定期的に「ワークショップやめたくなる病」が頭をもたげる。
先週もNHKの「繰上和美x三池崇史」を見ていて、78歳繰上さんのかっこよさに、もういてもたってもいられなくて「もう今期でワークショップやめる。現場に戻る。本気だ」と妻に宣言した。
「ハイハイいつでもやめてください。どっちみちあんまり儲かってないんだし。でも教えるの向いていると思うけどね。皆困るんじゃない。50期まではやるんじゃなかったの」と本気度が伝わらない。まあ毎度のことだから。
いや、今度こそ本気のつもりだ。教える人より撮る人でいたい。どっちもは難しいならというなら撮る人を選びたいのだ。
一方で現場に戻るよりも作品制作に専念したいという思いも強い。どのみち撮ることには変わりはないのだが。
今年12月には冬青社で写真展がある。今はそれに照準を合わせる時期でもあるし、心は揺れる。
ようやく12月にやる方向性やタイトルも決まった。タイトルが決まったら楽だ。後は撮るだけ。先が見えてきた。再来年には「da.gasita」の次回作写真集を予定しているから、そのきっかけになるものを作りたい。
ところが今日冬青社の高橋社長から「再来年じゃなくて、やっぱり今年12月の写真展に合わせて写真集を作りましょう。今の渡部さんには写真集が必要です」と電話があった。
まだ作品が何も形にはなってないのに写真集を作ると言ってもらえたことがものすごく嬉しかった。
すぐに冬青社に行って社長と話をしてきた。出版は11月。「冬青社が生んだ作家になって欲しい」。
高橋社長もよく「もう会社をやめたい。引退して海外旅行に行ったり自由に暮らしたい」と言っている。それはもう季節のご挨拶のようなもので、その度に「なにを言ってるんだか、僕らが路頭に迷うでしょ。もう社長の人生は社長だけのもんじゃないんだから」と言っていた。
今日は反対に「渡部さん、絶対ワークショップはやめてはダメです。続けなさい。写真家として生きていくのに必要です。なにより皆が困るでしょう」といつも社長に言っていることを言われてしまった。
11月出版にむけて今日から動き出すことになった。人生4冊目の写真集。6x6モノクロということだけ決まっている。