すごいことやってる

朝=ひき肉のスパイスソースのソーメン/夜=レンコンとカボチャのきんぴら、ゴーヤときゅうりと鶏肉のサラダ、豚と大根でルーロー飯、豆腐とワカメのお汁

毎年、東京都写真美術館で新進作家展をやっていて、その年の写真の動向を見るのに重要なものになっている。木村伊兵衛賞の前哨戦的なところもあり、昨年新進作家展に選ばれていた吉田志穂さんは今年の木村伊兵衛賞を受賞している。その新進作家展がヤバいという噂を、始まる前から聞いていた。すでに写真ではないと。全ての展示が「じゃない写真」らしいのだ。9月2日から始まっているので、早速行ってきた。噂は本当だった。見ていてニヤニヤがとまらない。面白すぎる。これは全写真関係者必見。東京都写真美術館は写真を捨てたのだ。すごいことやってる。キュレーターは若手だろうな。これが2022年の写真だというメッセージだ。おそらく非難殺到だろう。だって、写真じゃないんだもの。『じゃない写真』を書いた身としては「ですよね」という感じ。写真は拡張している。それを認識すための新進作家展ということだ。7日(水)の2B Channnelのライブで取り上げるつもり。

 

<2021年9月7日の日記から>

今まで頑なに日記とSNSを連動させていなかったけど、試しにしばらくの間Facebookに繋げてみることにした。2日間やった結果は、ほとんどページビューは変わらないということ(笑) 。20年間続けているけど日記をたくさんの人に見てもらうというのはなんか変な感じ。8月から過去日記も一緒に載せている。15年前のことでもかなり覚えているものなのだな。最近は午前中に映画を見ている。本日は「インターンシップ」。Google社の採用を目指したコメディ。多様性の重視がテーマ。それと、最近はまっているのがアニメ「Sonny Boy」。絵を見てあっと思ったのが「これって江口寿史の絵だ」ということ。案の定キャラクターデザインがそうだった。Amazonで8話出ているけど、徐々に面白くなっていく。設定も謎だし、状況説明もない。一話ごとに話が飛ぶ。楳図かずおの「漂流教室」みたいなものだ。哲学アニメというか不条理ものというか、時間や空間の複層性の話しなんだけど、社会制度や生きる意味とかも含まれている。でもちゃんと面白い。9月の一押し。

 

<2006年9月7日の日記から>

九段下にある東京国立近代美術館で、「所蔵作品展 近代日本の美術」と題した収蔵品展をやっている。その写真コーナーで、北井一夫さんの「村へ」のビンテージプリント26点が展示されている。ずっと見たいと思っていたが、月曜日はお休みだし、午後5時でおしまいだし、なかなか行く機会がなかった。ようやく今日撮影の帰りに寄ることができた。昨年開催された木村伊衛兵展の時に数点、別コーナーで北井さんの「村へ」が展示されていて、そのプリントの強さに驚いた覚えがある。今回は26点と、一コーナーを使っての見ごたえのあるものだった。「村へ」は、近年あらたに北井さん自身が再プリントしたニューバージョンを一通り見せてもらったが、やっぱり当時プリントされたもののほうがいい。近代美術館の常設展には、他の写真も多く展示されていた。その中で一番驚いたのがスティーグリッツが撮影したオキーフのヌードと、手が写ったものの本物が展示されていたことだ。この2点は昨年の海外オークションで、それぞれ1億円以上で落札されている。キャプションボードには「オキーフ贈」とあった。どういう経緯で収蔵されたかは知らないが、まさか今回見れるとは。特に手の写真がいい。人の肌の美しさを感じてしまう。ついでだからと見た企画展「モダン・パラダイス」は見ごたえ十分の大満足。これまた写真の展示も多い。クーデルカのプリントが1点あった。初めてオリジナルを見た。近代美術館おそるべし。見終わって出た頃にはグッタリとなった。昨日といい、今日といい、東京に住む喜びを感じてしまった。