10月25日金曜日の19:30から京橋のTIPでトークショーを行います。写真のフォーマットと構図の関係性を過去の名作と言われる写真集をもとに説明しようと思います。
http://www.phatphoto.jp/mag/pg248.html
「構図」は写真雑誌の定番メニュー。
構図というと三分割法や黄金比率を解説することが多いが、この場合お手本になることが多いのはアンリ・カルチェ・ブレッソンだ。彼の写真を分析してみると神業だと思えるくらい収まるべきところに主要な被写体が収まっている。
もし35ミリカメラを使ったスナップショットで「収まりがいい構図」を目指すならブレッソンの写真に学ぶのがいいと思う。
しかしブレッソンが活躍したのは戦前から戦後。現代の写真において定番の構図なんて果たしてあるのだろうか?
今月号のPHaT Photo誌上での構図についての座談会に出た。出席した4人のうち、誰も1枚の写真においての構図には言及しなかった。
「構図なんて気にしてないよね」と美術館のキュレーターと写真評論家が口を揃える。見る立場の人たちにとって1枚の写真の構図などなんの意味も持たないのだ。
とはいえ、撮る立場においてはそういうわけにはいかない。現実にあるものを何らかの意図で切り取らなければならない。なんでもいいとは言えない。
僕は撮影するときに、使っているカメラのフォーマットを強く意識している。
20年以上ローライを使っている。だから正方形のフォーマットということをずっと意識してきた。というより「縛られてきた」というのが正しいかもしれない。
当たり前だが35ミリ版の2:3の比率で撮るのと6x6の1:1では対象の捉え方がまったく違う。
世の中は2:3で構成されているわけでもないし、1:1なわけでもない。カメラを手にした時点で、世界をどう切り取るかはフォーマットに依存せざるを得ないのではないか。数多くの写真集を見ていくとそう感じてしまう。
フォーマットをどう扱うかが、写真を撮るもにおける構図なのではないかと思っている。