。アングルを少し変えて2カット。最後にはもうマグロが引き取られて少なくなってしまったので終了。外はもう朝日が差していた。暗室に戻り、依頼のあった以前撮ったネガを探し、ベタ焼きを作る。家に戻り休憩の後、渋谷を撮影にもう一度出る。渋谷に来たついでに「ウィリアムモリス」でやっている「千田貴子写真展」を見に行く。送ってもらったDMにそそられるものがあった。今年初めての写真展だったが大当たり。モノクロで撮られた水族館や温室などのガラス越しの風景。久々に「眼においしいプリント」だった。帰路ディレクターTさんの事務所にベタ焼きを納品。彼は今月5日に子供が生まれたばかり。忙しそうだったが顔はほころんでいた。家に帰ってネットを見ていたら「長島有里枝の電子子育て通信」
というのを見つけた。子育ての懐かしい記憶がよみがえる。彼女は写真だけではなく文章もいい。

 

 

 

 

 

 

等伯「松林図屏風」

朝=海苔巻きお餅/昼=卵サンド/夜=牛肉弁当

上野の東京国立博物館で15日まで長谷川等伯の「松林図屏風」を公開しているというので見に行ってみた。先史古代から始まるのは先週行った国立歴史民俗博物館と同じ。でも上野の東博の方が、ちょっといいもの置いてある感じがする。飛鳥時代の仏教美術館から平安、鎌倉、室町と続き、安土桃山のハイライトが「松林図屏風」。思ったよりも大きかった。ガラスがあるものの、近くまで寄れるので細かいディティールが確認できる。実際に見に行くって大事だね。「松林図屏風」は明治政府になって、一番最初にコレクションしたものだそうだ。水墨画の中の水墨画だというが、なるほどね。今まで画像でしか見ていなかったので実物を見られて良かった。どうやら毎年正月企画として「博物館に初もうで」見れるようだ。

上野からお茶の水のギャラリーバウハウスへ。写真展「LIFE 写真のある生活Ⅲ」が2月25日(土)までやっている。これがすごい。まず最初に目に飛び込んで来たのが杉本博司「劇場」。それも4枚。「フェロがけ」してあるプリントだから、かなり初期もの。そのほかにもザンダー、スデク、フランクと目がまわる。田原桂一の「窓」とか森永純の「河」まである。しかも買える。決して高くない。オーナーの小瀧さんにいろいろと話を伺う。最近「写真をアートにした男 石原悦郎とツァイト・フォト・サロン」を読み返していたので、石原さんのことを聞いてみた。僕が大学に入学した頃は面白い時代だったみたいだ。そこに気がつけないなんてなんだか損した気分だ。

<2022年1月14日の日記から>

写真集印刷2日目。とてもスムーズに進行した。印刷は謎のムラだったり、色転びなど一度問題が出たりすると、解決に時間がかかり、現場が徐々にピリピリし始めて控室での口数が少なくなるものだ。でも今回は終始和やか。2月上旬の配本が楽しみだ。写真集を1冊作るのには、撮影だけではなく編集、デザイン、印刷、製本と手間と時間が膨大にかかる。かといって大きな利益が出ることはない。それでも作りたいのだ。「2BChannnel」では、これまで作家の話は色々と聞いてきたが、今年は写真集を取り巻く人たちのインタビューをしていきたいと思っている。印刷所からは、車で中野駅にまで送ってもらった。数ヶ月かかった仕事がひと段落して、気持ちが晴れやか。そのまま駅裏にある「フジヤカメラ」に寄ってみた。ここ最近、僕の周りではソニーのα7Ⅳの話題で盛り上がっていて、友人も数人購入している。30万円と普及機並の価格で、7Ⅲよりも動画性能が飛躍的に上がっている。触らせてもらったら確かにいい感じ。でも欲しくても物がない。今予約しても早くて4月。中古品が新品より高いところもあるみたいだが、都内の目ぼしいお店で検索してもどこにもない。そのことは事前に知っていたので冷やかしに「ソニーα7SⅢの中古はありますか」と店員に聞いてみたが「新品も中古もございません」。でしょうね。ついでに「まさか7Ⅳはないですよね」と聞いてみたら「少々お待ちください」と店員は奥に消えていった。続く。

<2014年1月14日の日記から>

娘が成人式を迎えた。20年はあっという間。生物学的な責任を終えたような気になっている。もっとも何にもしてこなかったけれど。もう父親は頼られる存在ではなくなった。娘ができることのほうが多いのだ。ちょっと寂しいが、その分嬉しい。成人式で着る着物で写真を撮ることになった。小さい頃から写真を撮りすぎたせいか、娘は写真を撮られのが嫌いになった。小学校5年生くらいからかなあ。今回も「お父さんとお父さんの知り合いには撮られたくない!」と断固拒否の姿勢だった。まあしかたあるまい。着物はレンタルだったので、セットでスタジオ撮影がついているからそれでいいということなのだ。で、前撮りに行ってきたのだが憮然としている。出来上がった写真を見たら十分よく写っている。ライティングもいいし、プリントもきれいだ。いいじゃないか、と言ってもこんなの嫌だと言う。なんでだめなの?と聞いたら「こんなポーズありえない」と言うのだ。確かに傘を持っているポーズは如何なものかとは思ったが。それでようやく父親登場になった。再度着付けをして自宅で撮ることにした。ガレージの物干し竿に大きな布をかけて即席スタジオを作った。α7にコンタックスのプラナー85mmF1.4をつけて撮ることにした。この組み合わせは肌の色ノリがいい。レタッチしなくても十分きれいだ。幸い薄曇りでちょうどいい光になっていた。ガレージから始めて玄関、彼女の部屋と場所を変えて思う存分撮った(笑)。アップはもちろんだが、ちょっと引いて家の様子がわかるようにした。彼女の娘が成人した頃に楽しめるようにだ。プロカメラマン30年の仕事だ、結果は悪かろうはずがない。以来、娘の父親に対する評価はちょっと変わったようだ。

 

 

 

 

 

 

プリントの納品完了

朝=キーウイのヨーグルトスムージー/昼=味噌一の味噌ラーメン/夜=豚野菜鍋

今年から冬青社は高橋さんから野口さんに代表が変わり新体制になった。その1回目の写真展が公文健太郎さんの『耕す人』。幕開けにふさわしい写真展だ。会場にいた公文さんから「お年始」ということでカレンダーをいただいたのだが、これがすごい。来週のライブ配信で紹介するけど、こんなの作ってみたいね。

冬青には4月の写真展の納品。今年は『da,gasita』の再販に合わせて展示をすることになった。もう残っているプリントがほとんどない。かといって、今ある印画紙ではしっくりこない。アドックスというヨーロッパのメーカーのものを使っていたのだが、現在は流通していない。展示分のものは揃ったが、ほぼ1点ものになってしまった。

プリントの納品を済ませ、同時に海外のギャラリーに預けてあった僕のプリントを受け取った。新体制になったこともあって戻してもらっていたのだ。オランダ、ベルギー、ミュンヘン、ベルリンの4箇所のギャラリーのうち、まずは2箇所戻ってきた。10年前はいくらでもプリントできると思っていたけど、状況が随分と変わってしまった。

<2022年1月13日の日記から>

今週の水曜日と木曜日は、写真集の印刷立ち合いで足立区にある印刷所へ。複数枚印刷された写真の刷り出しを一旦止めて、最終的にインクの量の微調整をかける。冬青社の高橋さんが印刷所のオペレーターに指示を出して再度印刷すると別物になって上がってくる。何度もみていることだが、これはマジックとしか言いようがない。今回は印刷所と意思の疎通が取れているせいで、和やかだ。僕は一応責任者なんだけど、ここまでくると口を挟む余地もなく、ただうなづいているだけ。帰宅後、夜からの「2B Channelライブ」の準備をしていたら、写真学生から「この間撮ったファッション写真が数枚焼けたので持っていきます」と連絡があった。せっかくなので、そのままライブに出てもらうことに。彼の焼いた写真はバッドに入れた状態で持ち込まれ、まだ水に濡れていた。それがリアルで面白い。ライブでは数枚のプリントとベタ焼きを見せながら撮影について話してもらう。その後は写真学生が影響を受けた熊谷聖司、中平卓馬、牛腸茂雄、斎藤亮一の写真集を見ながら解説してもらう。彼は写真だけではなく、作家が書き残した言葉に強く惹かれている。いつもは1時間を僕ひとりで喋り続けるのに、大変な思いをしているが、相手がいるとあっという間だった。

<2003年1月13日の日記から>

朝からプリント。撮影している日より焼いている日のほうが多い。どうりでもうかんないわけだ。昨年越しの某銀行の会社案内のプリントの本番。なかなかOKカットが決まらず入稿日ぎりぎりになる。午前中はモノクロ6枚。人物なのだがスーツの色によって露光時間がコロコロ変わる。12時を過ぎたところで中野サンプラザに向かう。今日は成人式、去年から撮っている「東京」シリーズの一つにするつもり。会場のサンプラザ前には予想通り晴れ着姿の「成人」があふれていた。日本人には当たり前だが写真にすると不思議な光景に写るだろう。シノゴを使うが最初の7枚ぐらいを絞りの設定ミスでダメにする。晴れ着姿がいなくなる前に何とか撮影終了。アシTの運転で現像所まで。Tに運転してもらう時、横に載っている僕の足はずっと床に突っ張っている。頼むからはやく慣れてくれ。江古田「プアハウス」で遅めの昼食を食べる。二人とも「粗食セット」。このおいしさを説明できる筆力を僕は持たない。要するに満足。暗室に帰ってカラープリント4枚。現像機の調子が悪く筋ムラがでる。ローラーを洗い、乾燥ラックを使わずに処理することで急場をしのぐ。やっぱりオーバーホールだな。