テレビでは箱根の大雪を映している

朝6時起きして新島に向かうために調布飛行場へ。カウンターが何やらざわついている。

「本日天候不良のため欠航する場合がございます。しばらくお待ちください」。

この時期、島から離れる子供達のことを「島立ち」というそうだ。新島に住む友人から島には写真館がないから家族写真を撮る写真屋さんをやって欲しいとリクエストがあった。

新島には行ってみたかったので、よろこんで引き受けることにした。いつものようにカメラを何にするかでなやむ。

仕事なのだから順当にはEOSD3とソニーα7なのだろうが、新鮮味にかける。せっかくの島なのだから。

とくに5D3にズームは重いよなあ。ストロボを使う場合はEOSのほうがミラーレス機よりも使いやすいが、今回は大きなストロボを持ち込まないし。なんかないかな。

一度使ってみていい感じだった富士フィルムX-T2を、何かきっかけがあれば買ってしまおうかと思っていたら、先月新型のX-H1が出た。http://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/x/fujifilm_x_h1/specifications/

ボディ内手ぶれ補正内蔵なんだそうだ。でもセンサーとかエンジンに変わりはないから写りは変わらないはず。さわってみた人に聞いたら「意外と重いよ」。

となるとやっぱりX-T2のほうがいいかと思っていたらX-T20という手がありますよと友人が教えてくれた。これもX-T2とセンサーやエンジンが同じものなんだそうだ。知らなかった。大きな違いといえばカードがシングルスロットで、フィルムシュミレーションが少ないくらい。

X-T2とX-T20の両方持っている彼は、使うのはX-T20ばかりだといっていた。さわらせてもらうと本当に軽くて小さい。すぐにも買おうかと思っていたら、とりあえず一回使ってみたらとズーム付きのX-T20を貸してくれた。

さあこれで機材はX-T20とα7に決定。X-T20にはズームレンズ。α7には50ミリと85ミリの単焦点。いい感じの組み合わせだ。

なのに、結局本日天候不良のため新島行きは欠航。島は荒れているらしい。明日はいい天気になりそうなんだが。

残念ながらX-T20の出番なし。来週は香港だからそのときかな。

新島にはもっと暖かくなったらだな。

 

 

 

 

H1期、土曜日と日曜日で各1名募集中

220枚では暗室の壁が埋まらないので追加で300枚プリント。これでいい感じになるはずだ。

エコタンクプリンターは普通紙500枚を刷ったところでYMC各色のインクが同時に切れた。不思議とブラックはまだ3分の2くらい残っている。

ヨドバシカメラに補充インクを注文。70ml入っていて1本1180円だからかなり安い。ざっと計算すると、インク代がA4普通紙1枚あたり7円くらいで、紙代は1枚1円だから、トータル8円。

機種代は高いが、今回のようにたくさんプリントするにはもってこいだ。

今回500枚プリントしてかかった実費は4000円。壁に貼り付ける両面テープが10本で1000円。しめて5000円。

5000円で部屋中をプリントで埋め尽くすことができるのは面白い。土曜日のさよならパーティーに来た人たちに貼ってもらう。わずか数時間の写真展。

写真展だからタイトルを考えないとな。

 

H1期、土曜日、日曜日とも1名募集中です

残っていた私物も持ち帰り、本格的にすっからかんになった2B。

暗室にエコタンクプリンターで刷った220枚のプリントを壁一面に貼ってみた。

15年前からその時々に撮られた2Bの部屋の中や、グループ展パーティーの様子、誰かが撮ってくれた僕のポートレート。

いまより15歳若い僕がいる。頭は白いが肌がきれいだ(笑)一枚だけ黒髪の写真がある。2010年に文化庁の新人アーティスト海外派遣制度の最終面接を受けたときだ。

「新人のための」と募集要綱にあるから髪の毛が白いのはマイナスだろうと染めたのだった。その時は本気で、できることは全部やとうとと思っていた。結果落選だったけど。

壁に貼られた写真を見ながら15年を振り返ってみると、なんとも幸運だった時代だと思えてくる。

まだ壁には隙間がある。インスタレーションの基本は壁を埋めることにあるので、あと二百枚ほどプリントして貼ってみようと思う。

今週土曜日の午後からさよならパーティーだ。

木村伊兵衛賞が発表されると、もう春なんだなあと思う

今年の木村伊兵衛賞が発表された。小松浩子さんと、藤岡亜弥さん。

先月発表されたノミネート6名が全員女性だったのは驚いた。もっとも注目が集まる賞だ、誰が取るかは写真好きの格好の話題になる。

小松さんは写真を使ったインスタレーション作家であり、写真家というよりもアーティストと言ったほうがしっくりする。

最新号の雑誌IMAでもインスタレーションが第一特集になっている。海外の大きな展示で、壁に額にいれてある写真が行儀よく並ぶようなことはもうないと言っていい。平面である写真は飛び出し、吊るされ、揺れ、音を立て、見ているものを誘引していく。

アーティストはインストールレーターと呼ばれる専門家とチームを組んで会場作りをしていくのも当たり前のようになってきた。

小松さんは、写真の進んでいる方向性を捕まえていることが評価されたのだろう。

藤岡さんは今年、林忠彦賞も受賞していてダブル受賞になる。ひとつ取ったからという忖度はなかったようだ。

彼女のことはずっと注目していて「彼女は天才」といい続けてきた。見る目があったね(笑)。

この日記にも再三書いていて、数えてみたら10本あった。http://satorw.hatenadiary.com/search?q=藤岡亜弥

今回の『川はゆく』(赤々舎)は言葉の外側を行っている。これは相当に大きなことだ。

Hの部屋に藤岡さんの「さよならを教えて」プリントを、一番見えるところに昨日飾ったばかりだった。好きな作家が賞を取ってくれて本当によかった。

H1募集中 気になることがあればお問い合わせください

どうも性格的に凝り性のようで、土曜日に始めたウクレレは毎日3時間くらいやってしまって「いいかげんにしなさい」と妻におこられる。

コードは覚えられてもリズム感だけはどうしようもないね。どこまで続けられるのやら。英語と一緒で10年計画ということで。

2Bの引越しは残置物の処理を16500円で業者にお願いして、すべて持っていってもらった。これでほんとうにすっからかんになった。

暗室は思ったよりも汚れていた。ホコリもたまっているし、床は現像液がこぼれたところが変色していた。机や棚の金属部分はサビが浮き出していて、もう限界なんじゃないかとも思えた。

自己都合で引越していたら大変だったろうな。

エプソンのエコタンクプリンターが届いた。A4タイプ。アプリから簡単に印刷ができるから、ためしにiPadの写真を普通紙にプリントしてみた。

これが良かった。印刷スピードはA4フルで転送に10秒、印刷が10秒と思ったより早い。十分見るにたえるクオリティ。

エコタンクならインク代を気にしなくていいから、普通紙にプリントすればコストがほとんどかからないことになる。

これを利用して2Bさよならパーティーのときに、今までの2Bで撮った写真をプリントして壁に貼ってみようと思いついた。

普通紙だから後片付けもかんたん。普通紙ブーム到来である。

H1期募集中です

週末、2Bの暗室用品をガレージセールで処分した。よくもまあこんなにという量。

7台の引き伸ばし機、2台の自動現像機、バット、ビーカー、現像タンク、リール、タイマー、四つ羽のイーゼル、、、特注の大型塩ビの流しも持っていってもらった。

ほぼ全てなくなった。すっからかん。自分用に引き伸ばしルーペ、ローデンストックのレンズ2本、鉗子型のピンセットだけ残した。これさえあればどこでもプリントはできる。

残置物があと少し残っているが、今週中には全部なくなるだろう。意外と楽に引っ越せたな。

週末はもうひとつイベントが。友人がウクレレを教えにやってきた。ずっとやってみたかったのだ。

ウクレレは小さいし、音も大きくないからとっつきやすい。弦が4本しかないから、なんとかなりそうな気もする。

中学生の頃にギターに一時はまっていたことがあったから、コードとか、カッティングとかは理解できる。

友人はハワイに行ったのをきっかけに、まったくの初心者から夫婦でウクレレを始めたそうだ。数年でこんなに弾けるの?というくらいの腕前に驚いた。デュオでの演奏というのがいい。

まずl4つのコード、C F G7 Amを教えてもらってやってみたら結構できる。曲に合わせてジャカジャカやるだけで気分がいい。

ウクレレいいかもしんない。友人が帰ったあと早速yutubeで検索してみたらレッスンビデオがたくさんでてきた。

今年やることがひとつ増えたな。

 

 

H1期募集中

2Bが終わってHへ。

2Bをはじめた時を思い出すな。当時まったくの無名だったにもかかわらず始めようとしたのだから無謀だ。ひとりでもやる、とアシスタントには言っていたけれど、内心ではそのひとりさえ集まるかどうかと思っていた。

そもそもなんでワークショップをやろうとしたのだろうか?人が集まって写真の話ができたらいいなあという程度だ。

今でも1期と2期の人たちには感謝している。彼らが楽しそうにしているのを見ていて、僕もワークショップをやるのが楽しくなっていった。手探りでカリキュラムを作っていって、気がついたら14年と9カ月。

Hも手探りではじまる。昨日はエプサイトに行ってHで使うプリンターの相談。暗室は無くなってもプリントが必要なことに変わりはない。

僕は10年以上前のPX7500とPX5500をいまだに使い続けている。PX5500は2台用意してフォトブラックとマットブラックを分けて使っている。

なぜかPX5500が最新機種よりモノクロに合うのだ。もうメンテナンスも終了しているにも関わらず探しているモノクロ好きも多い。

PX7500もこれまでまったく故障していない。十分なクオリティでプリントできる。業務用というのは大したものだ。

新しくするとしたらエコタンク機がいいように思う。A4機を2台用意するのがベストかな。A3ノビまでできてボディが小さなEP50Vもよかった。
https://www.epson.jp/products/pro/special/v-edition/

初期投資額は高いがミニラボで使っているものも、長く使うことを考えると良さそうな気がするし。

課題を整理しようと思いつつ、妄想はふくらむばかりだ。

ワークショップH1期募集

写真のワークショップH「エイチ」1期の募集開始

江古田で14年間続けてきた「ワークショップ2B」は、H(エイチ)と名前を変え2018年4月から新しくスタートすることになりました。場所も阿佐ヶ谷に変わります。
2Bでは暗室ワークを中心にしたプログラムでしたが、エイチではこれまで培ってきたことをベースに新しいことをはじめます。

エイチでは、経験未経験を問いません。はじめての方でも大丈夫です。フィルムカメラを使ってみたい、展示をしてみたい、写真のことをもっと知りたい、あたらしいことを始めてみたいなど、どんなかたでも参加できます。

エイチ1期の募集要項

*本講座は土曜と日曜のともに午前10時から13時までの時間帯です。内容は同じなので、ご都合のいい曜日を選択してご参加いただけます。
*撮影実習では、お手持ちのデジタルカメラまたはフィルムカメラの好きなほうを使用できます。フィルムカメラを持っていないけど使ってみたいという方には、無料の貸出機(ハッセルブラッド、ローライフレックス、ライカなど)があります。

<申し込み先>
★正式な申し込みをいただいたあと、H(エイチ)の所在地や地図を添付にてお送りします。
 申し込みアドレス workshop2b10th@yahoo.co.jp  
「ワークショップH1期申し込み」とご明記ください。

<日程とカリキュラム概要> 土曜・日曜共通・どちらかを選択

1回目 4月7日(土)/8日(日) 座学:参加者が持参された写真を見ながら。
2回目 4月14日(土)/15日(日)  撮影実習 :「町撮影 高円寺周辺」  
3回目 4月21日(土)/22日(日) 撮影実習 :「小物撮影 ものの形」
☆ 4月28日(土)/29日(日)/5月6日(日)
 GW期間のため自由参加で特別講座を実施予定 
4回目  5月12日(土)/13日(日) 撮影実習 :「フォーマットと構図 高円寺周辺」
☆5月19日(土)/20日(日) 渡部の仕事の都合により講座はお休み
5回目 5月26日(土)/27日(日)  座学 :ざっくり写真史
6回目 6月2日(土)/3日(日)  撮影実習 :「ポートレート」新宿中央公園
7回目 6月9日(土)/10日(日)  撮影実習 : 「浅草寺」
8回目 6月16日(土)/17日(日)  プリント実習 : デジタル1
9回目 6月23日(土)/24日(日)  プリント実習 : デジタル2 額装まで
10回目 6月30日(土)/7月1日(日) セレクト実習 : 写真の選び方
11回目 7月7日(土)/8日(日)  作家のオリジナルプリントを見る 写真のマーケットについて 
12回目   7月14日(土)/15日(日) 現在の写真の流れについて

<申し込み要項>
①/住所 ②/氏名 ③/連絡先 ④/所有しているカメラ ⑤/簡単な写真歴
⑦/希望の曜日
*土曜日と日曜日の2つのコースがありますが、いずれも内容は同じです。
 ご希望の曜日をお選びください。
@申し込まれた講座日(日時)で、都合がつかない回があれば、曜日(土、  
 日曜日での)を振り替えることが可能です。

<講座料>
1回につき5400円(消費税込)。お支払は受講当日ごとになります。フィルムカメラを使用の場合はフィルムの購入や現像代は別途となります。

<時間帯>
●土曜日、日曜日
午前10時~13時
@講座がスタートしてからは、曜日の振替えが可能です。
*なお、渡部の仕事の都合により休みとなった際には、講座日程が長引くことがあります。随時お知らせしますので、あらかじめご了解ください。

<場所>
中央線「阿佐ヶ谷」駅もしくは丸ノ内線「新高円寺」駅より共に徒歩10分弱。
お申し込み完了時に住所等をお送りします。


<初回に必要なもの>
*1回目には、カメラは使用しませんが、持参できる方はお持ちください。
*これまでに撮った写真(モノクロ、カラー、サイズ等は一切問いませんので)を初回の講座で見せていただきたいので、ご持参ください。パソコンご持参の方、またはiPhone、iPadの場合はデータのみでもかまいません。

<カメラについて>
* 絞りとシャッタースピードをそれぞれ単独に変えられるデジタルカメラ、 
もしくはフィルムカメラを使用します。
*フィルムカメラを使ってみたい方には、無料の貸出があります。
*カメラを購入したい方は講座中いつでもアドバスをいたしますので、お申 し出ください。

 

 

 

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引っ越し完了 打ち上げはラムしゃぶ

朝8時、引っ越し業者が来る前に暗室の窓を覆っていた暗幕を取り外してみた。

朝日の中にもうもうとホコリが舞う。震災の影響でゆがんだのだろうか、それとも長年開け閉めしていなかったせいなのか窓が開かない。

暗室を新しくしたのが2006年だから12年ぶりに暗室に日の光が射し込んだことになる。この部屋の窓はけっこう大きくてもともと明るい部屋だったことを思い出した。

業者がやってくると、あっという間に積み込んで、あっという間に出発した。感傷にひたる間もなく、そのあとに続いて阿佐ヶ谷に向かった。

2階の部屋をワークショップに使おうと思っていたので、荷物は全部上げてもらわなくてはならない。大きな本棚や2メートルを越す大テーブル、A1まで伸ばせるプリンターとか狭い階段でどうするんだろうと思っていた。

窓を外して吊って入れるんだね。プロの技。ロープだけで、どこにもぶつけずに引き上げる。こちらがお茶を飲んでいるうちに1時間くらいで完了。12畳くらいの部屋はダンボールで埋まっていた。

その後は若い衆ふたりが手伝ってくれて、夕方前にはきれいに片付いた。1週間はかかるんじゃないかと心配していたのだが、レイアウトもぴたりと収まっていい感じだ。

暗室はいろいろ考えた結果、個人用も作らないことにした。かといって完全にデジタルに移行するつもりはまったくないし、フィルムと印画紙が基本であることは変わりはない。

40年続けてきたので、もうどこでも大丈夫だという自信はある。

 

実は2階の部屋は娘が使っていたのだが、ひとり暮らしがしたい娘と、スペースが必要な僕との利害が一致。退去費として新家賃6カ月分で引っ越しとあいなったのだ。

これで4月からの新体制ができた。

ワークショップHの募集をのちほどおこないます。阿佐ヶ谷で新しいことはじめます。

明日はいよいよ引っ越しだ

2Bの近くのオリジン弁当がうまい。

オリジン弁当って店によって味のクオリティが違うのね。高円寺はそうでもないけど江古田はおいしい気がする。

10年くらい前に伝説の(勝手につけたんだけど)お兄ちゃんが厨房にいて、彼が作る揚げ物は絶品だった。とりわけカキフライの揚がり具合が絶妙で「これがお弁当で食べられるなんて」などど安いドラマのようなことをアシスタントと言い合っていた。

お兄ちゃんがいなくなって全盛期よりは衰えたものの、まだまだ十分なおいしさだ。今日も引っ越しの荷造りの間に「幕の内サバ弁当」と豚汁を食べた。

最近、といっても数日前からちょっとだけ節制していて、夜ご飯を減らしている。冬の間好きなものを好きなだけ食べていたので、春に向けて調整の時期にはいったのだ。

夕食が少なめだから、お腹がすいて目がさめる。ヨーグルトとリンゴ、それと軽く朝ごはんを食べるだけなので、お昼にはまたお腹がすく。

そうなると何を食べてもうまい。白米なんか食べると口の中がジンとシビれるくらいだ。

あれ、そういえば昨日もサバ味噌定食だったな。

さてこれから業者とお手伝いに来てもらって梱包作業だ。ひるやすみはこれで終了。

 

鯖味噌定食あったかい蕎麦つき

昨日暗室を片付けていて、ちょっとだけしんみりとなった。

しんみり、ってすごい言葉だな。

23年でいったいどのくらいのプリントがここで作られたんだろうね。ワークショップのグループ展用だけでもすごい量だ。毎週毎週少なくとも100枚はプリントされ続けていたわけで、ワークショップが14年と9カ月で681週。週100枚で6万8千100枚。23年分の自分のプリントと合わせると軽く7万枚はいくだろう。積み上げたらかなりの量だ。

2Bといえば暗室。その暗室がなくなるのだから2Bという名前を使うのはやめにした。

近頃はプリントする人が少ないんだそうだ。A3に伸ばすのが流行った時期もあるが、結局じゃまになるのがわかってしまった。家族の写真を大きく伸ばして飾る習慣が日本にはないし。

大きくて重いプリンターはもういらないと2Bの人たちがよく言っている。プリンター購入のさいに彼らから受ける相談で一番多いのは「小さくてモノクロに向いているプリンターはなんですか?」

A4機でモノクロがうまく出る機種は残念ながら見当たらない。良いプリンターほど大きい。

「ライカモノクローム」というモノクロ専用デジタルカメラがあるように、プリンターにもモノクロ専用機が出ないだろうかとずっと思っている。多少大きくてもいい。

これって必ず一定需要があると思うんだが。インクタンクを他社製品に取り替えるピエゾグラフィーの話は以前書いたが、一旦他社製インクを使うと、壊れてもメーカーの修理を受けることができなくなる。メーカーが作り、サポートがあるモノクロ専用機というものが欲しい。

インクとドライバーさえ用意すれば、本体は流用できるわけだし、なんとかならないもんだろうかね。

ライカモノクロームが発売されたときのように世界中のモノクロファンが泣いて喜ぶよな。

 

 

 

引っ越しまであと3日

しばらくおさまっていたかのように思えた花粉症がふたたびやってきた。

家では空気清浄機がなくては頭がボーっとするし目がかゆい。でもなぜか2Bでは症状がほとんどでない。

今日は2Bとして稼働する最後の日。暗室作業をする人が出入りしている。そして水曜日には引っ越しだ。

まだここがなくなってしまうという実感はない。いつもどおりに暗室をセットして隣の部屋でやってきた人とお茶を飲んでいる。ここはいつでも誰でも何の用事がなくとも来ていいようにしていた。2B以外の人も外国人もやってきてはカメラと写真の話をする。

20年くらいあとに「昔さあ江古田っていう町にそういう場所があったんだよ」と言ってもらえたらうれしいね。

夜はお向かいの三東餃子だ。一時期は毎週のように行っていた。「俺の体の7分の1は餃子でできている」と言っていたくらいだ。

カーテンがわりに窓に貼ったトレーシングペーパー越しに春の光が差し込んで、白い壁にグラデーションを作っている。ポートレートを撮るには最高の光だ。

2Bは良い光が入ってくる場所だった。