朝=肉豆腐、納豆、味噌汁、白米/夜=会食
3年越しのワイン会。5人で集まったのだが、久しぶりに飲んだ。駅から家まで千鳥足になって、リビングのソファーに突っ伏してしまった。でも翌日、お酒は体に全く残っていない。目覚めすっきりでびっくりした。ワインの話は何を書いても野暮になるので書かないけど、美味しかったというか盛り上がった。
<2017年4月26日の日記から>
そういえば昔々、外車のドアの閉まる音に憧れてたな。ワークショップの撮影実習でハッセルブラッドやライカを貸し出すと例外なく「シャッター音がいいですね」ということになる。ボシュッとお腹に響く音はテンションが上がる。テレビで流れるシャッター音は、いまだにフィルム時代の一眼レフカメラの音が多い。"カシャ"だけでは物足りないとみえて、"ギュン"という巻き上げ音が足されている。いわゆるモータードライブの音。これはもはや記号音と言っていい。ところが最近「シャッター音ってダサくないですか?」という若い人が出始めた。デジタルカメラネイティヴの彼らにとって、カメラの記号音に親しみはないし、音がすることがむしろ気持ち悪いというのだ。確かにiPhoneの甲高い後付けのシャッター音はイライラするし、そういえば僕自身もコンパクトデジタルカメラの取って付けたような合成音はどうかと思うので無音に設定している。件の彼らが選んだカメラはソニーα7Sだった。7Sは一眼レフでありながら電子シャッターを採用しているからまったく音がしない。そして今回発売されたα9も同様だ。ミラーレス、裏面照射式CMOSセンサー、電子シャッターの組み合わせにより無音、ブラックアウト無し、秒間20コマのAF追従が可能になった。ミラーを使っているカメラでは物理的に不可能だ。秒間20コマっていうのはもはや動画。連続で300枚以上連続撮影できるそうだから最大で15秒間記録できることになる。ということは理論的には常にバッファメモリに記録し続けることによって、シャッターを切った数秒前に遡って記録することが可能になる。α9にはその機能はついていないがゆくゆくはそうなることは想像に難くない。となるとシャッター押すというは単にきっかけを与えるだけの行為になる。秒間20コマの画像がシャッターを押した前後に記録できるならシャッターチャンスという概念は霧散してしまう。ピントが撮影後に選択できる技術もすでに実用化されているし、それが一般的なカメラに搭載されるのもそんなに遠い未来ではないだろう。エレクトニクスデバイスの様相を呈してきたデジタルカメラ。それは使う方の心理を変えてしまい、ひいては写真そのものの概念を変えてしまうことになる。そういう時代になって、ようやくオールドデジタルカメラというジャンルが生まれてきたように思う。「CCDセンサーのデジカメ最高!」っていうのは、車でいうと「インジェクションじゃなくて、やっぱりキャブレターだよね!」というのに似てそうだ。エプソンRD1も良かったけど、最近触った中では初代ペンタックス645D。55ミリのレンズがついて30万円以下で手に入るそうだ。このカメラ、以前スタジオで使った時は黄色に引っ張られるような色で難儀したが晴天自然光ではとても素直な色を出すCCDゆえフェーズワンに似ている気がする。それに645Dのシャッター音、嫌いじゃない(笑)