24日追加、「大山行男、富士山」について

24日に書いた大山行男写真展「富士山」の話しだが、舌足らずのため誤解をまねいているかもしれないので加筆しておくと、

「絵のようにきれい。写真に対する表現としては間違っていると思うが…」というくだりは、大山氏の写真が絵のようだと言っているのではなく、インクジェットで出力されたプリントの質感が絵のようだった、と言いたかったのだ。

大山さんの写真は、以前大規模な写真展を見て感動した覚えがある。フィルターを使うことなく写真に出ている色はすべて自然がもたらしたもの、と聞くにおよび、写真の後ろ側に隠された膨大な時間を感じずにはいられなかった。

今回の写真展ではインクジェットプリントへの先入観がもたらす偏見かもしれないが、その時に感じたアウラのようなものが感じられなかったのだ。どこかに「色補正」という頭があったためかもしれない。

エプサイトは意欲的にギャラリーを運営していると思うし、実際よく足を運ぶ。ただインクジェットとの相性の問題なのか、見た後になにかわだかまりが残る場合がある。それは写真自体がもたらすというより、プリントの質感の問題なのだと思う。

エプサイトで心から面白いと感じるのは、撮影がデジタルで、デジタルで出力することを前提に制作されたものが圧倒的に多い。

フィルムやプリントからスキャナーで読み込んで出力しました、というものは違和感がただよう。偏見だと思うし、慣れの問題なのかもしれない。でもやはり行く度に感じてしまうのだ。

インクジェットプリンターへの否定かというとそうではない。新しいプリントメディアとして使っていきたいし、新発売のA2まで伸ばせる顔料プリンターは本気で欲しいと考えている。

なんでもかんでもバライタモノクロが最高!ということはまったくないし、インクジェットプリンターがあればそれ1台でなんでもできる、とも思わない。使えるものはなんでも試してみたいというのが本当のところだ。