朝ソーメン、温泉卵とゴーヤスライス、茗荷。

卓球の技術本を1冊分撮影することになった。

監修が僕の大好きなプレーヤー松下浩二だったので引き受けたのだが、連続分解写真を撮るための機材なんて持ち合わせていない。

体育館の中でストロボを焚いてもせいぜい1秒間に3コマが限度。そのためストロボを使わずにタングステンの照明機材を持ち込むことにした。1キロワットの大型ライトが2灯に500ワットが3灯、それとハロゲンの850ワットと350ワット。

それで体育館を照らそうとしたのだが、いざセットしたらブレーカーが落ちた。考えをあらため天井の蛍光灯をメインにハロゲンを補助光にすることにした。ハロゲンにはフィルターをかぶせ色は蛍光灯に合わせる。

1プレーを連続写真で4〜5枚で見せる。僕の5Dでは役不足なので1DMark2を借りてきた。これなら1秒間に8.5コマ撮影できる。感度を1600にセットするとシャッタースピードは500分の1秒が切れる。

カメラからケーブルを出してテレビモニターに直接繋ぎ、背面のモニターではなく、テレビで確認をすることにした。こうすればこのプレーでよかったのかスタッフ全員で確認することができる。まるでムービーの現場のようだ。

僕の掛け声とともにシャッターが連射され、プレーヤーが動く。バリバリバリとモータードライブの音が体育館に響く。なんだかスポーツカメラマン時代を思い出して懐かしい。

1プレーで10コマ以上撮影し、やり直しを含めると総撮影枚数は正味5時間で4500カット!フィルムで撮影していたら125本、経費にしたら25万円になっていたはずだ。撮影時間も倍以上かかっていただろう。

撮影したものはすぐにパソコンに取り込んでCDに落としていく。枚数にして22枚。15ギガのデータ量になった。撮影後すぐに編集者にデータを渡し仕事が終了。

撮影というよりイベントに近い仕事だった。