週末からHの2期が始まった。
ワークショップを始めて15年がたつ。
一番大変なのは何かというと間違いなく人集め。
来てもらえないと成立できない。僕ひとりでがんばりますというわけにはいかない。H2期の募集を初めて1週間、ひとりもエントリーがなかった。
ああ、もう誰も来ないかもしれない。思えば15年続いたというのも奇跡だったんだな、道半ばではあるが、需要がないのであればいたしかたない。
もともと教えて欲しいという需要があって始めたわけではなく「こうやって考えると露出計がなくとも写真を撮ることができますよ。ライカやローライだって使えるようになるから」というおせっかいから始まったのだ。
それが回数を重ねるうちに徐々に内容も変わっていき、ついに今年ビルの建て壊しにより、暗室がなくなり、4月からは、まったく新しいことを始めることにした。
Hでは写真にまつわる色々な経験をしてもらいたい。だから撮ることと考えることが同じくらいの比重になっている。
そんなこと誰も求めていないかもしれないけど、僕がやりたくてしょうがないのだ。マーケティングというものをまったく無視して募集しているのだから、人が集まるわけがないか。
でも募集後10日目くらいから、ひとり、ふたり、と応募があって驚いたことに最終的には初回お試しのかたも含めて15人も集まった。
ひとりでも、ふたりでもやるつもりではいたが、こういうものはある程度人がいた方が面白くなる。暑い中、多くのひとに来てもらえて嬉しかった。
講座が終わったあと皆で昼ごはんを食べた。そこでは今日の講義の内容についておしゃべりを続けた。
おしゃべりとは、会話を続けることが一番大事で、そのためには結論を出さないことが肝要だ。結論を出さない限り延々と会話は続けることができる。写真の話は音楽との関係性になり、経済へと移る。それがまた写真の話に戻る堂々巡りの会話。皆が馴染んでくれば僕がいなくても話すことができるようになる。
性別も職業も年齢も経験も異なった人の間で会話をすることはとても刺激的だ。
僕は写真にまつわる話をしている時が一番幸せなのだとつくづく思う。