YouTube

 

https://www.youtube.com/watch?v=jRj2_OktwYg&t=10s

 

2019年11月11日月曜日です。

 

大学時代の同級生、山下恒夫さんが銀座ソニーギャラリーで写真展『日々Ⅳ』をやっています。先週金曜日に見に行ってきました。

彼の写真展は11月21日木曜日までやっています。

 

https://www.sony.co.jp/united/imaging/gallery/detail/191108/

www.youtube.com

 

 

 

ソニーギャラリーは土日もやっているし、夜7時まで開いているのでとても行きやすい。どことはいいませんが、日曜日が休みで夕方6時で閉まってしまうギャラリーもあります。働いている人はほぼ行けません。

ソニーなのに、バライタプリント。モノクロです。彼の写真はびっくりするほど普通です。だって日々の写真だから。人生にそうそうドラマチックな瞬間なんておきません。でも見入ってしまう。

たまたま、ギャラリーで知り合いの写真家に会ったら、「どうしてですかね」と聞かれたので即答しました。「だって天才だから」。

 

すんごい乱暴な言い方だけど、それ以外に説明がつかない。他の人が撮ったらおそらく全然つまらない写真になるだろうし、そもそも撮らないでしょう。 

秘密があるとすればプリント。おそらく現時点で、35ミリフィルムで撮られたものでもっとも優れたプリントです。たくさんあるプリントの正解の中で、ひとつの正解が出ていると思っています。

モノクロが好きな人は絶対見た方がいい。その普通さぶりに驚いてください。

 

そして来年2020年1月はギャラリー冬青で僕の写真展があります。ここ4年ほど毎年1月にやらせてもらっているんです。

今日はそのためのプリント。もう自分の暗室はないので、ある写真家の暗室をお借りしています。設備は完璧で、とても使いやすい。

ここが借りれることになったので、事務所を引っ越すときに引き伸ばし機8台と、自動現像機2台、引き伸ばしレンズ20本、その他イーゼルとかバットとかは、すべてきれいさっぱりワークショップの人で暗室をやっている人に譲ってしまいました。

残したのは愛用のローデンストックと、シュナイダーの引き伸ばしレンズ、それとピントルーペくらい。大全紙まで対応するカラー自動現像機も残しました。でもなかなかカラーでプリントする機会はないですね。たまにワークショップで使うくらいです。

 

さて、暗室に入って準備をしていると、定着液がないことに気がつきました。やる気が一蹴でなくなりかけたのですが、しかたがないので新宿ヨドバシカメラに買い出しにいくことに。

毎月かなりの商品をヨドバシカメラで買っているけど、すべてネット注文なので、お店にいくのは1年ぶりだと思う。暗室用品売り場がなくなっていたらどうしようと、ちょっと心配でした。

 

今やヨドバシは家電やパソコン、携帯がメインのお店だけど、名前の通り始まりはカメラの専門店。1960年に創業だそうです。

僕は61年生まれだからほぼ同い年ということか。最初は今のようなビルではなくて、ガラガラと引き戸を開けて入る小さなお店だったと聞いたことがあります。

現在、全国に23店舗あって、家電のネット通販だとAmazon についで2位なんだとか。そういえば家電量販店で初めてポイントカードを導入したのもヨドバシカメラ。株価はどうなっているんだと思ったら非上場会社。ちょっとびっくり。個人商店が大きくなった感じなのか。ちなみに社創業者は有名なライカコレクター。

もともと「ライオン」という自社ブランドの写真用品が、直販のメリットで他よりも安く、それがヒットして大きくなったのだとか。僕も学生時代によく買ってました。今の中国製品みたいに、正規品よりもちょっとクオリティは落ちるけど、値段は破格というやつでした。

 

以前は暗室用品だけで大きなフロがアあって、ところせましと引き伸ばし機や印画紙を売っていたけれど、今は見る影もなく縮小。カメラビルの裏側のひっそりした場所に暗室用品売り場がありました。

一応1階のワンフロアを使っていますが、品物は以前の数分の1。モノクロ印画紙はイルフォードとオリエンタルがメインでケントメアとフォマもありました。サイズはキャビネから大全紙まであります。まだまだ大丈夫そう。

 

引き伸ばし機はLPL社製の35ミリから67まで対応するタイプとシノゴまで伸ばせる2機種がありました。まだ売っていることにちょっと感動。でも価格は一番安いモノクロ専用機で187450円、シノゴのカラーとなると、なんと616000円! 同じタイプのものが、20年前は35万円でした。それでもあるだけ立派。 

おそらくもう製造はしていないくて、在庫のみなんじゃないでしょうかね。新品を手に入れることができる最後のチャンスですよ。 

周辺機器も値段が高くなっていてカイザー製の印画紙イーゼルで218210円するものもありました。以前1万7千円で売っていたLPL社製のイーゼルは37800円。安く感じます。

 

意外や意外、カラーの印画紙はまだ結構在庫がありました。もうカラー現像機は生産を中止して大分たつし、まともに動くのは少ないだろうに、ちょっと不思議。来年度からは日大芸術学部からもカラー暗室が消えるというから、これも残り時間わずかという感じがしますねえ。

モノクロフィルムはまだ結構種類があります。コダックの他にイルフォードとケントメア。ローライブランドもありました。値段は36枚撮りで1本1000円以上。まあしかたないです。

今一番使っているコダックのトライXブローニータイプは5本で5360円。やはり1本1000円以上。でも最近のトライXはなんだか焼きづらい気がしていて、来年から他のフィルムに変えることを検討中です。

 

カラーネガフィルムはコダックとフジが出していて、24枚撮りだと800円くらいだけど、36枚撮りはやっぱり1000円以上。定番のフジ400Hは1620円。

驚いたのはポジフィルムがまだあったこと。フジの他にコダックからも出ていますが、1本2000円もします。誰が使うんだろ?

エイトバイテンのフィルムも売っています。コダックのカラーネガは10枚入りで45320円! 1枚あたり4500円。現像代をふくめると1枚撮影すると7000円くらいです。これも誰が使うんだ?

お目当ての中外モノクロ定着液3本を手に入れて、帰りがけに向かいのカメラ館に寄ってみました。気になるのはやっぱりシグマの「fp」。

 

持った感じはがっちりしています。放熱用に開けられたベンチ部分が工業製品みたいで、なんかプロっぽい。オートフォーカスはスチールだとそこそこですが、動画だと心許ない。ソニーのようにスパッと切れるようには合わない。

もしかしたらプロ機だからマニュアルフォーカスが前提なのかも。どんな絵が撮れるのか興味あります。

 

 

日大芸術学部写真学科

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久しぶりに江古田へ行ってきました。 この時期、日大芸術家学部では「芸祭」をやっています。芸術系の大学では文化祭とは言わず「芸祭」と言っています。期間中、学校を開放して作品展示が行われます。壮大なグループ展のようなものですが、これが毎回結構面白い。

 場所は西武線江古田駅から2分。僕らがいた頃は江古田校舎だけだったのですが、80年後半に所沢校舎ができて、1、2年は所沢、3、4年は江古田とわかれていました。 それが今年から所沢にあった校舎をたたんで全て江古田に戻したそうです。どこの大学も都心回帰の流れがあるみたいで。

 まずは教職員棟に行って、同級生の先生のところへ。同級生の西垣さんが学科長ですからねえ。時代を感じてしまいます。 西垣先生に『じゃない写真』を渡したら彼女の新刊をいただきました。 西垣仁美、藤原成一著『50冊で学ぶ写真表現入門』。なんと日本カメラ社から出ています。

https://www.amazon.co.jp/50冊で学ぶ写真表現入門-西垣-仁美/dp/4817921706/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=カタカナ&keywords=50冊で学ぶ写真表現入門&qid=1572862442&sr=8-1

 この本は写真集ではなく、ロラン・バルトとかスーザン・ソンダク、シャーロット・コットンなどの、読んでいて頭がこんがらかる評論集の解説本、というかガイドです。 めちゃくちゃありがたい。この本を参考に原本を読み込めば、世界が大きく変わります.

 アカデミックな仕事だな。さすが。

 同じく同級生の服部先生に、日芸の暗室を見せていただきました。「東洋一の暗室」ということでしたが、間違いなく世界一。世界の写真学校の潮流は脱暗室。こんな立派な暗室は、ここ以外にはありえません。

 大暗室は25名がいっせいに作業できるスペースがあり、しかも伸ばし機は電動式のベセラー。シノゴまで伸ばせます。 その他フィルム暗室や個人暗室もあります。

 しかし残念ながらカラー暗室は今季で終了だそうです。業務用自動現像機のメンテナンスができなくなったのが理由。 印画紙は供給されているのに機械はもうどこも作ってない。消耗部品は在庫切れの状態です。

 暗室だけではなく、大型スタジオや小スタジオもあり、撮影機材にはフェーズ1が用意され、大型ストロボはブロンカラー。とにかく最高のものであふれている。その設備に正直驚きました。 服部先生曰く「学生はさっぱり理解してませんけどね」。まあそういうものです。

 今、写真学科には一学年106名の学生がいて、半分はAO入試で入ってくるそうです。僕らの時代と定員は変わっていませんね。 今でも1,2年は写真基礎コース、3,4年がゼミになっています。

 写真基礎、通称「写基礎」では暗室実習が必須科目になっていて、1年生は35ミリ、2年生はシノゴと呼ばれる大型カメラを使ってフィルム撮影実習をします。 昔悩まされたシノゴのカメラを使っての新聞複写は今もやっているそうで、フィルム撮影のカリキュラムはほとんど変わっていません。

 でも大半の授業はデジタルなわけです。やはり映像実習も用意されていて人気のコーズになっているようです。レタッチの授業も、もっと充実させたいと言っていました。

 写真の対象になるのは身近な友人といった、プライベートなものが多いそうです。まあ、これは理解できるかな。

 就職はここ最近とても良いそうで、大手新聞社、通信社、出版社の他に、昔と違ってレタッチャーや、ブライダル撮影の会社というのもあり、中には映像制作会社に就職する学生もいるそうです。 加納満さんんとの対談でも言っていますが、僕らの時代は広告関係が花形でした。 日芸はアーティストになるより、昔から職業カメラマンになるものがほとんどです。

 日大芸術学部には大学院もあって、芸術学修士MFAの資格を取ることができます。このMFAの資格は欧米ではMBA(経営学修士)と同じくらいの価値を持つと言われていて、ビジネスマンが注目している学位です。 全体で40名近くが大学院で学んでいるそうですが、その8割以上が留学生。そして大半が中国。

 さて、お目当ての学生の作品を見ていきます。最近は壁を使っての展示よりも、ブック制作での参加が多いそうです。ブックとはファイルに写真を入れて1冊で構成するタイプのものでポートフォリオとも呼ばれます、 「キヤノン新世紀」がブックでのエントリーというのも関係しているのかな。というかブックというものが当たり前になっているんでしょうね。

 見ていて上手いなと思わせる写真はけっこうあります。でも上手い下手で語るなら当然我々のほうが経験が多いから上手い。でも上手いんじゃなくて「こりゃすごい」というものが毎年必ずあります。

 通路や大スタジオでの展示を見ていくと、いくつかひっかかる作品がありました。上手い下手を超えようとするアプローチのものに惹かれます。

 2階の奥の小部屋を覗いてみると、不思議な作品が目にはいりました。なんだかよくわからない、なんとも説明のつきづらい作品です。 でもものすごくいい。不思議なエネルギーがある。でもこれってカメラもレンズも印画紙も、何も写真的要素のものを使っていないようなんです。でも不思議と写真なんだよな。

 制作過程の動画(おそらく4K)を見ると木枠に紙をちぎって入れてを繰り返し、まるで紙すきのような行為をしています。からみあった紙を慣らしたりなぞったりしています。

 作者がいたので聞いてみました。「これって写真?」 作者の松原茉莉さんは「写真のことをずっと考えた結果こうなりました」 たしかに写真的要素は微塵もないけど、僕も今回の展示の中でもっとも写真的だと思えました。

 松原さんが写真を追求しようとしてできあがったのなら、これは写真でしょう。 やっぱり才能ある人はいるね。彼女の作品を見られてよかった。

 1階では「卒業生による木村伊兵衛賞土門拳賞記念作品展」と題して藤岡亜弥さんと高橋智史さんの展示もありました。日芸出身で活躍している写真家は多いです。

 先日見た「キヤノン新世紀」もそうだけど、日本の写真は大きく変わりつつあるね。「こんなの写真じゃない」というのがどんどん出てきそうです。

H6期募集中です。東京都写真美術館『イメージの洞窟』展

最近の東京都写真美術館の展示は、よくわからないとよく耳にします

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https://youtu.be/KNjEau4TG-E

 

22日の「即位の礼」の日に東京都写真美術館に行ったら、入場料が無料でした。そのせいか、いつもより混んでいましたね。でも2階の企画展「イメージの洞窟」を見てるお客さんは駆け抜けるように展示を見ていました。無料だから来てみた人が多かったせいでしょうね。 

ちなみに、東京都写真美術館は1995年に東京恵比寿にオープンした、写真を専門に展示収集する東京都が運営する公的な美術館です。ちなみに、世界で初めて写真を収集した美術館はニューヨーク近代美術館MOMAです。1940年のことです。

東京都写真美術館は、最近は「TOPギャラリー」という名称になっていますが、まだ馴染みがない。やっぱり都写美と言ったほうが馴染みがありますね。

今月は3階が「TOPコレクション展 写真の時間」、2階が「イメージの洞窟」、地下が「写真新世紀」展をやっていました。

3階のコレクション展はおすすめです。名作揃い。タイトルの「写真の時期」にあるように、写真が持つ時間を切り取ったり、堆積させたりする特質を現す収集が集められています。

個人的には、ユージンスミスのプリントが超絶すぎて驚きました。ローライ フレックスで撮られたであろうポートレートは、現在のデジカメでもかなわない気がするほど。 

オーギュストザンダーの白い服の描写や、奈良原一高の「消滅した時間」のプリントもいい。

地下の写真新世紀は、5年ぶりくらいに見ましたが、以前と全然違う。エグイです。これは見てもらうしかないですね。モニターが並んでいて、もう映像作品は当たり前のようになっています。

東京都写真美術館は、2016年9月にリニューアルオープンしてから2階の企画展はかなり現代アートに振っている展示をしています。一言で言ってしまえば「写真っぽくない」。

そもそも、リニューアルオープンのときの展示が杉本博司の「今日写真は死んだ、昨日かもしれない」という刺激的なものでした。写真が死んだ?

 

つまり「みんなが思っている写真はもう死んだんですよ」ということです。

 

だからいまいち評判がよくない。「なんでこんな展示するんだ」っていうクレームも多かったそうです。クレームっていうのかな。まあ苦情ですね。「こんなの写真じゃない」っていうことなんでしょう。 

最近の2階の企画展は攻めてます。そのかわりといってはなんだけど、3階はコレクション展にして、歴史的な写真を数多く展示しているし、地下も名作が多い。

最近の都写美はバランスがいいなと思っています。

先ほども言ったように2階の展示はよくわからないという場合が多い。今回の「イメージの洞窟」も見に行った人が「5分で出てきてしまいました」と言っていました。なんででしょう。

日本を代表するトップキュレーターが、予算と時間をかけて作り上げた展示ですから、なにかしらわけがある。なぜ見ている人のひっかかりが薄いのか?

これは思うに、わざとわかりづらくしているんじゃないか、見て感動するようなものは、もうやめようとしているんじゃないかと。こういうと「芸術は心に感動させてくれるものでしょ」と言われそうですが、どうやら都写美のキュレーターはそう思ってはいないようです。

そういえば、ちょっと前にある市町村のトップが言っていましたね。「なにも感動しなかった」って。なんとなく僕らはアートは与えてくれるものだと思っています。

ところが、もう数十年も前からアートは与える存在ではなくなっているんです。

与えないならアートの存在は何かというと、考える装置みたいなものと考えられているようなんです。

そこで「イメージの洞窟」というタイトルが重要になってきます。キュレーターはそのタイトルを下敷きに、写真家を選び出している、だからタイトルの意味がわからないと展示を見ていてもピンとこない。

この「洞窟」。実は洞窟ってアートにとって、とても重要なキーワードです。

都写美のサイトの展示説明欄の中に「プラトンの洞窟」とあります。これがわからないと始まらない。

実はスーザン・ソンダクの写真評論集の冒頭にも「プラトンの洞窟」の引用が繰り返し書かれています。どうやら重要なものらしいことはわかります。

プラトンの洞窟とは、ざっくり説明すると、我々は洞窟の中に縛り付けられた存在で、後ろを振り向くことはできません。ずっと洞窟の奥の壁を見ている存在です。光が背後からやってきて、その影が壁に映る。

認識できるのは壁に映った影だけ。

それを我々は真の世界だと認識しているというものです。

そこで我々が認識しているのは影にすぎない、真の世界、本質ではないというたとのことです。

これって写真そのものじゃないですかね。撮影は「影を撮る」と書いたりします。

そして往々にして我々は写真を真実が写ったものだと誤解したりする。ただの写真と現実を同一視してませんか、そのように考えることができそうです。

プラトンがそれを考えたのは2600年以上前。それがいまだに有効性を持っているのがすごいですね。

写真は写真です。イメージにすぎないんですよ、ということだと考えると、今回の展示は俄然面白くなるはずです。

そして洞窟はそのほかにも多くの暗喩がひそんでいます。

神話の中にも洞窟は多く登場しますよね。古事記にはイザナギが死んだイザナミを探しに洞窟に入ったり、天照大神が洞窟の中に隠れたり、ギリシャ神話や各国の物語にも数多く洞窟は出てきます。多くは生と死を別つものだったり、再び生まれ変わる儀式の場として登場します。

そのほかにも、ラスコーの壁画、人類の祖先が生き延びたアフリカの洞窟など、洞窟には多くのアプローチがあります。アプローチが多ければ多いほど、展示内容に多様化生まれます。なのでキュレーターにとって、洞窟は使いやすい題材だったのでしょう。

 

2階の会場を入ると、志賀理江子の写真が1枚だけ展示され、作者からの説明文は何もありません。

洞窟のような場所の壁を見ている人の後頭部と、その影が写っているだけです。まさに「プラトンの洞窟」そのもの。

続いて、沖縄の洞窟「ガマ」を撮影したオサム・ジェームズ・中川の作品。高精細のデジタルカメラを使い、ステッチング処理によってガマの中を克明に描写しています 

彼はカメラのシャッターを開けると、自らライトを持ち、岩肌をなぞるように照らしていくことで撮影しています。

沖縄のガマは、太平洋戦争末期に住民が避難場所として隠れ、多くの犠牲者を出した痛ましい場所でもあります。

今でも壁が黒く煤けているのは、火炎放射器が焼いた後だと言われています。この洞窟には死のイメージが残ります。

そしてその展示方法は、中央に洞窟をイメージさせる半円形の立体展示になっています。その中にしばらくいると、真っ黒だと思っていた岩肌が浮き出てくるような感じがします。

次のブースには、北野謙のフォトグラムが天井から吊されています。フォトグラムとはレンズやカメラを使わず、物体をそのまま印画紙の上に置き、光を当てて制作する方法です。

まさに影を作品にしています。そして写っているのは、まだハイハイもできないくらいの赤ちゃん。そこに不思議と生のエネルギーを感じます。洞窟は産道のメタファーでもあります。

ジョン・ハーシェルの洞窟のドローイングは、写真がまだ生まれる前のカメラ・ルシーダという機器を使ったもの。なんとかして実物そのものを写しとめたという欲求を感じます。

フィオナ・タンのショートムービーはモノクロのニュース動画を繋げたもの。何かを伝えるために撮られたはずなのに、言葉の説明なしに断片的につながる動画からは何も伝わってきません。ただのイメージの連続にすぎないのです。

そして最後はゲルハルト・リヒターの写真。とはいってもその上にエナメルの絵の具が塗りつけられています。これは写真でしょうか。それとも絵画?

リヒターは写真そっくりの絵画を描く作品が有名です。まったく写真そっくりに描かれたものは絵画でしょうか? 写真が真実を伝えるとするなら、その役割は果たすのでしょうか。そんな問いが生まれてきます。

 

みんなが思っているような真実を伝えるための写真は死にました。その先に写真ができることって何? というのが今の都写美がやろうとしていることのように思えます。

 

 

 

 

 

ーー

10月24日木曜日です。本の書店流通の話。

https://m.youtube.com/watch?v=Qs-_cYy5dwg

 

10月24日木曜日です。なんだかブログのほうが見てくれる人が多いみたいです。

 

『じゃない写真』を今週末10月28日土曜日まで限定販売します。正式な発売は来年早々です。出版社の倉庫に今日納品なので、発送は来週になります。概要欄見てください。ベイスというプラットフォームから申し込めて銀行振り込みとクレジットカード払いに対応しています。

 

今日はあまり馴染みがないかもしれませんが、本の書店流通についてお話しします。

 今まで5冊の写真集と5冊の書籍を出しました。

2000年、最初に出した写真集『午後の最後の日射』(ごごのさいごのひざし)は自費出版です。その時に初めて流通ということに直面しました。

写真集を出したくても、どこの出版社も相手にしてくれないので、四谷三丁目にあった、写真関連の本屋さんと、自費出版をサポートしていたmole (モール)で出すことにしました。

そこなら書店流通もできたし、少なくともそこの本屋さんで置いてもらえるかなと思って。でも出版後すぐにモールは倒産。倉庫にあった在庫は500冊以上は自分の事務所に引き取ることに。

写真集に囲まれて途方にくれました。捨てたくなります。 本屋さんで売れないから、残りは手売りしかないわけです。そこで自分のサイトを作ったのがネットを始めたきっかけです。

写真集は作るよりも売るほうが何倍も大変です。やる気とお金が用意できれば本を作ることはできます。でもすぐに「これ、どうやって売ればいいんだ?」ということになるわけです。

自費出版をしてくれるところは、本は作ってくれても、売ってはくれない。一応自社のサイトでは紹介してくれるけど、そこから売れるようなことはないです。

ちょっと前なら本を買うところといえば、本屋さんでした。「でした」というのは、今ではAmazonがあるから。いつからでしょうね、なんでもかんでもAmazonで買うようになったのは。

さて、本屋さんに置いてもらうにはどうしたらいいかというと、基本的には出版社から取次と呼ばれる本の卸業者を通して、全国の書店に配本してもらいます。出版社が直接書店と取引しているわけではないんです。最大手はトーハンと日販。名前を聞いたことがある人もいるでしょう。そのほかにも取次は数社あります。

 取次は、出版社から本を受け取ると、まず定価の60%から70%の代金を出版社に支払います。

取次を通して本は本屋さんに送られ、一定期間預かってもらいます。売れたら本屋さんは手数料として定価の25%程度を受け取り、残りを取次に渡します。

預かってもらうということは、本屋さんは本を買いとっていないので、いつでも返品できることになります。一応期間は決められていますが、あまり機能していないという話もあります。

返品された本は、取次を通して出版社に返されます。そして本屋さんから注文があると、再び取次を通して書店に送られます。通常7回ほどいったりきたりするそうです。ある意味中古品。

本屋さんは、セレクトショップのように見えて、委託販売業者なんです。そのため新刊本の値段は全国どこで買っても同じです。勝手にディスカウントしてはいけません。古書店は買取制なので書店が価格を自由に決めることができます。

 

本の価格は出版社が決めて、それを守らなければならない。家電ではメーカーが小売価格を押しつけることができないように、オープンプライス制が定着していて、小売店が勝手に値段をつけてもいいけど、本は出版社が決めた値段のみで売られるから全国統一価格。これって実は独占禁止法違反。

 

これは日本独自の本の流通制度で、再販売価格維持制度といいます。通常の品物と違って、古くなっても本は定価どおりに売られます。再販売価格維持制は、通常再販制度といいます。独占禁止法の例外により、書籍・雑誌・新聞などについては価格拘束が認められているのです。

自由な競争ができないなど、その是非が何度も問われていますが、委託販売のため売れる見込みの少ない本でも流通させることができるのがメリット。

欧米の書店はすべて買い取り制ですので、売れる本しか扱わない。買いとっても売れなさそうだったら、ワゴンに積んで叩き売りのようなこともします。欧米では売れない本は流通できない。だから知名度の低い写真家が本を出しても本屋さんで流通させるのはほとんど無理。売れそうにもない、値段が高い写真集は本屋さんが敬遠しがちです。じゃあ、彼らがどこから出版するかというと、その多くがギャラリーだったりします。

しかし日本では再販制度があったおかげで、1960年代から多くの写真集が流通してきました。流通できることで、写真集を作ろうと思う人が多かったわけです。本屋さんに自分の本が並んでいるのはかなり嬉しいですから。

これは世界的にみて特異な現象で、日本独自の写真集文化が生まれた土壌になっていると思います。再販制度は問題があると言われていますが、ある一定の効果があったのもたしか。でもこれからは大きく変わると言われています、。

 

最近では本屋さんに頼らない、ネットを通じてピンポイントに販売する形が増えてきました。ほとんどの写真集の制作部数は1000部くらい、多くても1500部。少ないと500部という場合もあります。そうなると、ネット販売で売り切ってしまうこともできる。写真集は言語の壁を超えて世界で売ることもできますしね。実際海外マーケットのみを考えている日本の出版社もあるくらいです。

僕が写真集を出している冬青社は、書店流通にこだわっています。たしかに書店に置いてもらうことで、大きな広がりを持つことがあります。僕の写真集だと『da,bastia』(ダガシタ)がそうでした。書店注文が毎月コンスタントにあり、あっというまにすべて売り切れました。

ただ、書店流通の最大のデメリットだと思っているのは、カバー後ろにISBNコードを印刷しなければならないことです。このISBNコードというのは、流通管理のため必要なもので、これがないと書店では扱ってもらえないのです。

 

しかしこれがブックデザインを著しく壊してしまう。シュリンクといってビニールカバーにくるんでISBNコードのシールを貼り付けるというのもあるけど、そうすると中身が見えない。

それが嫌で書店流通させないという選択をする出版社さえあります。ブックデザインが大事な写真集にとって、ISBNコードの印刷は無視できないほど大きな問題。僕もそれを入れたくなくて『demain』(デュマン)では一部、特装本を作ってISBNコードをいれませんでした。

 

とにかく売るって大変。毎回本を作るたびに思います。

 

 

 

 

『じゃない写真』先行発売

お待たせしました。『じゃない写真』の先行発売です。1026日土曜日までの限定となります。

 

「最近の写真はよくわからない」と思っている方は是非読んでみてください。『旅するカメラ』の続編のようなものです。よろしくお願いします。

 

購入サイト BASE

クレジットカード、銀行振り込みが使えます。送料無料 2640

出版社から、ゆうメールでのお届け。

じゃない写真 | 2BH

https://gsfr3.app.goo.gl/VBWWJB @BASEec

『じゃない写真』とルデコ

 

https://m.youtube.com/watch?v=W2p5x3b2lcU

 

10月21日月曜日です。チャンネル登録者数は763人、男女比はなんと97.3%対1.7%。

女性は13人しか登録していないことになります。どういうことでしょ?

女性人気がないことおびただしい。

そんなことを言っていたら「そうですよね、コンタックスのズームレンズでは女性は食いつかないでしょうね」と言われました。もっともです。 

 

さて先週の金曜日、グループ展の会場に『じゃない写真』の刷りだし30冊を編集者さんが届けてくれました。

昨年7月から初めて1年以上、今年の前半はそれにかかりきりでした。それが一段落してからはYouTubeにかかりきり。そのふたつでもうすぐ一年が終わりそうです。

 

本は出来上がったのですが、本格的な発売は来年度なんです。出版社がこれから営業をかけて、書店に置いてもらえる数が多くなってから発売になります。

これがとても大事なので。

 

もうしばらくお待ちください。それまでに、渡部と直接会える方は「じゃない本」と言っていただければ、おわけします。

Amazonも来年になるかな。直販サイトができたらお知らせします。

内容についてもそのときに。

 

 

渋谷ルデコでの「ワークショップ2B&Hグループ展」は20日で無事終了しました。

今日は1年で一番ほっとする日です。来ていただいた皆様ありがとうございました。

来年は11月3日からです。もう全フロア予約済み。

 

3階の「H」の展示は、今までの方向性とはまったく違ったものだったので、受け入れてもらえるか、正直なところ心配でした。でもそんな不安はすぐに吹き飛びました。

 

ある2人組の男性は、作品を前に会話を続けていて、あまりにも熱心に見てくれていたので声をかけると「あ、もう1時間40分も展示を見ていた」と彼らも驚いた様子でした。

 

先ほど言った、「以前との方向性の違い」というのは、2B時代はフィルムと印画紙を使ってのワークショップだったので、いかにプリントのクオリティを上げるかということを考えていました。ベクトルで言うと、高見を目指す垂直方向の思考でした。

 

明確な目標を定めてそこに向かっていくというイメージです。そして自分の作品を自分自身が理解するため言語化することも要求していました。

 

2018年に「H」を始めてからは、フィルムではなくデジタルカメラを使うようになって、クオリティを上げるという垂直方向ではなく、今考えていることを「ちょっとずらしてもらう」水平方向の考え方を目指しています。

 

グループ展の相談を受けるときも、今作っているものから「ちょっとだけずらしてみて」ということを繰り返し言っていました。ずれていくわけですから、どこへ向かうのか作者にもわかりません。

 

そして次回できたものから、またちょっとずらしてもらいます。ですから、やってもやっても上手い写真にはなりません。ずれているわけですから。

 

なので、本人にも理解ができないものができあがる可能性があります。だから言語化は不可能です。ですので今回はテキストをつけるかつけないかは相談の上決めて、あえて必ずつけるという前回までのお約束はなくしました。

 

「H」でやっているのは、水平思考だと思っています。クオリティを高める垂直的なアプローチを一度やめてもらって、考え方の幅を広げる水平の広がりです。これは写真の中だけではなく、現実社会でも求められるものだと思っています。

 

こんなことを考えるようになったのも、2013年くらいからです。

たくさんの展示や、多くの関係者から話を聞くようになってきて、徐々に考え方が変わってきました。

「H」のワークショップでやっていることは、ちょっと抽象的でなので、〝参加すると、こんなにいいことがあるよ”とは言い切れないところがあります。参加してもらわないことにはわかりづらいというのが今の課題です。

 

でも、こうやって「H」の展示を通して直接見てもらうことができて、そしてそれを楽しんでもらえることができたのは本当によかった。

 

「H」6期は現在募集中です。

写真のことを、写真以外からも考える講座です。

考え方が変われば、必ず写真も変わります。

写真を始めたい方、作品作りで悩んでいるかた、写真が好きな人すべての人が対象です。

 

11月の2日(土)、3日(日)からスタートします。詳しくは概要欄へ。

 

さて、これからギャラリー冬青に行って来年1月の個展の打ち合わせ。

1年はあっという間だなあ。

 

 

 

 

 

 

ルデコグループ展が始まりました

youtu.be

 

10月15日火曜日です。

 

昨日の月曜日は、渋谷ルデコへグループ展の搬入でした。台風に当たらなくてホントよかった。昨年は最終日に台風とぶつかり、JRが計画運休するなど大騒ぎでした。

 

さて3階は「H」終了展、4階5階は2BのOB展、6階は平井タコさんの個展ということは前回お伝えしましたが、今日は3階の終了展について簡単にお話しします。

 

ワークショップを始めた当初は、グループ展をやるつもりはまったくありませんでした。理由は簡単。それまで見た写真教室などのグループ展がつまらなかったからです。こういうと偉そうですが、当時、僕はまだ40歳くらいの若造でしたから、今よりツンツンでした。

 

最初にワークショップに参加してくれた人から「グループ展はないんですか」と聞かれて「グループ展なんてつまらないからやらない」と断言してました。「やるなら個展」といったら「でもどうやって個展やったらいいのか、会場決めや、額の手配や、作品の大きさとかさっぱりわからない」と言われて「ああ、そうだな」と。

 

僕が最初に個展をやったのは、銀座の「コダックフォトサロン」ですが、そのときギャラリーの人が、展示に関することを全部教えてくれました。マスコミへの告知や、額の発注の仕方、会場にかける音楽のことまで。コダックフォトサロンはもうなくなってしまいましたが、新人がやるのには、本当にいいギャラリーでした。ネットのない時代に情報を得るには、人に教えてもらうのが一番でした。

 

ならば発表会のための展示ではなくて、将来のためのステップとしてやってみようと考えました。そして実際にやってみたら、面白ろかった。びっくりするほど楽しくて、以来16年も続けているわけです。

 

見に来てくれる方には申し訳ないけど、グループ展は見るよりやったほうが何倍も面白い。とくに搬入が一番楽しい。真っ白い壁が、写真で埋まって会場になる。おおげさに言えば無から有が生まれる感じ。

 

16年もグループ展をやっていると、 傾向も大きく変わっていきます。「2Bと言えばモノクロ」と言われた時代もあったし、大判プリントや、ネガカラープリントが多い時期もありました。

 

今回は2BからHに名称が変わっての1回目ですので、やっぱり大きく変わりました。Hの講座の中では、繰り返し「レイヤー」の話をしています。シングルじゃなくて、マルチ。つまりレイヤーです。レイヤーは、重ねられた層という意味ですね。

 

なぜレイヤーかというと、世の中が単層、シングルではもはや対応できないからです。電車のアナウンスさえ複数の言語で話されています。世の中がそうなっているのだから、アートだけ写真だけ別というのも変な気がします。写真は時代を映すものですから。

 

なので、今回の3階の展示のほとんどは、なにかしら作品の構成がレイヤー状になっています。それがなにかということをちょっと楽しんでください。わからなかったら渡部がいますのでいつでも聞いてください。作者がいたら遠慮なく。まだまだ説明不足の面もあると思いますが、聞いてもらえることで、次の発想につながっていきます。

 

それから、会場のあちこちに「右」があります。右って何?と思ったら話しかけてください。一緒に「右」を考えましょう。

 

でもなあ、絶対「こんなの写真じゃない。真面目にやりなさい」って言われるだろうなあ。でも大丈夫。4階と5階はすごくしっかり写真してます。2Bにスタイルがあるとするなら、スタイルがないこと。これだけは自慢できます。

 

ではルデコでお待ちしています。

YouTubeでもブログやってみた

 

Youtube でブログを始めました。

youtu.be

以下は、その内容です。

 

 

いつも2B Channelを見ていただいてありがとうございます。

 

動画配信から1ヶ月ちょっとたちました。

これまでに、26本の動画をアップしています。

 

今日の時点でチャンネル登録者数は614人、視聴合計時間は約900時間。これが多いのか少ないのかは、比較対象がないのでわかりません。

 

本音を言うと、もうちょっと登録者数は多いと思っていました。

 

Youtubeで動画を配信すると、再生回数だけではなく、どんな年齢層が見ているとか、男女比はどうかとか細かいデータを見ることができます。

 

2B Channelの場合、年齢層は45歳から55歳が一番多く6割を占めます。次に35歳から45歳。で、あとは0%

 

もっと極端なのが男女比で、なんと94%6%。もちろん96%が男性。

 

つまり2B Channelは、おじさんで持っているということです。ワークショップもずっとそうなので今さら驚かないけど、本当に女性人気がありません。もっとも、配信しているネタは、おじさんウケの話ばかりだからねえ。

 

たぶん、『旅するカメラ』も同じ比率のような気がします。僕は昔からおじさんに支えられているようです。

 

動画の中でもっとも人気があるのは「長徳さんに影響を与えたフランクとメカス」。配信後すぐに500回再生されています。第二弾はすでに編集済み。これは面白いです。さすが、長徳さんと言うほかないですね。近日公開予定。

 

長徳さんに話を聞くきっかけになったのは「ロバート・フランクアメリカンズ』を読む」のなかで、長徳さんの話に触れたことでした。この動画を見ていてくれた長徳さんが、インタビューを快諾してくれました。

 

この「ロバート・フランクアメリカンズ』を読む」は、今年9月に亡くなったフランクの追悼企画のようになったこともあってか、人気が高い。

 

その他には「杉本博司 海景の露出の謎」や「ポートレート撮影 基礎編」なんかも再生回数は多いです。

 

Youtubeの大きなハードルは、登録者1000人で、1年間の総再生時間が4000時間というのがあります。これをクリアすると広告収入が入ってくる。でも登録者1000人というのは全体の2%1万人になるとわずか0.2%

 

収益化するのは3万人以上らしいので、収入を得るのはかなり厳しいわけです。

 

2B Channelは、「誰も写真家がやっていないからやってみる」と始めたわけですが、誰もやらない訳がわかりました。時間がかかりすぎるのです。1本の動画を作るのに、平均4日かかることがわかりました。

 

撮影して、荒編集して、詰めて、テロップいれて、画像をはりつけて。内容確認のため調べものをしたり、関連の写真をさがすのにもひと苦労。

 

6月から初めて、4ヶ月間で完成した動画はおよそ30本。1ヶ月8本くらい、やっぱり4日に1本になるわけです。

 

使用しているカメラは、動画でも紹介してますが、パナソニックルミックスGH4。動画を始めるにあたって、その筋のプロに相談したら「GH4を買った方がいい」と言われたので素直に買ってみました。まさかパナソニックデジタルカメラを買う日がくるなんて思ってもいませんでした。

 

結論からいうと、実用的で使いやすいカメラ。フジヤカメラで買った6万円の中古でしたが、仕事カメラとして十分機能しています。

 

まずバッテリーの持ちがいい。キヤノンデジタル一眼レフとほぼ同じ大きさのバッテリーを搭載していますから、2時間以上動画を撮ってもバッテリー切れをおこなさない。心配になるくらい持ちます。インタビューは2時間以上かかることもあるので、ありがたいです。

 

それから、他のカメラに比べて音もいいような気がします。これは比較テストしたわけじゃないけど、ホワイトノイズがほとんど出ません。マイクロフィーサーズのため、絞らなくともピントが深く、対談の場合などで、片方がボケることがないのもありがたい。

 

 

レンズはオリンパス17ミリF2単焦点レンズを使っています。その他にもオリンパス12ミリF2単焦点ワイドレンズ。

最初に買ったキットズームレンズは使わなくなりました。動画にすると性能の差が顕著にでます。当初は動画だからなんでもいいやと思っていましたが、やってみたら、動画の方がレンズは重要なような気がしています。

 

スチール、つまり静止画なら、アングルを変えながら撮影して、ちょうどいいところを切り取ればいいわけですが、動画の場合はそうもいかない。インタビューだと、一旦場所を決めたら置きっ放し。

 

すると安いレンズはハイライトは飛ぶし、F値が暗いから感度を上げることになる。結果シャドーはざらつくし、四隅は引っ張られたような収差がはっきりわかります。

 

そんな細かいこと誰も気にしてないという声もあるでしょうが、1本の動画を4日も見続ので、気になってしょうがない。

 

次にマイク。マイクは超大事です。それは動画のプロから聞いていたし、実際、自分が見ているyoutubuも、音がクリアなものしか見ていないです。

 

ところがこれが難しい。最初に買ったオーディオテクニカ1万円弱のマイクだけでは対応しきれないことが判明。外ロケではワイヤレスが必要だし、対談ではピンマイクがあると便利。

 

Amazonで評価の良さそうな中国製マイクをたくさん買いましたが、ほとんどは安物買いの銭失いになります。唯一よかったのは、長いケーブルの付いたたピンマイク。ふたつのマイクが根元でひとつに繋がっていて、ひとつの端子で二人の声がとれます。長徳さんのインタビューにも使いました。インタビュー中は動かないのでコードがあっても問題なし。

 

ワイヤレスは、中国製の2700円のものが評判よかったので買いましたが、ちょっと微妙です。でも本格的なものは4万円から6万円くらいします。

 

最近は中野のフジヤカメラに行ってもカメラ館ではなく、フジヤエーヴィックというオーディオや、動画機材を扱うところに行ってしまいます。

 

さて、ワークショップH6期の募集を開始しました。

 

練馬区江古田の僕の事務所で、「2B」と言う名前で約15間、写真のワークショップをやってきましたが、2018年の3月にビルの建て替えとともに、場所を杉並区の阿佐谷に移しました。そのときから名称を「H(エイチ)」としています。

 

撮影実習を中心に、写真を取り巻く様々なことをやっています。いま配信している2B Channelを見てもらえれば、やっていることが何となくわかってもらえると思います。

 

講座は、土曜日と日曜日の11時から14時まで。美術館めぐりや、浅草寺撮影実習などもあります。H5期では、関西からの参加もありましたし、2Bのときには、北海道、青森、岩手、名古屋、大阪、岐阜、福岡から参加もありました。

 

世界的な写真賞の受賞や、作品が国内外のメディアへ紹介されたり、写真集の出版、写真展の開催など多くの参加者がその後も継続的に写真を続けているのが特徴です。

 

そして年に一度、渋谷の「ギャラリー・ルデコ」でグループ展を開催しています。

今年は1015日(火)から20日(日)まで。時間は11時から19時(最終日は17時まで)。

 

3階はH1期から3期まで展示。4階と5階は2BOB展。5階はH1期を終了した平井タコさんのドローイングの個展になります。特に3階のHは、今までの写真の展示とはまったく違うものになるはずです。「ちゃんと写真をやりまさい」と言われそうです。そのくらい変わっています。

 

期間中、僕はだいたい3階の踊り場にいます。そこが定位置です。ウクレレ弾いているかも。声をかけてください。

写真の話をしましょう。

 

H6期 募集開始します

写真のワークショップH6期 募集開始

 

〈申し込み、問い合わせ〉

6期ワークショップへのお申込み、問い合わせは、ここから

 

 

日程〈2019年11月2日〜2020年1月26日〉

<6期 日程>

★1 回目 11月2日/3日  「写真のレビュー」

 皆さんが普段どんな写真を撮っているのかをレビューしていきます。

★2 回目 11月9日/10日  「写真表現に必要なこと」

 解像度というと、カメラの画素数を思い浮かべますが、絵画を含め、その他すべてのことには解像度      

 が存在します。表現をする上でこれはとても重要なことです。

★3 回目 11月16日/17日  「小物撮影 実習」

 小物を使っての撮影実習。段ボールを使って自宅でも簡単にできる撮影方法です。

★4 回目 11月23日/24日 「屋外 撮影実習」(高円寺周辺)

 カメラを持って街に出ます。光の捉え方を中心に解説し、皆さんに撮影してもらいます。

★5 回目 11月30日/12月1日 「街撮りからの全員レビュー」

 阿佐ヶ谷の町をデジタルカメラで撮影し、DPE店で即時プリント。全員の写真を皆でレビューします。

★6回目 12月7日/8日 「ポートレート」(撮影実習/新宿中央公園)

 どうやったら人物が魅力的に見えるか実践します。

★7回目 12月14日/15日  「写真の歴史と現代写真」

 写真はいつ、どこで、どのように出来上がり、どのように表現と結びついていったのか。歴史を知る 

 ことで、現代写真を理解する手がかりを見つけます。

★8 回目 12月21日/22日 「美術館巡り」東京都写真美術館(予定)

 現代写真というものを美術館の作品を通して解説。知ることで面白さが増えていきます。

  年末年始お休み

★9回目 1月4日/5日 「コラージュ」

 実際に、色紙と写真でコラージュを作ります。誰でもできて楽しめます。出来あがったそれぞれの作 

 品は、その場でトートバックにプリントします。

★10回目 1月11日/12日   「写真のセレクト」

 写真はセレクトが重要。選択しながら並べかえることで、ひとつのまとまりを作ります。

★11回目 1月18日/19日 「スライドショー、ショートムービー制作」

 スライドショーとショートムービーを作ることで、タイムラインを意識します。

★12回目 1月25日/26日 「著作権と肖像権」

 最終回は質問が多い著作権と肖像権を、判例を交えながら説明します。

<講座料>

1回につき5500円(消費税込) お支払は受講当日ごとになります。

(フィルムカメラの場合はフィルムの購入や現像代は別途となります)

※入会金、年会費等は不要です。

<曜日・時間帯>

●土曜 11時から13時半 ●日曜 11時から13時半

ご都合のいい曜日を選択ください(初回お試し受講も大歓迎)

申し込まれた曜日で都合がつかない回があれば、土日の振り替が可能です。

*単発受講も可能です。その都度ご連絡ください。

<カメラについて>

カメラがなくても参加できます。(iPhone、iPad、Android 等でもOK)

*フィルムカメラを使ってみたい方には無料の貸出機があります。

<場所>

JR総武線・中央線/東西線「阿佐ヶ谷」駅もしくは丸ノ内線「新高円寺」駅。

いずれも駅から徒歩8分ほど。

正式な申し込み後にH(エイチ)の所在地や地図を添付にてお送りします。

 

 

★ワークショップ2B&Hのサイト

https://workshop2bn.themedia.jp/pages/2323914/page_201810141729

★ youtube「2B Channel」(登録よろしくお願いします)

https://www.youtube.com/channel/UCfaR0r_x5jN3gOXYYBjNkkQ

10月になったというのに、まだまだ暑いね

ルデコまで2週間を切った。ここからが大変。

 

今年は3階がH修了展、4階と5階が2BOB展、6階がHに参加している平井タコのドローイング展になる。

3階の展示は「こんなの写真じゃない」って言われるだろうな。「2Bらしくない」とも。だってHだからね。違います。4階と5階がしっかりしているのでできるわけだが。

最近額装する人が激減しているのも特徴的だ。Hでは動画での展示も多い。立体もある。どうぞ怒らないで見て欲しい(笑)

 

月曜日、YouTube用収録のため、田中長徳さんに会いにいった。2時間たっぷり話を聞くことができた。今まで聞いたことのなかったことばかり。編集なしでもいけるくらい密度が濃い。さすがだ。

2BChannelの役割はアーカイブだと気がついた。いろいろな話を聞いていこうと思う。次は鬼海さんに会いに行きたい。

 

問題は編集作業。2時間インタビューしたら、帰ってからそれをまた2時間かけて聞き、必要がないところを探し、細かく細かく切っていく。最低でも4日。体力と気力の勝負。座っての作業で腰が痛くなる。

 

開局から1カ月、チャンネル登録者数いまだ500人前半。なかなか増えない、ちょっとなめてました。今月も頑張って配信します。