ミャンマー2

ミャンマーで思い浮かべるのは「アウンサンスーチー、軍事政権、それとビルマの竪琴」それ以外を知るものはほとんどいない。しかも「ビルマの竪琴」はフィクションなのだ。彼の地で僧侶が楽器を持つことはない。

出発寸前、ミャンマーの首都が突然ヤンゴンから北約三百キロにある山間の谷間の町ピンマに遷都されたとニュースが流れた。

これには諸説があって、アメリカからの攻撃を避けるためだとか、占いで決めたとか、古文書にその村に都を作ると栄えると書かれていたからだとかと言われているが、真相は分かっていない。

分かっているのは突然の出来事で各国大使館が慌てていることと、新しい首都がまったく機能していないということだけだ。遷都はしたものの、庁舎や宿泊施設は未だに建設中で、職員は工事現場に寝泊りしている。

悲惨なのは隣国のタイで、ヤンゴンに数十億かけて新大使館を建造中なのだ。

軍事政権ならではの強行政策。議会の了承などいらにからなんでもできてしまう。

ミャンマービルマ)は1886年から英国に植民地支配される。その後第2次世界大戦時には日本軍が進出。映画「戦場にかける橋」は当時作られた泰緬鉄道が舞台になっている。

1949年にビルマ連邦共和国となるものの、1989年軍事政権となり、国名がビルマからミャンマーに変わる。

軍事政権に反対し、民主化運動を進めるアウンサンスーチー女史は、ヤンゴンの自宅に未だに軟禁されている。それに対し、日本を始めとする各国は経済制裁を発動。友好関係があるのは中国と北朝鮮ぐらいなものだ。

ミャンマービルマ族を筆頭にカレン族、シャン族、モン族、カチン族など120以上の民族が集まる小数民族集合体国家。人口は4200万人、国土は日本の約2倍の面積。タイ、ラオス、中国、インド、バングラデシュに隣接している。