「どんべい」あとのせ、サクサク天ぷらうどん

金曜日、植田正治写真展トークショーをギャラリー冬青に聞きに行った。http://www.tosei-sha.jp/gallery/ueda06.html

オリジナルプリントの展示ではなくて、コロタイプ印刷による印刷物の展示だ。

コロタイプ印刷は「凹版印刷」のことで、凸版印刷のように網点が存在しない。絵画などの美術品複製などに使われているが、写真では珍しいそうだ。今回は京都の便利堂というところが印刷をしている。http://www.benrido.co.jp/index.html

冬青で販売していた植田作品6点組みのコロタイプ印刷によるポートフォリオボックスを購入した。銀塩オリジナルとは当然違うが、印刷物としては最高のものだ。価格はボックスが6千円、専用額とマットが4千円。間違いなくいい買い物をしたという自信はある。

土曜日は北井一夫写真展に。トークショーの最後に間に合った。立ち見が出るほどの盛況。

パーティの時に北井さんに聞いてみた「ローライとか使わないのですか?」そいたら驚くべき答えが返ってきた。

「僕はねえ、いままで35ミリしか使ったことがないんだ。ローライを覗かしてもらうと左右が反対になるから分からなくなるし、シノゴのファインダーなんて逆さまだから酔っちゃう」

30年以上も写真をやっていて、仕事で撮影もして、いままで35ミリしか使ったことがない。それで今までやってこれたなんて信じられない!

今回は昔撮ったカラー写真の展示もしている。それが原版のポジが退色していていい感じなのだ。時間が作ったトーンだ。その中の落ちた椿の写真にやられて1点購入してしまった。

退色したポジはコダックのエクタクローム。当時の一番スタンダードなポジフィルムだ。「コダクロームは退色しないからダメだ。あれは使わないほうがいいよ」ということだ。

画像がはがれれ落ちるのも写真の魅力のひとつだと思えてしまった。

日曜日、月曜日と、ベテランから若い写真家までたくさんの写真家が2Bに来てくれた。座って待っているだけで写真を見ることができるなんて、これ以上いいことはない。

しばらく続いた忙しさも一段落した。明日からはプリントだ。