土曜日の2Bお別れ会の翌日は東大で受講していたAMSEAのl修了式だった。
修了証が手渡されると区切りがついた感じになった。修了特典として今年度の講義は自由に聴講できる
赤門前の一番餃子で打ち上げ。ナスの揚げ物と黒酢酢豚がおいしい。2B前にある三東餃子と似てる気がする。
月曜日は書家の友人が2Bの壁に古代文字を書いた。まっしろな壁に墨が垂れて、それがすごくいい。
壁には僕のモノクロ写真も数枚貼っていた。そこへ僕自身が大きな筆、というよりホウキで写真の上に墨をバサーっとかけてみた。壁の上から雨だれのように墨が落ちてきてプリントにかかる。ジャクソン・ポロックの気持ちがちょっとわかるね。
白と黒で構成されている写真に墨の黒が別の構成要素が予測不可能に加わる。
それをハッセルにモノクロフィルムで撮影する。寄ったり引いたり、偶然が作る墨の形はいくらでも撮れる。
その後も部屋中に書いた。大家さん公認だったが、中を見せたら苦笑いしていた。
部屋中墨で覆いつくされた2B。先月までワークショップをやっていたなんて想像もつかない。
その日僕は57歳になった。特別感満載で忘れられない日になったな。夜更けに2Bでケーキを食べた。幸せな誕生日。これで本当に最後。もう来ることはない。
ひとつ終わって、次が始まる。今週は香港に行く。