エプソンRD-1

朝=大根おろしうどん/夜=胡瓜と人参とセロリの和風サラダ、新玉とアスパラのオイル焼き、鮭の香草焼き、白米、豆腐とトマトお汁

我が家に来る人の大半がカメラを持参する。むしろカメラを見せるために来る人も多い。これはワークショップ時代からずっと変わっていない。今日のお客さんはエプソンRD-1という懐かしいカメラを持ってきた。最近使っているんだそうだ。2004年に発売された、600万画素APS-CサイズCCDセンサー。見た目よりずっしり重くて細部も丁寧に作ってある。当時25万円くらいしたような気がする。デジタルカメラなのに、レバーを巻き上げないとシャッターが切れない。撮影枚数やバッテリー残量のインジゲーターには時計の針が使われていて、カチカチと動くのが当時話題になった。完全な趣味カメラ。ライカレンズが使えるので人気があった。僕もしばらく借りて使っていたけど、操作も写りも面白かった。

2004年から2010年にかけてデジタルカメラは年々飛躍的に進化していき、新製品が次々と出て、それらがどんどん売れていた。コンパクトデジカメも飛ぶように売れて今の10倍の販売量があった。メーカーも元気で、それに合わせて雑誌もたくさん出てきた。『旅するカメラ』が最初に出たのが2003年で、2004年、2007年、2011年と計4冊出たが、それ以降は急速に業界が冷え込んでいく。逆に言えば、僕が40歳代の頃は面白い時代だったとも言える。

RD−1で撮った画像は意外といい。むしろ好みの色になっている。レンズを選べば面白いものが撮れそうな感じだ。アポズミクロンをつけて撮ったらどうなるんだろう。変な誘惑にかられてしまう。

 

<2010年4月27日の日記から>

最近気になっているカメラはライカX1。APS-C CMOSセンサーを搭載した高性能コンパクトカメラ。コンパクトデジカメなのに20万円!実際購入するにはかなりの金銭的抵抗があるが、どんなものだか使ってみたい。だいたい買おうと思っても、現在1年待ちとうわさされるカメラだ。銀座のライカショップでしか触れることはできない。こんなときワークショップ内で声をかけると誰かが持っている。なので気になるものはほとんど触ることができる(笑)ライカX1は別段興味がなかったのだが、ある写真家に「これ欲しいんだよね」とカタログを見せられてから考えが変わった。その場にいた全員がカタログに釘付け。カタログはハバナで撮られた写真で構成されているのだが、HDRをつかったんじゃないかというくらいシャドーからハイライトにかけてのトーン。車のルーフのハイライトと空のグラデーションが出ているにもかかわらず、日陰の建物の細部も確認できる。カメラのカタログは基本的に後処理はしないことがお約束となっている。もしX1のカタログもそうなら信じられない描写をするカメラということになる。知人がメーカーに問い合わせたら「何も処理はしていません」という回答だったそうだ。それ以来、気になってしょうがなかった。実際に撮影してみた色はというと、M8に似ている。特に赤の発色に特徴が出る。日本の看板やノボリには赤色が使われることが多い。特にパチンコ店や不動産広告に顕著だ。その赤が朱色に転ぶ。色が飽和したような朱色になるのだ。これはM8でもそうだった。直そうと思っても難しい。
あらためてカタログを見るとその色は画面上に使われていない。というより海外でその手の赤が外看板に使われることはないといっていい。これは日本独特の色で、海外の赤はもっとくすんでいる。アジアにもない日本独特の赤だ。ということは、海外の人にはその色に免疫がないのかもしれない。開発は日本の技術者だそうだが、ライカの色の考えにのっとっているのかな。モノクロモードにすると、かなり力を発揮するのはM8と同じ。コンパクトカメラでモノクロをやりたいのならおすすめ。日々の記録的なスナップにはどうかなといった印象。僕がデジタルカメラで好きなところは新製品が出ること(笑)これで何ができるのかを想像するのだ。