水を撮る

朝=トマトスープ、チーズとウィンナーのマフィン焼き/夜=なかよしの餃子

10月10日(火)から、渋谷のルデコで年に一度、僕主宰のグループ展があって、最近はそっちの方で忙しくなってきた。地下、4階、5階、6階の4フロアを使って展示で、毎年のイベントとして20年間続けている。今回は地下が「モノクロ縛り枠」で6階が「フォヴィオン枠」。このフォヴィオン枠は、出展者がシグマのフォヴィオンセンサーを使った写真を展示する。使いづらいカメラで写真を撮る意味は何かというと「もしかしたらすごいのが撮れちゃうかも」という宝くじみたいなカメラだから、毎年すごく面白い作品が揃うこと。

展示ではいつも、自由作品の他に「共通課題」を設けているのだけど、今年は「水」になった。なんとなくイメージは湧くのだが、実際にどういうシチュエーションで撮るかというと難しい。大きなバケツか、バットに水を入れて取ろうかと思ったが、部屋はすでに配信スタジオ。足の踏み場もない。水は平面でなおかつ不定形だから撮りづらい。であれば固めてしまえばいいと考えた。氷の塊なら立体的だし光の反射がフォヴィオン向きだろう。でかいが欲しかったが、氷柱はそうそうコンビニでは売っていなかった。業務用スーパーに行けばあるのかなと思っていたが、妻がAmazonで検索したらちゃんと売っていた。クール宅急便で運んでくれるのだ。すぐに30センチ角はある中ぶりの氷柱を3本注文してみた。まさか氷がネットで買えるとは。小売店がなくなるわけだ。

さて、今回の氷を撮るアイディアはバッチリ決まった。dpメリルで撮ったものをプリントすると、「俺って天才!」が久しぶりに発動した。これはちょっと自慢したいので、来月ルデコでお待ちしています。ぜひ見にきてください。

<2021年9月21日の日記から>

昼間は、高円寺でご飯を食べて、そのあとプラプラ写真を撮りながら帰宅。夕方からは、東中野のポレポレへ、知り合いの映像作品を見に行った。いろいろ書こうと思ってたけど、夜にちょっといいワインを飲んだら全部忘れてしまった(笑)。そんな日。 

<2015年9月21日の日記から>

ジムに通い始めて早6か月、体重は66キロ台から63キロ台まで落ちた。これは26歳の時と同じだが、筋肉量は大きく違う。54歳ともなると体力というか基礎的なものの衰えを感じざるをえない。近頃同世代の友人に会うと血圧の話になる。ついにそういうお年頃になったかと思うとシミジミする。ジムに血圧計が置いてあるのでたまに測ってみるが、110-65くらいなので、これは問題なさそうだ。そして血圧とともに語られるのが「五十肩」。誰でも一度は経験すると脅かされていたが自分には関係ないと思っていた。しかし、ついにその日はやってきた。2ヶ月前くらいから右肩に違和感を感じていた。トレーニング中ある動作の時にピリッとくることがある。気のせいにしようと思っていたが、右肩に決定的な痛みが走った。それは引き伸ばし機のピントを合わせているときに起こった。暗室経験のあるかたなら分かると思うが、ピントルーペを覗いた姿勢で右手を引き伸ばし機上部のピントダイアルにのばすと窮屈な姿勢になる。上体を折って下に向け、手を上にまっすぐ伸ばす感じだ。大四つ切りサイズにプリントしようとすると、引き伸ばし機のヘッドが上がり、ますます窮屈になる。ピントルーペに顔を寄せピントダイアルに手を伸ばした瞬間、ビリッときた。あうう、と顔が歪む。ついにきた、五十肩だ。まさにその時、ラジオではピエール瀧が五十肩について語っていた。「それは焼けた火箸を突っ込まれた痛さ」。なんて恐ろしい表現なんだよ。もしかしてこれからそうなるわけ? 妻に五十肩のことを話すと「君にもようやくきたようだね。大丈夫辛いのは一年。でも右肩が治ったら必ず左肩もくるからねえイヒヒヒヒ。不思議と同時にはこないみたいよ」と両肩経験済みの彼女はにこやかに僕の五十肩デビューを祝ってくれた。適度な運動は必要ということみたいなので、シュクシュクとトレーニングを続けることになる。幸い僕の使っている引き伸ばし機には手元でピント調整できるワイヤーノブがあるから大きく手を伸ばさずにプリントできる。来年1月の展示があるからこれから暗室の日々なのだ。