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https://www.youtube.com/watch?v=jRj2_OktwYg&t=10s
2019年11月11日月曜日です。
大学時代の同級生、山下恒夫さんが銀座ソニーギャラリーで写真展『日々Ⅳ』をやっています。先週金曜日に見に行ってきました。
彼の写真展は11月21日木曜日までやっています。
https://www.sony.co.jp/united/imaging/gallery/detail/191108/
ソニーギャラリーは土日もやっているし、夜7時まで開いているのでとても行きやすい。どことはいいませんが、日曜日が休みで夕方6時で閉まってしまうギャラリーもあります。働いている人はほぼ行けません。
ソニーなのに、バライタプリント。モノクロです。彼の写真はびっくりするほど普通です。だって日々の写真だから。人生にそうそうドラマチックな瞬間なんておきません。でも見入ってしまう。
たまたま、ギャラリーで知り合いの写真家に会ったら、「どうしてですかね」と聞かれたので即答しました。「だって天才だから」。
すんごい乱暴な言い方だけど、それ以外に説明がつかない。他の人が撮ったらおそらく全然つまらない写真になるだろうし、そもそも撮らないでしょう。
秘密があるとすればプリント。おそらく現時点で、35ミリフィルムで撮られたものでもっとも優れたプリントです。たくさんあるプリントの正解の中で、ひとつの正解が出ていると思っています。
モノクロが好きな人は絶対見た方がいい。その普通さぶりに驚いてください。
そして来年2020年1月はギャラリー冬青で僕の写真展があります。ここ4年ほど毎年1月にやらせてもらっているんです。
今日はそのためのプリント。もう自分の暗室はないので、ある写真家の暗室をお借りしています。設備は完璧で、とても使いやすい。
ここが借りれることになったので、事務所を引っ越すときに引き伸ばし機8台と、自動現像機2台、引き伸ばしレンズ20本、その他イーゼルとかバットとかは、すべてきれいさっぱりワークショップの人で暗室をやっている人に譲ってしまいました。
残したのは愛用のローデンストックと、シュナイダーの引き伸ばしレンズ、それとピントルーペくらい。大全紙まで対応するカラー自動現像機も残しました。でもなかなかカラーでプリントする機会はないですね。たまにワークショップで使うくらいです。
さて、暗室に入って準備をしていると、定着液がないことに気がつきました。やる気が一蹴でなくなりかけたのですが、しかたがないので新宿ヨドバシカメラに買い出しにいくことに。
毎月かなりの商品をヨドバシカメラで買っているけど、すべてネット注文なので、お店にいくのは1年ぶりだと思う。暗室用品売り場がなくなっていたらどうしようと、ちょっと心配でした。
今やヨドバシは家電やパソコン、携帯がメインのお店だけど、名前の通り始まりはカメラの専門店。1960年に創業だそうです。
僕は61年生まれだからほぼ同い年ということか。最初は今のようなビルではなくて、ガラガラと引き戸を開けて入る小さなお店だったと聞いたことがあります。
現在、全国に23店舗あって、家電のネット通販だとAmazon についで2位なんだとか。そういえば家電量販店で初めてポイントカードを導入したのもヨドバシカメラ。株価はどうなっているんだと思ったら非上場会社。ちょっとびっくり。個人商店が大きくなった感じなのか。ちなみに社創業者は有名なライカコレクター。
もともと「ライオン」という自社ブランドの写真用品が、直販のメリットで他よりも安く、それがヒットして大きくなったのだとか。僕も学生時代によく買ってました。今の中国製品みたいに、正規品よりもちょっとクオリティは落ちるけど、値段は破格というやつでした。
以前は暗室用品だけで大きなフロがアあって、ところせましと引き伸ばし機や印画紙を売っていたけれど、今は見る影もなく縮小。カメラビルの裏側のひっそりした場所に暗室用品売り場がありました。
一応1階のワンフロアを使っていますが、品物は以前の数分の1。モノクロ印画紙はイルフォードとオリエンタルがメインでケントメアとフォマもありました。サイズはキャビネから大全紙まであります。まだまだ大丈夫そう。
引き伸ばし機はLPL社製の35ミリから67まで対応するタイプとシノゴまで伸ばせる2機種がありました。まだ売っていることにちょっと感動。でも価格は一番安いモノクロ専用機で187450円、シノゴのカラーとなると、なんと616000円! 同じタイプのものが、20年前は35万円でした。それでもあるだけ立派。
おそらくもう製造はしていないくて、在庫のみなんじゃないでしょうかね。新品を手に入れることができる最後のチャンスですよ。
周辺機器も値段が高くなっていてカイザー製の印画紙イーゼルで218210円するものもありました。以前1万7千円で売っていたLPL社製のイーゼルは37800円。安く感じます。
意外や意外、カラーの印画紙はまだ結構在庫がありました。もうカラー現像機は生産を中止して大分たつし、まともに動くのは少ないだろうに、ちょっと不思議。来年度からは日大芸術学部からもカラー暗室が消えるというから、これも残り時間わずかという感じがしますねえ。
モノクロフィルムはまだ結構種類があります。コダックの他にイルフォードとケントメア。ローライブランドもありました。値段は36枚撮りで1本1000円以上。まあしかたないです。
今一番使っているコダックのトライXブローニータイプは5本で5360円。やはり1本1000円以上。でも最近のトライXはなんだか焼きづらい気がしていて、来年から他のフィルムに変えることを検討中です。
カラーネガフィルムはコダックとフジが出していて、24枚撮りだと800円くらいだけど、36枚撮りはやっぱり1000円以上。定番のフジ400Hは1620円。
驚いたのはポジフィルムがまだあったこと。フジの他にコダックからも出ていますが、1本2000円もします。誰が使うんだろ?
エイトバイテンのフィルムも売っています。コダックのカラーネガは10枚入りで45320円! 1枚あたり4500円。現像代をふくめると1枚撮影すると7000円くらいです。これも誰が使うんだ?
お目当ての中外モノクロ定着液3本を手に入れて、帰りがけに向かいのカメラ館に寄ってみました。気になるのはやっぱりシグマの「fp」。
持った感じはがっちりしています。放熱用に開けられたベンチ部分が工業製品みたいで、なんかプロっぽい。オートフォーカスはスチールだとそこそこですが、動画だと心許ない。ソニーのようにスパッと切れるようには合わない。
もしかしたらプロ機だからマニュアルフォーカスが前提なのかも。どんな絵が撮れるのか興味あります。