お土産にデジカメをいただいた

朝=鳥のそぼろ煮、納豆、白米、味噌汁/昼=おにぎり2個/夜=晩柑とチーズサラダ、とり唐揚げとブロッコリーの蒸しオイル焼き、モロヘイヤスープ、ホタルイカとトマトの玄米パスタ

普段は2食なのに、写真展が始まってから、毎日三食で、差し入れのおやつも食べてる。そしてギャラリーではトイレ以外、一歩も動かない。こころなしか、体が重い。

僕の初個展は32歳の時、銀座のコダックフォトサロンだった。たった1週間の会期だったが、初日は緊張の連続で、家に帰ったら眩暈がした。エプサイトでの展示を終えた本田光さんが冬青にやってきて「初展示の時は目眩がするよって渡部さんが言ってましたけど、あれって比喩じゃなくて本当に家に帰ったら目眩がしました」。お疲れ様、本当だったでしょ(笑)。

展示を見にきてくれた方が「お土産です」と言って10年前のコダックのコンパクトデジカメを持って来てくれた。「easy share」という機種で初めて見た。シェアと機種名にあるようにSNSに連動させることができるみたいなのだ。SNSが日本で広がるのが2011年くらいだから、時代を先取りしている。携帯のカメラの性能がまだまだで、2011年というとiPhone4sでようやく固定焦点からAFに変わった頃。コンパクトカメラが最も売れた年だ。2012年にコダックは会社再生法を申請しているから最後のデジカメになるのかな。

デジカメを発明したのはコダックで、そのデジカメの普及でフィルムが売れなくなって会社が潰れてしまった。皮肉なものだ。

その「easy share」にはカラーモードが付いていて「コダクローム」や「エクタクローム」が選べる。動画も撮れるのでコダクローム調のムービーになる。それとストロボが内蔵されていていい感じに映る。画素数は1400万画素で、ムービーはHD。これは面白そうだ。

 

<2007年5月13日の日記から>

上海。「どこか行きたい所ある?」という質問には、当然「おもしろそうなカメラ屋」とニヤリ。ホテルから歩いて10分にあった、ビルひとつが全部カメラショップという夢のような場所に連れて行ってもらう。カメラショップ、プロ機材屋、中古カメラ屋の各店がひとつのビルに集まっている。1階2階は三脚やバック、デジタルカメラといった一般向けのお店、3階4階にプロショップ、5階6階は中古カメラ屋と、階が上がるに連れて徐々にディープになる。小さいカメラ屋の集合だから同じようなものが店を変えて売っていたりする。

驚いたのが大判カメラの充実ぶりで、エイトバイテンからパノラマまで種類も品揃えも豊富なのだ。中国人は大きなカメラを使う人がまだ多いらしい。よく言えば中国オリジナル、本当はコピー商品も多く並んでいる。どうみてもジッツォの三脚としか思えないものを「オリジナルだ」と主張する。でも結構丈夫そう。値段は3分の1だ。どうやらコピー商品の値段はオリジナルの3分の1が基本のようだ。

1軒の中古屋にハッセルそっくりの使い込んだ中古カメラが置いてあった。「東風」と読める。海原さんも初めて見たと言っている。どうせキエフのようなコピー商品だろうし、値段が安かったら買ってみようかな、と店主に値段を聞いてもらった。「12万元」「エッ、」もう一度海原さんが尋ねると電卓に「120000」と数字を出した。1元が17円くらいだから2百4万円! 超レアものだったのだ。中国にはライカの完全コピー版の「紅旗」というカメラがある。報道関係者用に作られた「紅旗」は作りの良さに加えて製造台数の少なさから、今では数百万円はする。大体、市場に出ることはないので値段のつけようがないのだ。「東風」も同じようなものなのか? 「紅旗」が報道用なら「東風」はコマーシャル用か。いずれにせよありがいたいものを拝むことができた。
お土産に、中国製エイトバイテンホルダー2枚。1枚450元7,600円。「Leica」の銘が堂々と入ったアルチザンアンドアーチストそっくりの皮製ネックストラップ250元4,250円。やはり「Leica」と入った皮製ハンドストラップ2本で150元2,550円。ローライ2.8F用縮緬塗装の新品フード400元6800円。一眼レフ用のアングルファインダー350元5950円。小物がねらい目。面白い「オリジナル物」が満載だ。探せばいろいろ出てきそうだ。それと中国製大判パノラマカメラは非常にそそられる。業者になったら儲かるかな。帰りのフライト時間は、うまいこと偏西風に乗り、2時間20分で着いてしまった。それって東京から米沢までの新幹線の所要時間だ。なんだ上海、近いではないか。