最終日、赤ピンは38本になった。

先週土曜日で3週間の写真展会期が終了。お越しいただいた皆様ありがとうございました。

最終日の夕方は、会場が大勢の人の熱気で包まれ、息苦しくなるほどだった。実質17日間の中で、会場へは一日も休まず通い続けた。11時に入り、7時に出るのが日課。こんなことは今まで始めてだ。

始まる前は落ち着かなくて胃がシクシクしていた。「25枚売れたら写真集」などと言ったものの、27枚しか展示していないのに、25枚はどうなんだと、後から気が付いた。

オープンと同時に「会社を休んできた」といってきてくれた人が1枚買ってくれた。「地獄池」と呼んでいた真っ黒な写真だ。ほぼ毎日、写真は売れ続け、最終的には38枚になった。

ほとんどの人が、見に来て気に入ったから買うというより、目指して買いに来るという感じだった。渡部が写真集を作るというなら応援する、次の写真集が見てみたいという気持ちの表れだと感じた。

本当は、という言い方はおかしいが、僕は今年9月からアメリカに住む気でいた。本気だった。しかし残念ながらその願いはかなわなかった。今回の写真展もアメリカ行きの景気づけにと高橋社長が企画してくれたものだった。

このままアメリカに行けなかった人で終わるのはくやしい。「アメリカに行けなくて本当に良かったですね」と言われるようになりたい。次の話ができるようにしたい。だから写真集出版だった。そしてそ冬青には何のメリットもない賭けに社長がのってくれた。

約束の25枚を大きくクリアして、2012年10月に写真集を出し、11月に冬青で写真展が決まった。ただしサイズも、点数も、内容も何も決まっていない。決まっているのは出版時期と、かっこいいモノクロ写真集を作るということだけ。

これまで冬青で4回写真展をやってきて、計130枚を買ってもらっている。冬青以外も含めると200枚は超すだろう。

製造者責任をまっとうできるのは、新しいものを作っていくことだと考えている。