木曜日、午前中に経済評論家の森永氏を撮影。1ページ大で2点写真を大きく使うのだがインタビューを含め1時間しかない。デジタルと645のネガカラーを使い室内と外で撮る。晴れててよかった。森永氏の話は面白い。年収300万円で生きていくのと100万円で生きていくのとではまるで違うという。なにが違うかというと300万円あれば「感情が生まれる」のだそうだ。詳しくは森永氏の著書で。
次の撮影まで時間があったので、新川の「タカイシイ」「コヤナギ」ギャラリー、四谷の「デイズフォトギャラリー」、青山の「岡本太郎記念館」を回る。見ているうちにフツフツと「ギャラリーやりたい熱」が出る。
夕方から、あるロックバンドの撮影。締め切りの関係で納期は明日なのだが、事務所お約束の「写真チェック」がある。そんなことをしていると締め切りに間に合わなくなるので、デジタルで撮影しその場でカットを決めてしまうことにした。
ロケ場所はレコード会社地下のボイラー室。そこにライトを組み、デジカメD60にテレビモニターを繋ぐ。撮影した瞬間にモニターに映し出される。ただ被写体自身がモニターにばかり気を取られてしまうので最初の数枚を見せたらコードを抜いてしまった。撮影に集中してもらうためだ。
終了後メインカットをテレビに映しどれがいいか決める。意外とあっさり決めることができた。暗室に戻るとデジタルデータからプリントを作る。デジタルで撮ってはいるが納品は必ずプリント。終了後、明日の午前中に届くように宅配便で出しておしまい。
銀座「過門香」で中華。
金曜日、車に乗り込もうとしたら、ぶら下げていたEOS-D60、50ミリレンズつきがスルリと肩から滑り落ちた。「ヴァッ〜$%&#」と声にならない奇声をあげてしまう。アシTが何事かと振り返る。
カメラは1メートル以上の高さからスリーバウンドしてアスファルトに弾んだ。「ガシャ!」というより「ボウン」という感じ・
慌てて拾い上げると内蔵ストロボが立ち上がっている。パコンとしまうと外傷はなさそうだった。試しに1枚シャッターを押してみるとちゃんと画像が出た。ゆすってみたがカラカラという音はしない。大丈夫だ。
プラスティックのボディが丈夫だということに始めて気がついた。これがライカだったら間違いなくオシャカだったろう。
来月の撮影のためのロケハン。早めに終わったので六本木ヒルズへ行く。前回、三脚を持って展望台へ行こうとして止められた経緯があるので今回はペンタックス645Nをカバンにしのばせる。
今日は快晴だったが気温が上がりすぎてガスがかっていた。それでもここの展望台からの眺めは東京で一番だと思う。
東京タワーは存在感がある。これが風景の中にあるのと、ないのとで大きく見え方が変わる。赤い塔が見えると安心するのだ。タワーを中心に45ミリのレンズに偏光フィルターを付け3ロールまわす。
美術館では草間弥生「クサマトリックス」展をやっていた。水玉模様炸裂。しかし展示がちょっと物足りない。もうすこし体系的なものも見てみたかった。
隣では「六本木クロッシング:プライズ」という若手現代芸術作家の総合展示をやっている。写真家では畠山、オノデラユキ、安村崇などがあった。
最後は東京、NY、上海の都市模型モデルを見る。昨年の展示を見逃していたので再展示を見ることができたのははラッキーだった。「TOKYO」の写真集を作るヒントが隠されている気がする。
土曜日はワークショップ第4期が始まる。今期はローライ、ライカ、ニコンといったラインナップ。夜に友人夫妻と銀座で食事。日曜日は暗室開放日。ここでもライカハッセルが文字通りゴロゴロ。もう相当量のライカを触った計算になる。いつもライカに囲まれているのでもう自分でライカを買う気はしなくなってしまった。
じゃこ昆布ゴマネギをごま油で炒めて醤油をタラり
水曜日、撮影後中野の日東商事にラッキーのカラー引き伸ばし機G70を引き取りに行く。先日見つけて手付けをうってあったのだ。
G70は一台で散光式と集散光式の二通りの光源を選ぶことができる。カラーで集散光式なのは唯一これだけだ。現在は製造中止となっている。
散光式は柔らかいトーンが出しやすくゴミキズが目立たないメリットがある。対して集散光式はコンデンサーレンズで光を集めるためシャープば像を結ぶようになっている。
現在持っているフォコマートV35とラッキーC45はどちらも散光式だ。G70はワークショップ用に導入したのだが使いでがありそう。
さっそくテストプリントをしてみる。V35とC45とのフィルター値の差や露光秒数を確かめる。コンパクトに作られているG70は使いやすい。
カラーでのデータをとって、一つのネガを3台で同じようにプリントできるようにする。
木曜日、撮影が突然キャンセルになったので、モノクロでのプリントデータ作りをする。いままで経験と勘でやっていた作業をなるだけ数値化していく。5時間かけて3台のプリントデータを作った。デジタルでいうところの「キャリブレーション」だ。これでプリント作業が確実に早くなる。
イルフォードのウォームトーン四つ切りの販売中止は、調べてくれた人によると、世界基準が11×14インチ(大四つ切)と8×10インチ(六つ切り)で、10×12インチの四つ切は日本独特のサイズ。これまで特別に作ってもらっていたがもうできなくなったということらしい。
全紙(18×22)や半切(14×17)も日本独特のサイズ。オリジナルプリントの世界では16×20の小全紙が一般的だ。しかし四つ切はA4の雑誌原稿としても使いやすく、また日本の暗室事情にもあっていて使いやすいサイズといえる。
ワークショップをやるようになってから基準というものに敏感になってきている。きちんとした基準を持っていないと伝えていくのが難しいからだ。いままで勘と経験に頼っていたものを数値化していくのは、自分のプリント作業を見直すうえでもいい機会といえる。
ネギトロ納豆、ベーコンとほうれん草の卵炒め。
朝起きたらなんにもする気がしなかった。
このままではズルズルと一日を過ごしそうだったので用をつけて外へと出た。「TOKYO」シリーズも撮り足さなくてはならない。
ペンタックス645Nにプロビアをつめて、とりあえず地下鉄大江戸線に乗る。都庁前で下車し、展望台へ登ってみることにした。
展望台からの眺めは、晴れてはいたがガスがかかってすっきりしない。気温が高いせいだ。もうしばらくしたら大好きな冬の陽射しはなくなってしまう。外の景色はガラスの反射がきつくて思うように撮れなかった。
新宿駅まで歩いてヨドバシで暗室用品を買う。イルフォードのウォームトーンの四つ切という一番使用頻度の高い印画紙が輸入中止となっていた。
せっかくトーンをつかんだのにショックだ。いいものから先になくなっていく気がしてならない。暗室用品自体、存続があやしい。
南口から東口に抜ける道を撮り歩く。ピンク映画館や、パチンコの看板、ラッキーカメラに群がるおじさん。
そのまま恵比寿の編集部に行くために電車に乗ろうとしたがコニカミノルタギャラリーの看板が目に入った。
神山洋一「東京生活」というタイトルに魅かれ4階へと上がった。神山氏の名前は聞いたことがあるがどんな人かは知らない。
正統派モノクロスナップで東京を撮っていた。始めはよくあるスタイルだな、などと思って見ていたが次第にその世界に入ってしまった。一瞬のすれ違いを20ミリと思われるレンズで切り取っていく。
都市生活の悲しさが写真の表面には出ているが、見ているとなんとも写っている人々がいとおしくなる。一生懸命生きているんだなあ、という気がする。写っている人の人生を考えたりしてしまう。ボリュームのある点数だったがまったく飽きることはなかった。東京をスナップで綴ったものとしては最高レベルにある。
最後に作者の挨拶文があった。フジテレビ写真室に勤務し、仕事のかたわら東京を撮りつづけていたとある。「いた」というのは昨年享年54歳で亡くなっていたのだ。
奥さんが生前の写真をまとめて今回の展示と写真集の出版になった。神山さんは入院生活の間もカメラを手離さず、混濁した意識の中で「写真が撮りたい」と書き残したという。
思わず自分のことを考えた。なんだか同じことをやりそうだ。彼の最後の写真集「東京生活―TOKYO HUMAN SCAPE STREET PHOTOGRAPHY 1992〜2002−」(日本カメラ社)を買って帰る。
吉野家の牛丼、ひさびさに食べたら肉がスカスカだった
金曜日の仕事でさっそくペンタックス645Nを使ってみた。外でのポートレートだったが、なかなかファインダーの見え方はいい。ホールドもガッチリできるし、なにしろピントを任せられるのはありがたい。
しかし、まだ予備の中枠を持っていないためフィルムの交換にてまどってしまった。ちょっと、かっちょわるい。ボディがもう一台いるか?
銀座の編集部に納品の後、銀一へ。ワークショップ用の中古の引き伸ばし機を物色する。なかなかいい出物がない。フォコマート1c置いてあったが15万もする。お店の知り合いに写真展のチケットをもらった。有楽町マリオン11階でやっている、「木村伊兵衛と土門拳」だ。
すごい取り合わせ。そういえば、二人のまとまった展示は始めて見る。対象へのアプローチが正反対で面白い。生粋の江戸っ子木村伊兵衛と、東北山形生まれの土門拳。どちらが撮ったものだかすぐに分かる。好みとしては土門拳だ。これはおすすめ。とても楽しめた。
そこまで行ったらレモンに寄らないわけにはいかない。まあ必要なものがあるわけでもないのでチラチラと棚を見るだけ。アシTが100万円以上するボロボロのライカ3cブラックを見て「いち、じゅう、ひゃく、せん…」とやっていた。なぜその値段になるかどうにも理解ができないらしい。
ハッセルのデジタルバックコダックDCSが80万円で出ていた。今80万円出すならEOS1Dsだろうなあと思う。皆がそう思っているわけで、ずっと売れ残っているようだ。
土曜日はワークショップ第3期の終了日。終わった後2B内で軽く打ち上げ。ワークショップを始める前、全8回は長すぎるだろうかと心配していた。しかし、いざ始まってみると8回はあっという間だった。
続けざまに来週から4期が始まる。
米沢から送ってきた牛肉ですき焼き。おいしいぞ。
麻布の「権八」で撮影。ブッシュが小泉総理と会食して有名になったところ。
いつも前を通るたび「変な趣味のところだな」と思っていた。中は結構面白い。外国人にうけそうな作りだ。
寿司職人を撮影したのだが、今日はデジタルを使うことにした。レフ板だけを使って地明かりだけを利用する。EOS-D60に魚眼の15ミリをつける。昨年からデジタルというと、この組み合わせが多い。
D60だと、35ミリフルサイズに比べ有効画面が小さいため、魚眼特有の周辺の歪みがカットされてちょうど良くなる。普通のワイドレンズで撮るよりも、手前の人物がグッと力強く表現できるのだ。
暗室に戻り今日撮ったものをデジタルプリント。一通りプリントアウトした後、レイヤー処理をしてトーンを整えてみる。アシTとともにデジタル処理の参考書と首っ引きでトライ。レイヤーをうまく使ってこそのフォトショップなのだが難しい。
フォトショップが7.0からCSにバージョンアップすると、16ビットでレイヤー処理ができるようになる。もうレイヤーはさけては通れない。デジタルは覚えることが多い…
それでも今月から仕事ができるようになって嬉しい。たいへんだ、たいへんだ、と言っているのが返って落ち着くのだ。
夜はトマトシチューとあさりのスパゲティ
2月4日は妻の誕生日。お昼にお寿司を食べに行く。新宿京王プラザホテルの「久兵衛」。銀座の本店より気軽な感じする。
年に一度くらいしか行かないがやっぱりおいしい。寿司はもちろんだが、合間の箸休めに出てくる漬物がいい。特に茄子。これだけ持って帰りたい。
京王プラザホテルからマップカメラ、ヨドバシへ。お目当てはペンタックス645。視力が心配な今、頼れるものはなんでも使う。
コンタックス645でもいのだけれど、オートフォーカスがなんだかあやしい。今必要なのは正確なピントだ。
新品を見たがレンズつき32万8千円と結構なお値段だ。45ミリと、150ミリも必要なので総額45万円くらいになる。
あとあともう一台ボディを買ったらとんでもない値段だ。あきらめて新宿から中野へ。ここはフジヤカメラ頼みだ。
現行のペンタックス645は2型になっているが、1型でも別にかまわない。オートフォーカスの精度は1型も2型も同じということだし。
1型に75ミリレンズつきで14万8千円。45ミリ5万3千円。150ミリが置いていなくて120ミリが7万8千円。総額27万9千円也。
新品1台の値段より安い。120ミリも使いでがありそう。相場もこんなものだろうとこのセットに決めた。後は替えのマガジンと150ミリがあればとりあえずOK.これは後日探すことにする。
取り扱い説明書をくれたのだが、びっくりするくらいペラペラ。デジタル関係の分厚ものに慣れたものにとっては手抜きじゃないかと思えるくらい。でもそういえば昔のカメラの取り説ってこのくらいのものだったよなあ。基本操作はダイアル式なので取り説を見なくても問題はない。
どこのカメラ屋に行っても「EOS1-Dmark2」のポップがデカデカと貼ってあった。4月中旬発売とある。ヨドバシ価格54万6千円。ペンタックス645じゃなくてこっちかなあ、と悩んだがまだしばらくはフィルムを使って行こうと思うのだ。
キムチ鍋で温まる。
土曜日はワークショップの暗室日、日曜日は修了生のための暗室開放日。
先週撮ったポートレートでのレンズテストでは、ライカの現行エルマー、ズミクロンの50ミリ、Rマクロエルマリート60ミリの3本を比べてみた。
びっくりするほど同じ。特に背景の出方はまったくといっていいほど似通っている。若干マクロエルマリートの、人物の肌の描写が好ましいような気がするが、あくまで気がするだけ。ライカはライカなんだなあ、とあらためて思う。
ハッセル対コーワ6では、髪の毛の出方に特徴があった。コーワ6が1本1本をキチンと出そうとするのに対し、ハッセルのレンズは髪の毛の芯にベールがまとわりついているようになっていて、シャープなのだが柔らかい印象を与える。
コーワの「1本1本すべて結像します!」という意気込みに対し、ハッセルは「まあ、そんなにキリキリしなくても」と言っているようだ。Cタイプの80ミリも、CFの120ミリも同じ傾向だった。
できあがったプリントを比べて、各メーカーの設計思想を見るのも楽しいものだ。
暗室開放ではバライタモノクロプリントに挑戦する人がいた。手間は膨大だが、最後にドライマウントプレスでピシッとなったプリントはさすがに深みがある。
写っているのは地面の水溜り。暗いトーンのなかに水面が鈍く光っている。周りの暗室仲間がプリントを囲んで「きれいだねえ!」
終了後、江古田の居酒屋「備中屋」に流れる。
月曜日は小田原の日。氷雨がしみる。新しい眼鏡を作った。これで本格的に仕事復帰ができる。
さつま揚げの残り物があったので「おでん」
昨年、「TOKYO」シリーズを日本で出版しようとしたが、なかなかうまくいかなかった。そんな時「旅するカメラ」の編集者がNYに住んでいるデザイナーにダミー本を送ってくれた。
昨日「TOKYO」シリーズのことをここで書いたが、偶然にも今日編集者宛てにNYからメールが届いた。
デザイナーはとても気にいってくれて、出版社5社を回って売り込みをかけてくれた。結果は芳しいものではなかったが、引き続き出版に向けて動いてくれると書いてあった。
「あの本を認めてくれた人がNYにもいた」NYの人に見てもらうために始めた企画だけにとても嬉しい。デザイナーがこんなに一生懸命になってくれている。あのシリーズを認めてくれたのだ。
2月から仕事も再開する。それにあわせてもう一度「TOKYO」を撮りはじめようと決心した。どうしようか悩んでいたくせに、あっというまにやる気が出た。
クズ野菜をポトフに。明太子のペンネ。
毎日毎日天気がいい。もったいないのでシノゴをかついで六本木ヒルズを撮りに行った。「TOKYO」シリーズでまだ撮っていない場所なのだ。
「TOKYO」シリーズは、去年の今頃燃え上がっていたのだが、その後なんにもしていない状態が続いている。2冊作ったダミー写真集のうち1冊はワークショップの教材として有効活用できてはいるが、もう1冊、NYに送られた分はなんの進展もない。
もう少し撮り足して、写真集にだけこだわらず、写真展も視野に入れて今年中には決着をつけたいと思う。
六本木ヒルズは撮りづらい。なんにもないところから、にょっきりと建っている。敷地内で三脚を据えて撮ると警備員が飛んでくるし、かといって離れるとあの異様さが出ない。
青山墓地からも見たがへんに狙いすぎの絵になってしまう。都庁もそうだが、にょっきり系は難しい。外からはあきらめて展望台へ登ろうとしたら、係員に三脚は置いていけと言われた。三脚がなくても手持ちでいいか(シノゴだけど)とロッカーに預けようとしたら「バックもだ」と追い討ちをかけられる。
その時点で負けなので引き返す。でも係員の態度は全然無礼な感じではなかった。まあしょうがないかと言う感じ、
その後テレビ朝日側やヴィトン側から見たがうまく納まらない。せっかく来たので1枚撮ったがおそらくボツ。65ミリスーパーアンギュロンのレリーズ受け口を壊してしまった。痛い。
帰りがけ都庁も見るが、夕方は逆光になってビルがシルエットになっていた。イメージに合わず。
絶好の天気なのに何も撮れず。ああ、もったいない、もったいない。
24日追加、「大山行男、富士山」について
24日に書いた大山行男写真展「富士山」の話しだが、舌足らずのため誤解をまねいているかもしれないので加筆しておくと、
「絵のようにきれい。写真に対する表現としては間違っていると思うが…」というくだりは、大山氏の写真が絵のようだと言っているのではなく、インクジェットで出力されたプリントの質感が絵のようだった、と言いたかったのだ。
大山さんの写真は、以前大規模な写真展を見て感動した覚えがある。フィルターを使うことなく写真に出ている色はすべて自然がもたらしたもの、と聞くにおよび、写真の後ろ側に隠された膨大な時間を感じずにはいられなかった。
今回の写真展ではインクジェットプリントへの先入観がもたらす偏見かもしれないが、その時に感じたアウラのようなものが感じられなかったのだ。どこかに「色補正」という頭があったためかもしれない。
エプサイトは意欲的にギャラリーを運営していると思うし、実際よく足を運ぶ。ただインクジェットとの相性の問題なのか、見た後になにかわだかまりが残る場合がある。それは写真自体がもたらすというより、プリントの質感の問題なのだと思う。
エプサイトで心から面白いと感じるのは、撮影がデジタルで、デジタルで出力することを前提に制作されたものが圧倒的に多い。
フィルムやプリントからスキャナーで読み込んで出力しました、というものは違和感がただよう。偏見だと思うし、慣れの問題なのかもしれない。でもやはり行く度に感じてしまうのだ。
インクジェットプリンターへの否定かというとそうではない。新しいプリントメディアとして使っていきたいし、新発売のA2まで伸ばせる顔料プリンターは本気で欲しいと考えている。
なんでもかんでもバライタモノクロが最高!ということはまったくないし、インクジェットプリンターがあればそれ1台でなんでもできる、とも思わない。使えるものはなんでも試してみたいというのが本当のところだ。
里芋と牛肉の煮物。昆布とジャコと水菜の炒め物。
同じポジションで撮ったデジタル写真(EOSD60)と8000EDで読んだポジの写真をオリンパスの昇華型プリンターP400にプリントアウトして比べてみた。
トーンや色、彩度が同じになるようにフォトショップで調整する。全体的には限りなく両者は近づいたが、ポジのほうが青空の影響をうけてシャドー部やハイライトに青みがかかっている。
その色だけを消そうとすると空に影響がでてしまう。対してデジタルは白は白、青は青と、色かぶりがとても少ない。パッと見た感じはデジタルのほうがよく見える。おまけにポジをスキャンしたものより手をかけずに出来上がる。
続いてローライで撮ったポジを読み込んでプリント。出来上がりを印刷物になったものと同じように仕上げてみる。こちらはほぼ同じトーンになった。細部を比べても印刷と遜色がない。このままプリント原稿としても通用する。
今日は半日こんなことをして遊んでいた。午後カナダに行っていた元アシSがプリントにくる。カナダに住んでいたはずなのに聞いた話はメキシコのことばかりだった気がする。