妻のカレーにはトマトが入っている。

新宿コニカミノルタフォトプラザで木村伊兵衛賞受賞記念展をやっている。http://konicaminolta.jp/plaza/

今年も男女ふたりの受賞だった。岡田敦は知っていたが志賀理江子は受賞までまったく知らなかった。いずれも赤々舎という出版社から出ている写真集が受賞作品となっている。http://www.akaaka.com/

今この出版社から出ている写真集がいい。絶対受賞すると思っていた石川直樹も写真集『NEW DIMENSION』を赤々舎から出している。

岡田敦の展示はビッグサイズだった。カットした傷の1本1本が克明に見える。写真集で感じた嫌悪感が展示ではない。物として見れば傷は美しい。そこへ感情を入れると話はやっかいになる。だから単純に見ることにした。そのほうが自分には理解しやすい。

反対側の壁の志賀理江子の展示は「よくわからない」。これを説明できる能力は自分にはない。これは写真なのか。

でもひとつだけ理解できることがある。この写真群をを持ち込まれたは赤々舎は観念しただろう。「これは作るしかないな。赤々舎で作らねばどこが作るのだ」と。

そのくらい強い。僕が思う写真としての美しさは微塵も感じない。でも強い。抗えない魅力を感じる。

ふたりの受賞展の隣のブースではフォトプレミオ受賞作品展をやっている。

壁一枚隔てた展示はモノクロドキュメンタリーだった。綿貫淳弥「豪雪の村」
http://konicaminolta.jp/plaza/schedule/2008april/gallery_b_080419.html雪深い村を撮った写真。いったいいつの時代なんだ、とても現代の日本とは思えない。丁寧な取材を重ねたことが写真から伺える。アプローチの方法は古典的とも言えるほどの正統派。

志賀理江子の写真と綿貫淳弥の写真を同じギャラリーでやっている不思議。どちらも新人賞ということでは一緒だ。ふたつのブースを行ったり来たり。これが今の日本の写真なのだ。

ブースAでやっていた谷井隆太写真展「えきすとら」は妙に面白い。チープな色合いのデジタル色に初めは抵抗感があったが、見ているうちに作者の意図にはまってしまう。これがもっと昇華していくとドイツの新興写真につながっていくのだろう。

いずれも4月28日までやっている。