2BChannnel新企画を準備中

朝=おにぎり、茹で卵/昼 ポーク豆カレー、玄米、とうもろこしと枝豆のダシ/夜=赤イカ刺身、いろいろ

今日も打ち合わせで昼にお客様。カレー好きな45歳。カメラ好きなのでハッセルX2Dを見せびらかす。自分のじゃないけど。なんでもそうだけど、触っているうちに落ち着いてくる。現物を見るまでは鼻息が荒かったけど(笑)。打ち合わせは新しい2BChannnelの企画のことで、半年くらいかけてやってみようということになった。そこで僕ひとりではどうしようもないので、若い方(20歳台)で2B Channnelを手伝ってもらえる方を探すことにした。とはいえ、プロにお支払いする余裕もないので、インターンシップのようなものだと思ってください。しかしタダ働きではないです。些少ですがお支払いします。twitter @2BChannel2019 までお願いします(面談あり)。

夜は火曜日だけどライブ配信。水曜日にX2Dを返却しなくてはならないので、その前に、配信で見せてたかったから。カメラの話はいくらでもできる。しかも楽しい。いい仕事だ。

 

<2021年9月14日の日記から> 

数ヶ月に一度、ライカM9が使いたくなる。普段は50ミリが多いのだが久しぶりにエルマリート28ミリを付けて撮ってみる。CCDセンサーのパワーは健在。光がたっぷりある日はM9だな。午前中は学生とZOOM。今やっている作品作りで迷ってるようだったが、側から見れば蛇行しながらもちゃんと前に進んでいる。今日は「ズレ」について話した。ズレの要素をどのように取り込むのか、なぜズレが必要なのか。ズレるためには何か元ネタの必要があるよ。午後は久しぶりに吉祥寺の「book obscura」へ。写真集専門店で、いつも店主から面白い話が聞ける。今回はステファン・ショアの写真集を探しに行った。先日「2Bchannel」でクーデルカをやったので、今度はカラーをやってみようと思ったのでショア。ショアの代表作「Uncommon Places」は持っているはずなのにどうしても見つからない。もう一度買うのもなんだかすっきりしない。でもさすが「book obscura」、ショアが「Uncommon Places」を撮影している時に、同時にライカで撮ったものを集めた写真集があった。「Uncommon Places」は大型カメラの8x10で撮られているが、今回購入した「THE TRANSPARENCIES」は35ミリで撮られている。8x10のカメラを構える前に、ライカでロケハンみたいなことをしていたんだろう。これがかなり面白い。「2BChannnel」のネタにぴったりな本が見つかった。吉祥寺から中央線で中野まで出てフジヤカメラへ。2階のスタジオ用品コーナで細いポールとクランプ購入。M9は今いくらくらいするかと思ってライカコーナを見てみたら、M9はなくてMモノクロームが2台58万円で出ていた。驚いたことにフィルムライカが20万円以上している。一時10万円を切っていたのに。不思議なフィルムカメラブームだ。帰りにジャンク館を冷やかしたら、先月ここで買った4000円のオリンパスOM1用ズームレンズ、ズイコー75-150ミリF5が1500円で売っていた。レンズに曇りもなくて程度は上々。懐かしいなあ、これ高校生の時に持ってたやつだ。45年ぶりの再会になる。いいもん見つけた。

 

<2007年9月4日の日記から>

「インドは魂を奪う」成田から7時間かけてシンガポール。3時間のトランジットの後4時間かけてインド・バンガロールへ。インドは初めて。なぜか行ったことはなかった。インドの事情通から聞いた話では、バンガロールはIBMやマイクロソフトなどIT系大企業のビルが林立していて、インドITの総本山的な言われ方をしている。インドであってインドではないと言われていた。勝手なイメージは幕張のような近代都市かと思っていた。なのに、たどり着いた空港は国際空港と呼ぶにはあまりに貧相で、預けた荷物がちゃんと出てくるか心配になった。空港から外に出ると人、人、人の波。出迎えのためのネームカードを持った人が両脇にびっしりと並んでいる。真っ暗な中に真っ黒な顔。目だけが白く浮かび上がっている。ホテル出迎えのタクシーは、これまた道をびっしりと埋める車の波を縫うようにクラクションを鳴らしぱなしで進んでいく。この地では、クラクションは常時使うが、ウィンカーはほとんど使わない。バイクと三輪オートリキシャと車がわずかな隙間に鼻先を突っ込んでくる。IT企業の街という印象はどこにもない。大通りから未舗装路の道に入っていく。とても1泊45000円のホテルへ続く道とは思えない。どんなところへ連れて行かれるのかドキドキしていると、突然目の前に別世界のような巨大ホテルがそびえていた。部屋の中は、見た目は立派なのだが、あちこちにほころびが見える。デザインは奇抜だが使いづらい。特にバスルームを使うにはパズルのような知恵を要求される。窓の外にはゴルフ場が見える他はIT産業を思わせるビルなどどこにもない。バンガロールと言っても場所が違うのかなと思っていたら、まさにそのホテルがIBMやマイクロソフトの敷地と隣接しているというのだ。翌日撮影のために車で移動すると、昨日見えなかった街が道の両端に見えた。どうみてもIT企業がこぞって進出しているというイメージではない。イメージしていた高層ビルなどどこにも見えない。あるのは今まで写真や映像で見ていたとおりのインドそのもの。食事はやっぱりカレー。日本で食べているインドレストランの味。ベジタブルカレーの種類が多い。日本で食べるのと決定的に違うのは「ナン」の味。小麦が甘くておいしいのだ。日本ではお米を選ぶが、インドではナンを選んでしまう。バンガロールで作られたワインを注文してみた。びっくりするほどおいしいではないか。お土産に1本買ってしまったほどだ。お値段1500円の割にはおそろしくコストパフォーマンスが高い。2日目に行ったバンガロール市内のマーケットはすさまじかった。撮影の途中であったため、30分しかいることはできなかったが、これまで数多く見てきたマーケットの中でも一番だと思える。よく「混沌」とか「カオス」という言葉を安直に使っているのを見かけるが、このマーケットのこの光景に使うのが正しいのではないか、それほどの喧騒だ。上海城内のマーケットもすごかったが、インドはそんなもんじゃない。同行した海外経験が豊富なノンフィクションライターIさんが「中東が一番かと思っていたが、インドのほうが何十倍もすごい」とうなっていた。狭い道一杯に人が溢れ、両脇に店がびっしりと並び、その前に露店が出て、さらに道端にはシートをひいた物売り。三輪オートリキシャが人や物をのせて人の群れに突っ込んでくる。ローライを覗いているだけでファインダーに人が飛び込んでくる。あとはただシャッターを押すだけ。「渡部さん恍惚の表情をしてたよ」。たしかにこんなに興奮して撮影したのは久しぶり。鬼海弘雄の写真集『INDIA』の帯には「インドは魂を奪う」とあるが、意味がようやく分かった気がする。今日はシンガポールへ戻ってきた。移動日で撮影はなし。これから街にでてみようと思っている。