朝 玄米フィットチーネのカルボナーラ、人参スティック
夜 牛鍋丼、新タマネギのサラダ、野菜の味噌汁、リンゴ
信州・松本地域の17歳をインタビューした動画を公開した。https://youtu.be/v3MkzoYuWHs
最近外に出る機会が減っているので写真展を見に行くことにした。銀座シャネルとガーディアンガーデン、どちらも大当たり。詳しくは2Bchannelのライブで話してますので、聞いてください。その後キヤノン品川Sギャラリーへ。先日『情熱大陸』を見て西野壮平の新作「富士山」が見たくなったのだ。会場で一目見たときに思ったのが「これは日本画ではないか」ということ。絵筆が写真になった日本画。横パノラマのものは完全に絵巻もの。そしてバリの細密画とも通じる。バリ絵画ってオランダの影響が強い。オランダがインドネシアを統治していた時代、ヨーロッパはジャポニスムブームで絵画は浮世絵の影響を強く受けている。なのでバリの絵画のルーツは日本画と言えないこともない。そして現代の西野壮平。
ちょうど作家の西野さんが在廊していてキヤノンの方が紹介してくださった。そしたら「2BChannnel見ています」って。とても嬉しい。そこで先ほどの疑問をぶつけてみたら、西野さんは驚いた顔で「実はまさにそのとおりで、日本画を今研究しているところなんです」と。「今まで雲を使って遠近感を出そうとしたけれど、どうしても雲は下から撮ることになるので違和感があった。でも今回富士山に登ったことで始めて上から雲を撮ることができて、この作品につながったんです」。
西野さんは歴史の中に自分の作品をどう組み込むか考えている。これは写真家ではなく現代アーティストの思考だ。話の中で「書のような作品がありますが、元の書はなんなのですか?」と聞いたら、最初話がかみ合わなかった。僕が勝手に書を複写したと思っていた作品は、波間に映った船を舫うロープの影だったのだ。彼はその影を見ていたら「書」に見えてきたので、影をコラージュして作ったのだそうだ。完全にやられた。あわててもう一度見直す。海面に映る陰なのに、やっぱり書を複写したものにしか見えない。認識がくつがえってしまう体験をすると、その作家のファンになってしまう。富士山もいいけど、個人的には今回の目玉は波が描いた書だった。
<2009年2月10日の日記から>
フリーの職業で良かったなと思えるのは、自分のリズムがいいほうにあるか悪いほうにあるかが理解しやすいことにある。今の調子は12年前と同じような感じがする。あの時は2月の末くらいが底で7月まで浮かび上がれず突然9月に入って霧が晴れたように物事が進み始めた。日本では大した動きはないがアメリカ・ボストンのギャラリーから、グリフィン写真美術館が『da.gasita』のオリジナルプリントを永久収蔵したいとオファーがあったと連絡があった。美術館にコレクションされるのは作家活動をしている上でとても重要で名誉なこと。ただし「美術館は現在国内景気の状況から正規の価格で購入する余裕がない」だそうだ。でもギャラリー側はすでに話を進めると言っていた。朝一番で妻と銀座マリオンへ映画「おくりびと」を見にいった。週刊誌漫画連載の時から好きで気になっていた。国際線の機内映画でやっていたが、なんだか小さな画面で見るのがもったいなくてそのままになっていた。一度はロードショーが終わったのだが、米国アカデミーショーの外国部門映画賞にノミネートされ、再び上映となったようだ。原作を知っていたのだが、ドラマチックなストーリーでも派手なアクションシーンもない。どこが良くてアカデミーショーにノミネートされたか気になっていた。モスクワ映画祭ではグランプリも取っている。舞台は山形だ。米沢の方ではなくて秋田に近い庄内地方。少ない登場人物、限りなく低予算のセット、ドメステックな風習を扱ったシナリオ。でもこの映画は世界中どこでも理解しあえるシンプルなテーマが存在する。この作品がアカデミー賞候補になったことはおそらく作った本人達が一番驚いているに違いない。帰り道ギャラリー冬青に寄って写真展「閑寂」を見る。とてもいいモノクロだと聞いていたので楽しみにしていた。30枚のプリントにストーリー性はない。ただひたすらに作家の思うモノクロプリントの形がある。所有欲が湧いてくるプリントだ。たぶん写真集よりプリント自体が魅力的な人だ。初めて見た作家だったが世の中頭がモノクロな人がまだまだたくさんいるんだな(笑)