「Optimism is wil(オプティミズム イズ ウィル)」という言葉があるそうだ。オプティミズムは楽観で、この場合のウィルは未来形助動詞ではなくて名詞で意思という意味になる。
直訳すると「楽観は意思」。これには「Pessimism is nature(ペシミズム イズ ネイチャー)」という対義語がある。「悲観は生来のもの」だろうか。
「楽観は意思」というのはいいな。ほっとくと悲観的になるから勤めて楽観的になろうということだ。
働きだしてから給料という形でお金を稼いだのは3年しかない。あとはずっと定職につかず、その場その場で30年やってきた。フリーランスになって給料のありがたみがよくわかった。
サラリーマン時代より何倍も収入があった時期もあったし、さっぱりのときもあった。計画性を持って暮らしたことなどない。
フリーランスは悲観的になろうと思えばいくらでもなれる。一年後のことすらわからないし、体を壊したら即アウト。景気にも大きく左右される。
これまで生きてこれたのはラッキーとしか言いようがない。
冬青の高橋社長に会うと「渡部さんはいつも明るいですよねえ」とよく言われる。というか半ば呆れられている。僕の置かれている経済的状況がよくわかっているゆえの心配なのだが、僕からは一向にそれが見えないというのだ。
「生活が苦しくて、なんて言ってたら誰もよりつかないでしょ。僕の仕事は人と会ってなんぼなんだから。いつも楽しいことだけ考えてますよ」と答えている。
もともと写真は楽しいからね。いい仕事だなと自分でも思う。
悲観というのは予測からおきる。まだ起こっていないことを先まりして心配してもしょうがない。フリーランスなんだから。2年前から先の心配はしないことにした。
意思を持って楽観的になることに決めたのだ。