真夏の「フォヴィオン会」

朝=おにぎり、卵焼き、味噌汁/おやつ=焼きそばパン/夜=胡瓜と茗荷の胡麻和え、味噌豚焼き、蓮根と南瓜のスパイス炒め、冷麺

朝から土田ヒロミさんのインタビュー動画の編集。割とサクサクとテロップ入れまで出来た。あとは資料としての写真を集めてインサートすれば完成。

ひと段落したところで「フォヴィオン会」に顔を出す。シグマフォヴィオンセンサー縛りのグループ展を毎年ルデコでやっている。すでに現行機種は生産中止なのだが、皆の愛は深い。先日、新型フォヴィオンセンサーの試作機が、2022年の暮れまでにできるというニュースがあり「フォヴィオン会」に希望が灯った。ちなみにこの会は、僕主宰のワークショップ2B &Hの有志によるもので一般募集はしていません。今回は地域センターの集会室を使って10数人が今年撮ったものを見せ合った。なぜフォヴィオンセンサーにこだわるかといえば、それは描写がすごいから。毎年展示をするたびに、見に来た人たちから驚かれる。メタリックなものや、植物などを撮るとどんな高画素のセンサーでも出せない写り方をする。ただし手ぶれはするし、AFは遅いし、感度は400でも怪しいし、全くもって一般的ではない。楽しみで写真に接するなら、こんなに面白いカメラはないと思う。僕もグループ展のために年に一度だけシグマのdpクワトロを持ち出すことにしている。

 

<2021年8月12日の日記から>から

キッチンの蛇口が古くなっているので業者に見積もってもらったら6万円プラス税。しかも下の方も変えたほうがいいと言われ、それが25000円プラス税。トータル10万円近くすると言われて萎えた。友人に相談し、交換できないか見てもらうことにした。

昼からアニメ。「東のエデン」の続編。そして「うる星やつら2ビューティフルドリーマー」「映像研には手を出すな」2話目。押井守の「スカイ・クロラ」を見た時に何か引っかかるものがあって「うる星やつら2  ビューティフルドリーマー」をAmazonの配信で数十年ぶりに見直した。学生時代、大森一樹監督「すかんぴんウォーク」を見に行った時の併映が「うる星やつら2」だった気がする。あの頃大森一樹は自主映画出身のヒーローだった。「うる星やつら2  ビューティフルドリーマー」は、学園祭前夜を永遠にループしているという設定で、これは「スカイ・クロラ」にも通じるところがあると思ったのだ。評価の高い映画だったとは聞いていたが、30年経ってあらためて見ると、あの時拾えなかったものが見えてくる。「うる星やつら」のキャラクターを借りて、別物が出来上がっている。よくこんな企画が通ったものだ。これは押井守という監督の原点が隠されている映画なんじゃないかと思う。今見ても面白い。

 

<2008年8月12日の日記から>

 安井仲治という、大正時代に現代で通用するような作品を作っていた写真家がいる。森山大道が彼にささげるオマージュ「仲治への旅」という写真集があるほどの存在だ。数年前に回顧展で初めて全容を見たのだが、とても面白かった。写真のほとんどを空襲で失ったそうだが、わずかに残った写真のそのバリエーションの多さに驚いた。彼はプロの写真家ではなく「旦那芸」を極めた人だ。純粋に写真に取り組むにはそのほうが都合がいい。その彼が残した『写真家四十八宜』というのが今でも頷けて面白い。あるブログで前文を引用していた。

 “な”は「夏の暗室出た時よろし」とある。

 クーラーなどない時代、汗だくでプリントしていた様子が実感できる。学生時代を思い出してしまった。写真家の白岡順が新しく写真のスペースをオープンした。名前は「カロタイプ」。写真史に登場する印画技法のことで「紙ネガ」のことを指す。由来はギリシャ語の「美しい」からきているそうだ。レンタル暗室とワークショップを行っていくそうだ。展示のスペースもある。(残念ながら白岡さんは2016年に死去)。先々月、オープニング前に見る機会があったのだが、真新しい引き伸ばし機が並び、全紙までできる流しが設置されていた。ここで暗室を借りれば、もれなく白岡さんにレクチャーを受けることができるわけだ。パリでは白岡さんを知らない写真家はいない。「パリの写真を黒くした」という伝説が残っているほどなのだ。そこに行けば白岡さんに会えるという場所ができたということは幸せなことだ。