木村伊兵衛賞が発表されると、もう春なんだなあと思う

今年の木村伊兵衛賞が発表された。小松浩子さんと、藤岡亜弥さん。

先月発表されたノミネート6名が全員女性だったのは驚いた。もっとも注目が集まる賞だ、誰が取るかは写真好きの格好の話題になる。

小松さんは写真を使ったインスタレーション作家であり、写真家というよりもアーティストと言ったほうがしっくりする。

最新号の雑誌IMAでもインスタレーションが第一特集になっている。海外の大きな展示で、壁に額にいれてある写真が行儀よく並ぶようなことはもうないと言っていい。平面である写真は飛び出し、吊るされ、揺れ、音を立て、見ているものを誘引していく。

アーティストはインストールレーターと呼ばれる専門家とチームを組んで会場作りをしていくのも当たり前のようになってきた。

小松さんは、写真の進んでいる方向性を捕まえていることが評価されたのだろう。

藤岡さんは今年、林忠彦賞も受賞していてダブル受賞になる。ひとつ取ったからという忖度はなかったようだ。

彼女のことはずっと注目していて「彼女は天才」といい続けてきた。見る目があったね(笑)。

この日記にも再三書いていて、数えてみたら10本あった。http://satorw.hatenadiary.com/search?q=藤岡亜弥

今回の『川はゆく』(赤々舎)は言葉の外側を行っている。これは相当に大きなことだ。

Hの部屋に藤岡さんの「さよならを教えて」プリントを、一番見えるところに昨日飾ったばかりだった。好きな作家が賞を取ってくれて本当によかった。