香港ブックフェア

香港の夜。

深夜、中華料理からのスイーツ屋。いろいろ満たされた4日間。

アートブックフェアの冬青ブースは、昨年を大きく上回る過去最高の売り上げでみんな機嫌がいい。

高橋長以下フォトグラファーHAL、北桂樹、亀山仁、そして僕の4人が参加していた。冬青社が出店するのは4年連続。僕としては昨年台湾のブックフェアに参加したので香港は3回目になる。

持っていった本はすべて売れてすっきりした。自分の本を販売するのは疲れるけれど面白い。

アートバーゼル香港というアジア最大の現代アートフェアが同時期に開催している。それを見るのも香港行きの大きな目的になっている。

今世界中のトップギャラリーが何を売ろうとしているのか、どのような流れにあるのか。会場ではおお、とか、ああ、とか感嘆詞ばかり発している。

やっぱり写真作品が気になる。トーマス・ルフやシンディ・シャーマン、ロバート・メープルソープといった伝説級が並んでいる。ルフは1000万円、シャーマンは3000万円だった。

価格は公になっておらず、スタッフに聞くしかないのだが、一緒に行った高橋社長がいかにも作品を買うような感じでスラっと聞くものだから「こりゃお客さんに違いない」と丁寧に説明してくれる。奥の特別室に連れていって、ほんまもののお客様だけに見せる作品も見せてくれた。

横にいる僕は、お付きのもののように「彼は東京の有名な出版社の社長で美術品のコレクターです」と説明する。たしかに本当のことなのだが、言っていて照れてしまう。

シンディ・シャーマンの17枚組の小さな作品がすごくよくて、買ってしまいたくなる。残念ながらカードの限度額オーバー(笑)

香港には日本では想像もつかないビッグギャラリーもあって、一点数億円のものがさらっと売られている。価格を訪ねると「300万ドルです」と聞きなれない数字を言うので、思わず「いち、じゅう、ひゃく、せん、まん、じゅうまん、ひゃくまん、せんまん、いちおく」と指を折って数えてしまった。

出発直前に左ヒザが痛くなってどうなることかと思っていたが、かなり面白い旅になった。