「プレ講座」2回目 本日20時からです

朝=あったかい肉ソーメン/おやつ=アップルパイ、屋台の焼き鳥/夜=親子丼、野菜具沢山の味噌汁

20時スタートの「美術史プレ講座」のせいで、一日中緊張状態。どこか上の空というか。今回は「美術史から見る写真のボケ表現」というキャッチーなタイトルのためか、参加希望者がこれまでの2倍以上になっている。4日(日)夜8時から、3日(土)と同じ内容のものをライブ配信するので見逃した方はぜひ。応募はこちらから(注: 一部、SoftBankのアドレスが返信できない場合もあるので、ご注意ください)。

アドレスは削除(9月4日で終了しました)

さて、たったいま無料「プレ講座」1回目が終了。いい感じで話せて、コメントも有意義なものをたくさんいただけた。ライブ中に変なコメントを入れてくる人がいなくて本当にありがたいです。日曜日の2回目配信が終わってないので、スッキリというわけにはいかないが、半分だけ肩の荷が降りた。

そういえば、昼間に近くの神社でお祭りをやっていて屋台や出店がたくさん出ていて大盛況だった。久しぶりの大きな祭りとあって、子たちが楽しそうだ。昔と違うのは友だち同士で来ている子があまりいなかったこと。小学生ぐらいまでは、親が同伴している。そんなところに時代を感じてしまった。

 

<2021年9月4日の日記から>

追いかけられる夢をみる。気になるので調べてみたら、夢の中で追いかけられて足が重いのは「自信喪失、プレッシャー」とあった。「100年に一度の天才と言われている若者が個展やっていますから見てください」と教えてもらったので、神保町まで見に行った。作者の大西ちふは18歳で岡本太郎賞を受賞。高校3年生18歳の時だ。2会場で行われていた展示はすでに回顧展の様相を呈していた。圧倒的な質量。作品の多くに販売を示す赤丸がついている。20年後には価格は100倍くらいになっているかもしれない。中学生からすでに完成された、いや何を持って完成というか分からないが、とにかく見るものを圧倒する。ひとりで戦後美術史をやっているんじゃないかというくらい。フリーダカーロ、フランシスコベーコン、エドワードホッパーも。太い線で輪郭を描くのは日本的だし。すごいもの見ちゃった。その足で「南青山ギャラリーストークス」で服部一人写真展。彼は現在日大芸術学部の准教授で、僕の同級生。彼が学生時代に旅先で撮った写真が展示されている。プリントは今年焼いたものだが、こんなにすごいプリント久しぶりに見た。とても学生が撮ったものだとは思えない。彼が大学2年と3年の間ぐらいの春休み期間で撮ったものだというから20歳だよ。モノクロプリントが好きという人は見に行った方がいい。驚くから。夜はビールじゃなくてワインでも飲もうと思って床下収納のから1本取り出した。自分で買ったものではなくて、娘が買い集めているものだから、値段とかさっぱり分からない。コルクじゃなくてスクリューキャップだから、なんとなくリーズナブルなのかと選んだ1本が、なんとべらぼうにうまい。「こんなに美味しいということは」とアプリで値段を調べたら、5千円以上するワインだった。どうりで美味しいわけだ。娘にまた怒られそうだ。でも開けちゃったから「今日はお祝いだ」ということにして飲んだ。

 

<2015年8月4日の日記から>

屋久島のお土産「鯖の燻製」を使ったパスタ。これはいけます。

屋久島から戻った。毎日写真祭の準備と撮影で忙しかったが楽しかった。日本の招待作家も決まり、企業や自治体も協力してくれることになっていた。僕はこれまでの個展やグループ展、海外フェスティバルの経験から、展示方法のアドバイスをしただけ。あとは屋久島の二人が寝る間も惜しんでの奮闘だった。東京にいてはわからない運営の大変さを肌で感じた。残り1か月、できるだけのことは手伝う、その覚悟のようなものができた。

昨日写真家の中平卓馬さんが亡くなったという書き込みがSNSに流れてきた。ニュースにはなっていなくて本当だろうかと思っていたが、今日になって肺炎で亡くなったことがわかった。享年77歳。僕が14歳の時に初めて買った写真雑誌が『アサヒカメラ』だった。写真の面白さにはまり、毎月の発売が楽しみだった。森山大道と高梨豊、篠山紀信が毎号グラビアを飾り、もちろん中平卓馬はかかせない存在だった。篠山紀信x中平卓馬「決闘写真論」が連載されていて、意味はわからないが、これを読まなくてはいけないということだけは伝わってきた。2Bワークショップの初めてのグループ展に中平さんが突然来てくれた。その顛末は「旅するカメラ2」に書いたが、あの時の興奮はいまでも覚えている。ペンタプリズムが凹んだキヤノンF-1に100ミリマクロをつけていて、フィルムは感度100のポジ。シャッタースピードは1/125秒、絞りは11半になっていて、その設定でしか撮らないといっていた。その設定では晴れた日で、光がたっぷりあるところ以外は撮れない。中平さんの設定は「光優先」モードになっていた。撮るものはすべて縦位置で対象は寝ている人やネコ、植物など限定されている。それを2枚一組にするのが流儀。純粋写真とも言えるような写真の物語性を徹底的に排除した、具象を使った抽象表現になっていた。そこにセンチメンタルもノスタルジーもない。抑揚のない写真は見るものに予定調和という安心感を与えない。中平さんの『なぜ植物図鑑か』という評論集は、タイトルからしてそのまま現在の現代芸術のあり方を表している。その数年後も、再度ワークショップのグループ展に来てくれた。2時間以上、山梨まで夜通し自転車を走らせた話や沖縄に行ったときのこと、大きい蛇の話を身振り手振りで話してくれた。中平さんの存在は僕にとって、もはや神様か仙人かというレベルだった。ずっとお元気だった印象だったので訃報に驚いた。ご冥福をお祈りします。

 

 

 

 

 

 

 

Vログ

朝=海苔の佃煮とパルミジャーノのパスタ/夜=カボチャとレンコンのきんぴら、きゅうりとトウモロコシのサラダ、ポテトサラダ、ゴーヤと豚肉の生姜焼き、白米

9月はふたつのグループ展に参加して、10月は毎年恒例の僕主催ルデコの「2B &H」のG展が控えている。ルデコでは松本で撮った『da.da』から100x150センチの大型プリントを10枚展示しようと思っている。データ作りやプリントをプロのレタッチャーの塚本さんにお願いすることにした。打ち合わせに家に来てもらったのだが、写真の話よりも動画のことで話が盛り上がる。塚本さんのおすすめの海外Youtubeを見ながら、Vログ撮影について話す。なぜ彼らはいい感じに色を作れるのか? そもそもの光が違うからなんだろうが、実に気持ちがいい色でずっと見続けられる。使っているカメラはiPhone。カメラの性能ではないのだ。簡単に撮っているようで、かなり細かいことをやっている。音楽のセンスもいい。ひとつ紹介するとこれ。https://youtube.com/c/grainydaysss

4年前に初めて16万人の登録者数がある。立派な専業としてやっていける数字だ。2B Channelsのちょうど10倍だ。

 

<2021年9月2日の日記から>

鈴木麻弓さんから森美術館に誘われて「アナザーエナジー」展と「Kaws」を見に行く。六本木交差点の「アマンド」前で待ち合わせなんて学生以来だ。昔の外観と随分変わっている。赤と白のストライプのファサードではなくなっていた。面影が残っているくらい。ビーガン御用達のお店で、豆コロッケのランチを食べてから美術館へ。「アナザーエナジー」点は16人の女性アーティストの作品紹介。戦後すぐから活動している現在80歳近いアーティストばかりで、それぞれのインタビュー動画が面白い。年齢を重ねることと、作品を作り続けることの関係性は60歳の僕にとって切実だ。「kaws」展は入場料2500円もする。それでも見たい人で溢れていた。今もっとも重要な現代アーティストと考えられているけど、見に来ている人の多くはそんなこと関係なく「kaws」の生の作品を見たい人ばかりだろう。年齢層は20代中心。画像イメージでしか知らなかった「kaws」の立体作品「コンパノン」を見たら、昨年やはり森美術館で見た村上隆のフィギュアを思い出した。間違いなく延長線上にある。夜は2BChanneの生配信。冒頭5分間音声が出ないという事故。ちょっと焦るが無事修復。ライブ配信をすると必ずと言っていいほど登録者が3人くらい減る。これ「ライブ配信あるある」みたいだ。今回は「カラー写真」の歴史的な話。そういえば最近機材ネタをしてないな。

 

<2016年9月2日の日記から>

 8月は食欲はあるのだが、下腹がズンと重く、上半身がフワフワする。朝起きると胃がシクシクする。驚くくらいマイナス思考になって将来を悲観しはじめる。それを打ち消すことができない。ずっとむやみな自信だけで生きてきたのに、それを自分で否定するわけだから始末が悪い。55歳、ははーん、これが男の更年期障害か? なんかで聞いたことある。こうなるとどうしようもない。嵐のようなものだから。寝付きは悪くないのだが、落ち着かせるために海外旅行用に買ってあった睡眠導入剤ドリエルを飲んでみた。安定剤みたいなものかなと思ってたのだが、これは失敗。起きてもボーっとしていて良いことなし。ガサゴソと薬箱を覗いていたら、妻が座骨神経痛の時に買っていた漢方薬を見つけた。妻曰く「なんでも効くらしいよ」。自律神経改善効果もあると薬剤師から説明されたそうだ。まあ毒じゃなさそうだから飲んでみた。あら、びっくり。とたんにスッキリした。よくなったよと妻に言ったら一言、「あなたは暗示に弱いのよ」。ということで9月になったらほぼ元どおり。11月に冬青で村越としやさんの写真展がある。高橋社長の熱烈なオファーが実ったそうだ。その時のトークショーのお相手に村越さんが僕を指名してくれた。村越さんはまだ若いけれど(20歳違い)、とても尊敬する写真家のひとりなので喜んで受けることにした、昨日はその打ち合わせ。事前にネットで彼の記事を拾い読みしたが、どれも同じようなものが多い。自身のサイトもないようだ。村越さんとちゃんと話をするのは初めてなので、まずは箇条書きにした質問に、考えずに即答してもらうことにした。へー、そうなんだということがどんどん出てくる。打ち合わせであまり聞きすぎると、当日緊張感がなくなるので控えめにしたが、突っ込んで聞きたいところが多くて驚いた。近頃はなんでもネットに上がっていて伝説が生まれずらいのだが、村越さんのことはネットでは絶対分からない。11月の本番は期待してもらってもいい。彼のファンも初めての人も楽しめるはずだ。冬青では昨日から禅フォトのオーナー、マークさんが写真展をやっている。写真集がすごい。実業家でギャラリーでパブリッシャーで写真家。これもすごいね。X線かぶりしたというフィルムからのプリントがこれまたすごい。

音問題の解決

朝=玄米のドライカレー/夜=お雑煮

朝から美術史プレ講座の対応でバタバタ。ありがたいことに、今回は反応がいい。「ボケ」というキーワードが良かったのかもしれない。そこへ雑誌の特集ページの色校が届いたのだが、色が全く出てなくて唖然。フィルムからスキャニングでデータを作ったのだが、うまくいっていなかったようだ。モニターで見る分にはいいのだが、印刷ではくすみが出てしまう。すぐに編集者に電話して対処を考える。

9月に参加するグループ展のプリントを作る。インクジェットプリンターを久しぶりに使う。エプソン  のPV1Vを昨年購入したけど、使用頻度はかなり低い。暗室に入ってカラープリントしたいのだが、コダックの印画紙現像液が手に入らない。なんでも中国で作っていたものが、差し止められているそうだ。富士フィルムで以前、ホビー用として小口で売っていたけど、どうなっているだろう?

夜は水曜日のライブ配信。2日連続でやったわけは、システムを変えたのでそのチェックのため。録画を見てみると満足のいく音になっていた。ようやく、これで音問題の解決に辿り着いた感がある。石の上にも3年とはよく言ったもので、9月1日で2B Channnelの本配信を初めて丸3年になる。

 

<2021年9月1日の日記から>

昨日の過去日記にあったスライドショー『雪の日』https://youtu.be/5Yx2bEMaYWk

水谷充さんがアップしてくれたもので、5000回も再生されてる。ワクチン接種後1週間、もう外に出てもいいかなということで、もう一度『アーヤと魔女』を映画館で観る。前回はジブリ美術館で観た。今回はドルビーサウンドで観たかったが、近くに該当する映画館はなかったので、新宿三丁目のバルト9へ。2度目でも面白かった。なんでだろ? ストーリーは中途半端で終わって謎が解明されることもない。この映画は賛否がはっきり別れるだろうな。好きな人にはたまらないし、嫌いな人は「つまらない」と切り捨てそう。僕には最高の映画。以前も書いたが一番好きなジブリ映画は『紅の豚』だけど、一番面白いのは『アーヤと魔女』。3DCGもいろいろ言われているようだけど、僕は2Dだったら2度も見に行ってなかったと思う。映画館に行く楽しみのひとつに予告編がある。昔々は「ニュース映画」っていうのをやっていた(笑)  。60歳以上の人には記憶にあるはず。今回の予告編で気になったのは『カラミティージェーン』『マスカレードナイト』『燃えよ剣』かな。映画を観た後は、日芸と工芸大の学生12人でやっているグループ写真展へ。面白かった。十分見応えある。モノクロも4人くらいいた。全体の1/3だから、思ったより多い。ちょっとだけ学生と話したが、意識が高い。学生のうちから学外で展示をやるだけある。帰りの電車が中野止まりだったので、お約束として「フジヤカメラ」へ。映像館の2階でブームスタンドを物色。パナソニックS5が天井から吊れるように大型のものが欲しかった。するとピッタリのスタンドがすぐに見つかった。1万5千円。これで収録のクオリティがちょっと上がる。

 

<2005年9月1日の日記から>

「もうカメラに興味はない」などと散々書いておきながら買ってしまった。「ローライ35」テッサー付きのブラックだ。言い訳をするなら、これは妻のものだ。家にカメラは売るほどあるのに、どうしても自分の物が欲しいと前々からコンパクトなカメラを探していたのだ。妻は近頃ちょっとだけ露出のことが分かるようになっえきたので、オートではなく、マニュアルで露出が決めることができるものが欲しいようだ。ローライ35は、極限まで小さくしたボディに機能をぎっしり詰めこんでいる。シャッタースピードと絞りを単独で設定できる。ただし距離は目測だ。とてもいい写りをするレンズは、沈胴式になっていて、引っ込めると出っ張りがなくなり黒い箱のようになる。カメラというメカが好きな方々にとって一度は気にかかる存在だ。よくぞここまで、というほど小さい。小さいけどミッチリしている。見つけたのは横浜赤レンガ倉庫でやっていた骨董市でだ。ジャンク寸前のカメラの中に埋もれていたのを妻が見つけだした。レンズはきれい、低速のシャッターもスムーズ。各部の操作感もいい。露出計は電池切れで動かないが、もともと当てにならないのでかまわない。店主との閉店間際の駆け引きで3万5千円を2万9千円にしてもらい交渉成立。ボディの上の部分に小さいエクボがあるほかはいい感じだ。フィルターとハンドストラップもついていた。中古カメラ屋で見つけたら、なにかとアラを探して買っていなかったかもしれない。骨董市という怪しげな場所だったから、そそられるものがあったのかもしれない。レンズを引き出してシャッターを切ると、パチンと切れのいい音がする。どんな写りをするか楽しみだ。

コラボ配信 第2弾

朝=山かけうどん/夜=枝豆とコーンのダシ、胡瓜とトマトとチーズのサラダ、ポークと豆の玄米カレー、

半年に一度の無料講座。今回は「美術史から見る写真のボケ表現」。9月3日(土)と4日(日)の午後8時からいずれも同じ内容です。zoomの視聴に必要な情報をお送りします。

アドレスは削除(9月4日で終了)

なぜか日本のみで発達した写真のボケ表現。それを歴史から考えてみたいと思います。

午後にある会社の方が「配信システムを教えてほしい」とやってきた。ついに配信コンサル(笑)。今まではOBSという配信ソフトからやっていたそうだが、トラブルが2度続き、システムを見直すことにしたそうだ。僕が薦めた機材はATEM MINIのPROisoモデル。この機種だとLANケーブルで繋げるソフトウエアに頼らずにとハードウエアで配信ができるので安定感が増す。映像の他に音声も繋げるし、録画機能もついている。最強。ただ通常のピンジャックでのマイク入力だとノイズが大きく出るので、必殺技を伝授。実はつい最近見つけた方法なのだ。マイクも含めていろいろ揃えても20万円はしない。それで配信が安定するなら会社使用としては安いものだと思う。

そして夜は鈴木心さんとのコラボ配信。1ヶ月前の配信は驚くほど試聴されている。そこで第2弾ということになった。前回は際どい話も出たが、今回は結構真面目な話が多かった。今回は僕の自宅から鈴木心写真道場と2B Channnelの双方に同じ内容を同時配信した。アーカイブはこちら。

https://youtu.be/ibHWiMI3boQ

 

 

朝カレー

朝=『暮らしの手帖』レシピカレー/おやつ=マッシュポテトサンド/夜=胡瓜とワカメのポン酢サラダ、焼き餃子、卵と三つ葉のお汁、白米

朝の8時に友人がカレーを届けてくれた。なので「朝カレー」してみた。いける! 美味い! 「朝カレー屋さん」やれば繁盛する(笑)。

午前中に1本の動画を撮って編集。今回のテーマは「人を集めるって難しい」。その前の動画で「写真を始めたら少人数のグループを作るといいですよ」と解説しているのだが、そもそも5人集めるだけで大変。コメントに人集めの難しさが書かれていたのでアンサー動画を作った。僕自身、ずっとワークショップをやってきて一番悩むのは人集め。どうやったら告知できるか常に悩んできた。twitterやInstagramで集まるなら苦労はないわけで。なので手間がかかるけど、訴求力の大きいYoutubeを始めたみたいなものだ。本を出版することになったので、午後に編集者がやってきた。今日は2時間ほど雑談を交えた打ち合わせだったが、早く形になるように動き始めないとね。

 


<2021年8月30日の日記から>

トマトキムチを鍋にしたら最高。珍しくビールを飲む。締めにチーズと玄米投入して雑炊。クーデルカ「EXILES」の解説動画を編集してアップ。めんどくさいことを一切しないで編集していても、アップ終了まで5時間近くかかる。いつも思うが毎日アップしているYoutuberは尊敬に値する。編集動画を効率よく撮影するためのセットを作りたくなる。今の部屋は配信にはいいのだが、編集動画の作業をするには、いろいろ問題が出てくる。隣の部屋を改造しようかな。本当はリビングを使いたいのだが、妻がいい顔をしない。本日は映画じゃなくてNHKオンデマンドで「NHKスペシャル 戦国~激動の世界と日本~」の前後編を見る。日本の浮世絵が西洋の絵画を変えてしまったけど、まさかスペイン帝国の崩壊と日本が密接に関わっていたなんて。1600年にすでにグローバル経済になっていたとは。これでまた美術史講座で話すネタが増えた(笑)

 

<2008年8月30日の日記から>

 5月からアシスタント不在のため、人手が必要な時だけTAROに臨時で手伝ってもらっている。朝、TAROから電話があった。

「今事務所の前ですが渡部さんどこですか。集合11時でしょ」、「何言ってるんだ、撮影明日だろ」「エッ、渡部さん確かに今日だって言ってましたよ」。スケジュール表を見たら僕が一日間違っていた。冷たい汗が背中を伝う。今日はタレント撮影の日だ。大慌てで事務所に向かい、現場に10分遅れで到着。「いや〜道が混んでて」。TAROに頼んでおいてよかった。やぱりひとりだと危ないな。

来週のギリシャ取材の打ち合わせで編集部へ。イタリア号が出来上がっていた。表紙、中扉を含めて30ページ以上撮影している。ほとんどがフィルムでの撮影。大きなポスターも645のポジから印刷している。ギリシャもフィルムにすることにした。ただし35ミリ。島と島の移動を繰り返すため極力荷物を減らしたい。その代りと言ってはなんだがフィルムはベルビアを使うことにした。100Fのほうではなくてベルビア100。べルビア50は出た当時使っていたが、100になってからは初めて使う。400以外の感度を使うのも久しぶり。ナチュラルな表現はEOS5Dに任せて、ヴィヴィッドな風景はフィルムを使う。デジタルで一番弱いのはヴィヴィッドな表現だと思う。なので今回の使い分けとなった。自宅でパッキングしてみる。体重計に載せて機内持ち込み制限をクリアできるように何度も出し入れ。着替えがなければいいのにと思ってしまう。

 

 

 

第6期オンライン「美術史講座」募集

第6期オンライン「美術史講座」(全13回/有料)のご案内

 スタートは9月11日(日)から約3ヶ月、13回の連続講座です。

毎週日曜日の午後8時からのライブ配信で、その週の金曜日午後8時からも見逃した方のために、もう一度同じ講座を再度ライブ配信します。さらに、どちらも見逃した方、もう一度聞きたい方のために、各回の配信動画も受講者限定でその都度アップしていきます。

 <受講料>

全13回 28,000円(税込/追加料金なし)

<申し込み方法>

「第6期美術史講座受講」と明記の上、下記アドレスまで。 

https://form.run/@yahoo-1661914470

(workshop2b10th@yahoo.co.jp   より返信)

受講料振り込み(下記参照)を確認した上で、視聴アドレス等をお送りします。

 

<支払い方法>

@クレジットカード払い 「BASE」から

https://2bh.base.shop/items/66164629

 

 <時間/毎週 日曜と金曜> 

日曜日、金曜日共に20時~22

★受講者限定で講座に使う資料と配信した講座の動画のダウンロード可能。

★各回の講座では、最後にzoomのチャット機能を使って質疑応答を行います。

本講義では、「歴史は苦手です」という方や、「美術史は初めてです」という方に是非、ご参加いただきたいと思っています。西洋史から美術の流れを知っていく講座ですが、ひとりの作家や作品を詳しく解説するのではなく、その作家や作品が生まれた時代、社会的な背景を、その時々の事件・情勢を交えてお話します。そのため経済、宗教、哲学、思想を横断するように解説していきます。美術の歴史はそのまま世界史と繋がり、現代のアートを理解する上で非常に重要な知識となります。本講座を修了後は、さらに詳しく解説する「写真史講座」へと繋がります。

 <日程と主な内容>

■1回目 9月11日(日)/<再>9月16日(金) 

「ルネッサンスってなんだ?」   「ルネッサンス」という言葉は、日本語に訳すと「再生」になります。では、何からの再生だったのか? そこには商業の発展とキリスト教の支配の歴史の関係が見えてきます。 #ダヴィンチ #ボッティチェッリ #メディチ家 #ローマ教皇 等々

■2回目 9月18日(日)/<再>9月23日(金)

「荒ぶるバロック」  調和が優先されたルネサンス絵画から、動きのあるバロック絵画へ。突如花開き、あっという間に散ったオランダ絵画たち。宗教改革の歴史を知ることは、美術を見る上でとても重要ポイントになります。#カラバッジョ #ルーベンス #レンブラント #フェルメール 等々

■3回目 9月25日(日)/<再>9月30日(金)

「フランス革命が変えた世界観——近代のはじまり」  現代美術を考える上で、実はもっとも大事なのは、近代の理解。近代と現代とは、いったい何が違うのか! フランス革命で何が変わったのでしょうか。#ダヴィット #アングル #ドラクロア #クールベ #ミレー #コロー 等々 

■4回目 10月2日(日)/<再>10月7日(金)

「印象派の誕生——写真の発明がもたらしたもの」  1800年になると急速に科学が発達し、産業革命による経済の格差や写真の発明が起こりました。ブルジョワが誕生し、絵画を需要する幅が増えていった時代です。#マネ #モネ #ルノワール #超重要画家セザンヌ #ゴッホ #ゴーギャン 等々

■5回目 10月9日(日)/1週飛ばし<再>10月21日(金)

「二度の世界大戦がすべてを変えた」  第一次世界対戦はヨーロッパの人々に大きなダメージを与えました。信じていたものが崩れ去り、世の中に虚無感が広がります。ダダイズムとシュールレアリズムがもたらしたものとは。現代美術はここから生まれました。#デュシャン #ピカソ #ロシアンアバンギャルド #バウハウス 等々

★10月14(金)と16日(日)は渡部の仕事の都合によりお休み

■6回目 10月23日(日)/<再>10月28日(金) 

「アメリカファーストの時代へ」  1950年代、経済の中心はニューヨークに移ります。そしてアートもアメリカファーストの時代に。それはなぜか。絵画は対象物を描かない「抽象表現」へと変容していきます。#キスリング #ミュシャ #クリムト #ポロック #ロスコー #CIA 等々

■7回目 10月30日(日)/<再>11月4日(金)

「コンセプチュアルアートってなんだ?」  時代は美しいものを求める「美術」から「概念」自体を問うアートへと変化していきます。そこには、大量消費社会や日本の「禅」も大きくかかわってきます。#ジャスパー・ジョーンズ #ウォーホール #リキテンシュタイン #モンドリアン #バスキア #キース・ヘリング 等々

■8回目 11月6日(日)/<再>11月11日(金)

「ついに何がなんだかわからなくなる現代のアートへ」  社会は関係性でできています。それを現すのが現代アート。社会批評や貢献すらもアートの範疇に。経済界の人々はなぜ現代アートを好むのでしょうか? #マウリツオ・カテラン #バンクシー #KAWS(カウズ)#ジェフ・クーンズ#奈良美智 #塩田千春 等々

■9回目 11月13日(日)/1週飛び<再>11月25日(金)

「日本アートの歴史」  日本の美術の歴史をいっきに解説します。中国の影響から日本独自の絵画へ。そして西洋化へ。すべては村上隆へと繋がっていました。#狩野派 #浮世絵 #藤田嗣治 #岡本太郎 #オノヨーコ #草間弥生 等々

★11月18(金)と20(日)は渡部の仕事の都合によりお休み

■10回目 11月27日(日)/<再>12月2日(金) 

「思想と哲学」   難しいと思っている人が多いけれど、かなり楽しい思想と哲学の世界。人間とは何か、社会はどのようなものか、ギリシャ時代から、人間は考えて続けています。#プラトン #デカルト #ニーチェ #フロイト #ユング #サルトル 等々

■11回目 12月4日(日)/<再>12月9日(金)

「現代思想」  ここがとっても大事! 実存主義から構造主義へ。そして現在の主流とは? 現代アートに大きく影響してくる「現代思想」をできるだけわかりやすくお話します。#ソシュール #フーコー #バルト #レビィ=ストロース #ジャック・デリダ 等々

■12回目 12月11日(日)/<再>12月16日(金)

「宗教」  日本人は宗教をあまり知らないと言われていますが、実はアートととても密接に繋がっています。世界三大宗教から日本の宗教までを解説します。#ユダヤ教 #キリスト教 #イスラム教 #仏教 #密教 #神道 等々

■13回目 12月18日(日)/<再>12月23日(金) 

「音楽・建築、映像の歴史」  音楽も建築も映像も、美術と同じく歴史と密接に関わっています。古代の建築から現代のアニメーションまで、その流れを一気に解説していみます。

 

浅間国際と諏訪大社

朝=タコとトマトの蕎麦粉パスタ/夜=火鍋もどき

8月は秋田、八戸、瀬戸内と毎週出掛けていて、最後に「浅間国際フォトフェスティバル」に行ってきた。https://imaonline.jp/news/event/20220708-2/

長野県の軽井沢近くにある、御代田町がメイン会場になっている。二つの大きな施設内での展示と、屋外での展示が組み合わされている。3年前から始まったのだが、コロナの影響で、リアル展示は2年ぶりだったので、大きな期待はしていなかった。しかし実際に行ってみたら相当気合が入っている。展示方法が多彩で面白い。特に今年の木村伊兵衛賞の吉田志穂さんの展示が素晴らしかった。森の写真を森に返すというものだった。9月4日まで。

翌日は茅野市で行われている大規模な小林紀晴展を見に行った。長年撮り続けている作品が、ひとつの大きな川の流れのようになっている。そして下流に当たる現作は、様々なものが堆積したコラージュ作品となっている。その後、御柱で有名な諏訪大社は今まで行ったことがなかったので、本宮、前宮、秋宮、春宮を全て回って帰ってきた。

 

<2021年8月29日の日記から>

クーデルカ「EXILES」の分解解説動画の収録。今回も相槌を打ってくれる人がいるので30分一発収録。25分くらいに編集して日曜日にはアップできそう。動画クオリティは低いが、内容は濃い(笑)。見てくれたら「へー」となるはず。乞うご期待。夜は美術史プレ講座。予定の2回目を無事終えてちょっとほっとした。聞いていただいた皆さんありがとうございました。寝る前に映画を1本。「人狼」というアニメ。押井守原作ということで観たのだが、これが20年前に制作されていたのか。DVDだけではなく、レーザーディスクでの販売もあったみたいだ。

 

<2011年8月29日の日記から>

 アシIこと、泉大悟が8月いっぱいで2年間のアシスタント生活から卒業。土曜日には盛大な壮行会を開いた。前のアシスタントだった古川が出たあと、1年間は専属ではなくて、助っ人でその都度いろいろな人に手伝ってもらっていた。海外での撮影も多かった頃なので、まったく不便は感じず、自分ひとりでやっていこうと思っていた。

僕はフリーになった時に何の経験もなかったから、ひとりでは何もできず、すぐに僕より経験のあるアシスタントをつけて仕事を始めた。その後、最初は仕事が入るたびに日芸の写真学科の学生たちにお願いし、その後輩たちを紹介してもらうという形で、数年間仕事をして、30歳の頃から専属アシスタントを頼むようになった。機材が多かったし、フィルムの管理など、とてもひとりではできなかったためだ。それが2005年の暮れにEOS5Dが出ると、極端に機材の量が減ってきた。データなので管理も楽になった。5DMark2が出ると、ついに仕事でフィルムを使うことはなくなってしまった。泉がアシスタントになりたいと言ってきたときには、彼の年齢も30歳ということもあって一度は断ったのだが、中国語をネイティブ並みに話せると知って、何の経験もなかった彼だがアシスタントを頼んでみることにした。

大人になってから外国語をネイティブ並みに習得するということは、センス以外にかなりの努力を伴うものだということは容易に想像できる。何かを習得できた経験は、写真の場合にも通じる気がする。それに彼の社会人としての今までの経験が自分の仕事にも役に立ってくれるのではないかと思えたのだ。僕の仕事の質が徐々に変わってきて、彼には満足な経験をさせることができなかった。しかしその分、作品作りとしては、わずか1年半でニコンサロンで個展を開くことができるまでになった。そして彼のカメラマンとしてのスタートを応援してくれる人がたくさんできた。9月10日に発売される『旅するカメラ4』では、表紙から中ページのカメラのブツ撮りはすべて泉にまかせた。注文は「かっこよくな」の一言だけ。彼はその注文にこたえてくれた。泉はおそらく最後の専属アシスタントになる。末っ子みたいな感じだな。

 

「土田ヒロミ インタビュー後編」アップ

朝=小豆島うどん/夜=鰻重/夜食=蒟蒻の炒め煮、ラーメン

「土田ヒロミ インタビュー後編」を手直ししてアップ。土田さんは36年間、自分の顔をほぼ毎日撮り続けている。写真集にはそれがずらっと並んでいるのだが、当然だが隣り合った写真にはなんの変わりもない。でもそれが10年20年30年と経過していくうちに大きく変わって行く。土田さんは「一瞬ではなく、緩慢な時間を写真にしたかった」と言っていた。タイトルは「AGING」、経年変化や老化の意味がある。これはまさに「メメントモリ」だ。その後、動画を1本撮って編集。ネタさえあれば2時間くらいでできるようになった。

そして携帯のキャリア移行に再び吉祥寺のビックカメラへ。その前に、NMP番号の通知が約束の時間を過ぎても届かず、カスタマーサービスに電話をして直接教えてもらった。この作業だけで疲弊してしまう。店頭でも1時間以上かかって手続きをしてようやく移行終了。でもYモバイルのマイページに入れないという問題が発生。店頭ではわからないと言われてしまう。電話でサービスセンターで聞いてくれと言われてしまうが、電話相談で解決するものなのか? お店を出るときには、もうぐったりしてしまい、元気を出すために鰻を食べて帰る。

 

<2021年8月26日の日記から>

結局、副反応による熱は出なかった。でも目覚めがスッキリかというとそうでもなくて、肩の周りや腰のあたりが筋肉痛のようになっている。体調は85%くらい。動けるし、仕事もできるので問題はないけど、なんか変。20時から2B Channnelのライブ配信。初めての配信が2019年8月26日なのでちょうど丸2年が経ったことになる。登録者数は1万人ちょっと。ありがとうございます。思ったようにはいかないけど、思いもしないことも起きる。いい意味でね。2年間でアップした編集動画は203本でライブ配信は40回。合計243本を24ヶ月で割るとひと月に10本という計算になる。最近はちょっと更新頻度が下がっている。2年間やっても方向性は見えてこないし、戦略的なこともできない。ただひたすらその時の出来事を動画にしていくのは、この日記と同じ。日記を書き留めておくことでアイディアが出てくることがある。本日のライブはちょっと切れ味が悪いというか。もっともいい時があるのかと言われそうだが、体調のせいかな。いや、準備不足だな。なんとか50分話し続けた。ライブも気の向いた時にだけやる、ということにしたら、やらなくなるだろうな。日記とインスタとライブ配信。どれも誰にも頼まれてないけど、もうちょっと続ける。

 

<2009年8月26日の日記から>

 今年に入ってからというもの、自分の写真展で精一杯で他の写真展に行ったり写真集を買うということはほとんどなかった。時間的にどうこうというより、人の写真が見たくなくなるのだ。納品も終わり、ようやく解禁というわけではないが、写真展を見に行こうという欲が湧いてきた。手始めに野口里佳を見ようと国立新美術館に行った。乃木坂の6番出口は美術館と直結している。改札を出たら無情にも「本日は休館です」とあった。火曜日が定休なのだ。知らなかったあ。公的なものは月曜休だとばかり思い込んでいた。乃木坂から新宿へ戻り、プレイスMや蒼穹舎、ルーニィを回る。蒼穹舎では写真集を購入。あれもこれも欲しくて抑えるのが大変。鈴木龍一郎「Druk」 吉行耕平「The Park」村越としや「草をふむ音」。吉行耕平の写真集の初版本は、以前パリの美術館でショーケースに入って「Recommend」として展示してあった。村越としやは、名前は知らなかったがパノラマサイズで撮られた写真が実に地味でいい。なんでもない風景をなんでもなく撮っている。こんな地味なことができるのはすごい才能。まだ20歳代の写真家らしい。オリジナルのプリントを見てみたい。多分相当きれいなはず。夜の7時からは「ギャラリートーテムポール」で写真家百々 新トークショーがあった。相手役は映画監督の川瀬直美。会場で1999年に出版されている百々 新「上海の流儀」を購入。Moleから出版されている。写真展はカスピ海沿岸の国を撮影したものだ。トークショーはあっちこち飛びながらも制作の本質的なものを二人で語っていくものだった。僕は川瀬直美の言葉を聞いていて手のひらがぐっしょりと汗ばんできたのを感じた。会場の暑さのせいでは説明がつかないほどの汗だ。さっぱりした。ふたりの言葉はすごく腑に落ちた。阿佐ヶ谷の駅で降りて、飲み屋で生ビールと焼き鳥を数本注文し写真集を広げる。たまにはひとりで飲むのもいい感じだ。

「2B Channel」3周年

朝=牡蠣とジャコのパスタ/夜=お雑煮/夜食=コロッケとメンチカツ

今使っている携帯のキャリアは楽天なのだが、2年経って割引期間が過ぎたので、妻と同じY!mobileにすることにした。以前、吉祥寺のヨドバシでiPadのSIM契約をしたときに、とても良い対応をしてもらえたので、今回もヨドバシへ。ところが楽天から抜けるのに最低でも1日以上かかるということで、また翌日行くはめになってしまった。楽天の旧キャリアだと移行に時間がかかるんだそうだ。それにしても、キャリア変更時に様々なサービスが提案される。コレコレを契約すると割引になるとか、家電製品が1万円引きになる特典が付くとか、電気の料金支払いをLINE経由にするとお得だとか、ウォータサーバーの機器が無料で使えるとか、説明を聞くだけで大変だ。店員の責任ではないが、断れない性格だと大変なことになりそうだ。ちなみに、妻はすべてを笑顔で断っていた(笑)。

その後、目黒のJPGギャラリーに立木義浩展、半蔵門のJICCに土田ヒロミ展を見に行く。どちらもモノクロだが、性質が正反対。でもどちらも素晴らしいモノクロプリント。図録を買って2B Channnelのライブで紹介した。

Youtubeを初めて丸3年がたった。登録者数は1万6千人。先日訪れた豊島美術館で、「いつも2B  Channnel見てます」と声をかけられた時はとても驚いた。見てもらえているんだという不思議さ。ありがたい限りです。

 

<2021年8月25日の日記から>

24日のミッションとは2回目のワクチン接種。1回目の副反応は、注射を打ったところがちょっと痛むくらいで他はまったくなかった。しかし複数の知り合いから、2回目の副反応の大変さを聞かされ、ちょっとびびっていた。人前に出ることも多いので、打たないという選択肢を取るわけにもいかず、体調を整えて2度目の接種を受けてきた。お昼ちょうどくらいに打って、夜の9時くらいに体がポカポカしてきた。熱を測ると36.7度。いつもより0.5度くらい高い。むしろ気持ちがいいくらいで、あとは何事もなく寝て、翌朝は普段通りに目が覚めた。接種後1週間で抗体がMAXになるというから、それまではちょっと行動を控えようと思う。接種後、家での様子見中に観た映画は、クリント・イーストウッドの「グラントリノ」と、漫画「キングダム」の実写版。イーストウッドかっこいいわ。若い頃の「ダーティハリー」より最近の方がいい。「キングダム」は大沢たかおがいいと聞いて見たのけど、出番はあまりなかった。どうやら続編があるみたいだ。今回は物語の説明に終わった感じ。長編アニメを実写化するのは大変だ。パラリンピック開会式、布袋寅泰が「キルビル」を演奏するシーンからの演出がすごかった。知らず知らずのうちに涙が出て鼻がズルズルになった。オリンピックの時は寸劇と言われていたけど、今回は素晴らしいパフォーマンスだった。寸劇にはない、物語の共有があった。

 

<2005年8月25日の日記から>

 EOS5Dの予約を入れようと「銀一」に電話したが、まだ入荷日もなにも決まっておらず、値段もはっきりしていなかった。実は、発売直後の新製品の値段が一番安いのは、「銀一」だったりする。ヨドバシで買うより安く、しかも早く手に入る。でも近頃はカメラやレンズに対する執着はほとんどなくなってきている。あれほど通った中古カメラ屋もめっきりご無沙汰だ。もともと飽きやすい体質なのに、ピンホールまでいってしまって「カメラはなんでもいいや」という気持ちになってしまったのかもしれない。入力機(カメラ)に対する情熱が出力機に向かっている。引き伸ばし機や周辺機器、印画紙やプリンターは気になってしょうがない。それと写真集と作家のオリジナルプリント。今日も所有している「ウィリアム・クライン」のオリジナルプリントを、ひとり部屋で眺めていた。買った時よりもっと好きになってきた。ある画商の話として「買った作品があたりかどうかは、壁に飾って毎日眺めてみればいい。3ヶ月たって『やっぱりいい』となれば、それは自分にとって本物だ」というのがあった。自分の写真も同じで、3ヶ月壁に飾って毎日見て、それでもいいと思えたら、世の中の評価を気にしなくていいわけだ。

瀬戸内トリエンナーレ2022

朝 小豆島のうどん

夜 カレー、白米、野菜ソテー、トマトと胡瓜とチーズのサラダ

数年ぶりの長旅だった。5泊もしたのは、コロナ禍前のアルル以来かもしれない。今回は9年ぶりに瀬戸内トリエンナーレ(国際美術祭)に行ってきた。いろいろな島でやっているイベントなので、まずは岡山の宇野港に1泊、そこから船で20分くらいの直島と豊島(てしま)に2泊づつで合計5泊。

以前行った時は、小豆島に泊まって、直島と犬島に立ち寄ったくらいだったので、今回はゆっくり見ることにした。直島というとベネッセのホテルが有名。美術館の中にホテルがある感じ。ベネッセの以前の社名は福武書店と言って、岡山が由来の会社なんだそうだ。そこが縁になっているんだろう。

なかなか泊まる機会もないので、「パークツイン」の方に1泊だけしてみた。宿泊客は意外と若い人たちが多い。各部屋には美術作品が飾ってあって、僕の部屋にはジェームス・タレルの大型ドローイングだった。タレルの作品はホテルの近くにある「地中美術館」にもあって、これは誰でも驚く。あえて言わないが、認識がひっくり返される。面白い。

ベネッセのホテルには、杉本博司の作品がたくさんあるのも嬉しい。小さな杉本美術館になっている。それが昼夜問わず見ることができる。外光の影響で作品の見え方が変わってくる。外にも作品があるのだが、なんと、遠くに見える海沿いの崖の上にも「海景」が設置してあった。島には他にも、大竹伸朗が作った「直島銭湯」や家プロジェクト「はいしゃ」などがあって、銭湯のほうは実際に入浴もできるので、入ってきた(笑)。

直島に満足して豊島に渡ったのだが、ここが「思ってたのと違う!」という経験ばかり。クリスチャン・ボルタンスキーの「ささやきの森」「心臓音のアーカイブ」(僕も心臓音をアーカイブしてきた)もよかったが、なんと言っても豊島美術館が本当に素晴らしかった。「感動した」なんて言葉では語れないくらい。内藤礼の作品があるとしか知らなかったのだけど、知らなくてよかった。なので是非みなさんも事前情報なしで行ってみてください。ちなみに内藤礼のコンセプトは「たったひとつだけのもの」だそうです。

24日(水)は、夜8時から2B Channnelライブで、今回の美術祭の話をしようと思っています。是非、ご視聴ください。

 

<2021年8月24日の日記から>

前夜のプレ講座配信のことが気になったのか、目覚めが悪い。気持ちがどよーんとしている。対面でのワークショップの時はまったく感じなかったが、オンライン配信の時はいつも終わってからモヤモヤする。満足してもらったのかどうか、聴いてくれた人たちの感じがわからないからだ。これはどうしようもない。悩んでもしょうがない。毎朝のルーティンをこなして、遅い朝ごはんを食べたら通常モードになった。ちょっと調べ物をしているうちに、あっという間に夕方になったので早々に切り上げて風呂に入ってご飯。翌日のミッションに備えて休養モードの一日だった。


<2016年8月24日の日記から>

晴れ間をぬって、2回目の写真集編集会議のため冬青へ。前回の打ち合わせを踏まえて構成したものを床に並べる。40枚を基本とするのは『da.gasita』や『prana』と同じ。サイズも同じにするつもりだ。社長とふたりで並べられた写真を俯瞰で見ていく。ステートメントを読んでもらい意図を説明する。アザープリントと数枚入れ替えたが、構成的には変化はない。そしてそのままの状態で放っておき、とりとめない雑談を始める。これはいつものやりかた。入れ込んだ気持ちを冷ますのだ1時間後、再度入れ替えを行ってみる。しかし動かない。何を入れても強固に弾く。1枚を入れ替えるには全体を見直す必要が出てくる。ということで、写真集最終構成はできた。タイトルは「demain」。すべて小文字なのは今までと同じ。9月末までにプリントを再調整して入稿作業が始まる。出来上がりは12月中旬くらいだろう。

ストックづくり

朝=トースト、スクランブルエッグ、野菜トマトスープ/夜=豚しゃぶ鍋、八戸煎餅入り

暑い、部屋の中でも暑い。今週中盤から出かけるので「2B Channnel」のストックを作る。先日見たアレック・ソスを動画にするために、買ってきた写真集を読み込む。動画を作るようになって、写真集を以前よりも時間をかけて見るようになってきた。ジャンルを特定せず、ちょっとでも引っ掛かったら購入して読み込んでいる。毎週1冊は動画にしているから、すぐに本棚はいっぱいになる。Googleから入る毎月の広告料は写真集に使おうと決めているので、気兼ねなくどんどん買えるw

これで2本ストックができた。もう1本土田ヒロミさんのインタビューもあるから、ちょっと余裕ができた。別に誰かに強制されている訳ではないけど、ついつい動画を作ってしまう。「2B Channnel」ももうすぐ3年になる。早いもんだ。

 

<2021年8月16日の日記から>

 朝ごはんを食べた後に「ブレードランナー2049」を見始めた。一度見ていたけど、最近見てるものに繋がりそうなので確認の意味もあって。すると途中まで見たところで妻がやってきたので他の映画を見ることにした。選んだのが「JOKER」。なんだよー、思ってたのと違う。「バットマン・ダークナイト」みたいなものだと思ってたのに。でも嫌いじゃない、いや好きかも。なぜかと言うと学生の時に見て、その頃一番好きだった「タクシードライバー」そっくりだったから。「JOKER」には「タクシードライバー」主演のロバート・デニーロも出ていたし。「JOKER」が刺さったのは、ちょうどマイケル・サンデルの「実力も運のうち 能力主義は正義か?」を読んでいたというのもあるかもしれない。どっちにしても身も蓋もない話だけど。しかし「JOKER」があまりにもハードだったので妻から苦情が出て(本人で選んだんだけど)、口直しに「ジュマンジ3」を見る。初代の「ジュマンジ」は見ていたけど、2話目を見ていなかったので最初状況設定がわからなかった。3がまあまあ面白かったので、夕ご飯を食べた後に「ジュマンジ2」を見ることにした。2も3もインディジョーンズがベースになっていた。映画3本半というのは、自粛期間中のお盆の正しい過ごし方だな。

 <2008年8月16日の日記から>

ふとソファの上を見ると、娘の任天堂DSが転がっている。そういえば買ったときに「英語漬け」のソフトを買っていたはずだ。

買った当初に試してみたものの、実力判定は「ドクロ」つまり何にも理解できていないということだ。久しぶりにやってみたら結構面白い。「英語漬け」はソフトが読み上げた英文を文字で書き込むものだ。日本語訳を消して使うと発音だけがたよりになる。

たとえ知っている単語でも発音されると理解できないものだ。WEBソフト"i know"で2ヶ月鍛えた成果を試すべく実力判定を受けると、数日で結果は最高ランクのSまで到達した。日によってAになったりBになったりはするものの、結果が形になったようでなんだか嬉しい。ついには、自分専用のDSと「もっと英語漬け」を買ってしまった。

イタリア取材の色校が上がったと、編集部から連絡があり確認しに行く。写真セレクトに立ち会わなかったのでどのように写真が使われているか初めて知ることになる。表紙はどんなものが使われているかと思ったら美術館の内部だった。3人のカメラマンが関わっているから「これって僕が撮ったんだよね?」とつい聞いてしまい笑われてしまった。ポジフィルムがどのように再現されるか心配していたが色校状態では十分いける。解像度も色も問題ない、というよりバッチリ。自分以外のカメラマンはデジタルで撮っているためページで比べてみると、デジタルのほうが細かいディティールの描写に優れている感じがする。シャドーの隅まで情報が見える。それに対しフィルムはザックリしている印象だ。そのかわり力強く見える。見開きページや1ページ大に大きく扱われるとデジタルに比べて迫力があるような気がする。オリンパスE-3で撮ったもので大きく扱われたものもあった。そこだけ見れば何の問題もない。でも比べてしまうと黒の深さに違いが出る。書店張り用のポスターもきれいに出ていた。スローシャッターに細い三脚でブレていないか心配していたが問題なくホッとした。鐘楼屋上から撮影した4ページ観音開きのページは迫力がある。

 

「Q20Ⅱ」

朝=おろし蕎麦/夜=胡瓜とジャコの胡麻ぽんサラダ、白浜の鮑、オクラの豚肉巻、いちご煮炊き込みごはん、煎餅汁、

小型のクリップオンストロボが届いたので1本動画を作る。LightPixLabsという香港のメーカーの「Q20Ⅱ」というモデルで、一見普通の小型ストロボなのだが、根元の部分が外れて送信機になり、ストロボをワイヤレスで発光させることができる。八戸のワークショップを手伝ってくれている本田光さんが使っていて、値段も1万円くらいと手頃だった。リコーからも同じ機種が出ていて、中身は一緒なのだが、外装がマットブラックになっている。僕はGRにつけることが多いので、マットブラックモデルにした。昔からストロボを使って、スナップを撮る方法論はあったが、最近また若い写真家にストロボを使う人が多くなっている。なんだか今の写真の流れは1970年代と繋がっているように見えることがある。そういえば家にある大型ストロボはここ数年まったく使っていない。電源を入れるのがちょっとこわいな。夕方、娘が来たので八戸のお酒を飲みつつ、八戸の話をしつつで、なかなか贅沢な夕ご飯になった。

 

<20021年8月15日の日記から>

久しぶりに小麦の麺を食べたらモチモチしてて美味しい。満足感は高い。でもなんとなく食後しばらくは体が重くなるような気がする。罪悪感というわけじゃないだろうが。金曜日に暗室に行けなかったので土曜日に変更。エイトバイテンネガのベタ焼きと、35ミリ6X6モノクロネガから数枚プリント。17歳の夏に初めてプリントした時はエアコンもない暗室で汗だくになったけど、何か特別なことをしているみたいで楽しかった。以来、40年以上暗室に入っている。どんなに長いこと写真をやっていても、1本のネガから「これ焼こうかな」と思えるのは、よくて1枚。その中で最終的に残るのはせいぜいフィルム20本に1枚くらい。写真は昔より上手くなっているはずだけど、それには全く関係がない。上手くなるのとプリントして残るのとでは、どこかに決定的な違いがあるようだ。今年で閉める予定がだったギャラリー冬青が、2022年の1年間、再延長するという宣言を出した。今年1月の展示の時に「これで僕が冬青でやるのは最後です」と言って展示をしたばかりなのに。最後だからとプリントを買ってくれた人もいるだろう。ギャラリーにも色々事情はあるのはわかる。でもだからといって来年の展示依頼をされても、、、なんか閉店セール商法みたいで。延長が決まり、展示依頼があった時は「もうやらない」と高橋社長には言ったのだけど、時間が経つとやりたくなるし、妻には「それはないでしょう」と言われるし、どうしようか悩んでいる。

 <2004年8月15日の日記から>

この1週間、米沢に帰っていた。米沢を撮影するためライカM3、EOS-RT、FUJI-GW69、ローライ2.8Eをそれぞれ4つの小さいバックに入れていった。フィルムはネガカラーとモノクロを用意した。現地に行ってそのときの生理にあったカメラとフィルムを使おうと思ったのだ。米沢は毎日これでもかというくらいの晴天だった。青い空に、緑の稲穂、印象的な風景ばかりが目に付く。35ミリではなく、69のネガカラーを使うことにした。FUJI-GW69には90ミリのレンズが付いている。35ミリ換算で43ミリくらいだ。ちなみに35ミリと69の縦横のプロポーションは2:3で一緒である。焦点距離、年齢説というのがある。20歳なら20ミリ、35歳なら35ミリ、50歳なら50ミリが生理的に合うという、写真家高梨豊が唱えた経験論だ。年齢とともに把握できる空間が狭まるということだろう。今43歳の僕にGW69の90ミリの焦点距離はぴったりと合っている。GW69はライカをそのまま大きくしたような形でそのサイズと形からから「お弁当」と呼ばれている。メーターは付いていない。ミラーがないレンズシャッター方式で、レリーズショックはほとんど無い。ピンとは距離計連動式で、まあまあ合わせやすい。サイズが6×9センチもあるから120フィルムで8枚しか撮れない。あっというまにフィルムチェンジになる。20本持っていったコダックウルトラはあっというまになくなった。ローライにはモノクロを詰めて散歩の時に持ち歩いた。ローライを持っているときはGW69は持たない。常に1台だ。カラー20本、モノクロ9本、現像が上がるのが楽しみでしょうがない。