大判カメラを使った撮影で、実際の風景をまるでミニチュアに見せてしまう本城直季の写真がワークショップ内でも人気が高い。
僕も始めて雑誌「コマーシャルフォト」で「箱庭」シリーズが小さく紹介されたときは、てっきりジオラマを撮る人かと思ってしまった。
「究極の一発芸」だと思う。とても簡単なやりかたでまったく別の世界を作り上げている。彼の写真は単純明快に面白い。
本城直季の影響もあるのか、ワークショップ内で大判カメラブームのようなものがおきている。それで10人ほどで新宿中央公園で撮影会をやってみた。
前日とはうって変わっての晴天。こんなに空がきれいなのも久しぶりだ。まさに「感度分の16」日より(笑)
簡単なレクチャーの後、5台のシノゴカメラが集まったので、ふたり一組で実際にやってみた。ちょうど橋の上から高層ビルが遠景で見える絶好の「箱庭」ポイント。
カメラの「アオリ」を逆に使い、ピントを立体感のあるハイライト部分1点ににもってくる。、露出を通常より一絞りオーバーに設定。ポラロイドで撮ったら見事「箱庭」のできあがり。
ポイントは光の状態にある。まるでジオラマを撮る時のラオティングに似た光線状態のところを探すのだ。サイド光で、すこし強めの影があるほうがいい。
あたりまえのように使っていた「アオリ」を逆に使うだけでリアルさが消えてしまう不思議。彼のおかげで大判撮影を楽しむことができた。
5月はワークショップ受講者の個展、グループ展が続く。ワークショップを始めたときに「個展をやる人が出てきたらいいなあ」と思っていたが、3年たったら把握しきれないほど展示をする人が増えてきた。毎月誰かの写真展に行っている。
今日から銀座フジフォトサロンで大野葉子写真展「トン族」が始まる。http://www.fujifilm.co.jp/photosalon/0605t.html#oono
中国の奥、未だ電気が通っていない村の写真だ。カラーではなく、モノクロなのがかえって村の雰囲気を伝えている。
実は印画紙によるプリントではなくてインクジェット出力なのだ。アナログで撮ってデジタルで出力というのが今、一番表現しやすいやすい方法だと思う。