ライカモノクローム初代

朝 あんかけ鳥うどん、茹で卵

夜 玄米ドライカレーにトマトシチューかけ、野菜のソテー

朝、撮影中止の連絡が。前夜ソニーのカメラのセッティングを追い込んで、ウキウキとカメラバックにしまい込んだのに。相手が濃厚接触者になったせいで大事をとってのこと。仕方がないが残念。遠足が中止になったくらい残念。

一日だけ、ライカモノクローム初代が手元にあるので、ひさしぶりに試し撮り。外には行かず、家の中を撮ったのだが、相変わらず繊細すぎて笑える。コントラストがちょっとでもあるとセンサーが「そんなもん撮るな」って言ってくる。比喩ではなくてご機嫌を伺って撮影する感じ。でもぴったりの場所を選ぶと「ああ、これはすごい」って思える。ただこれ、どこで使っていいのかわからない。いま手元にあるのはCCDセンサーなのだが、CMOSだとどうなんだろう。カラーで撮ってモノクロにするのと、モノクロ専用機では何が変わるのかと聞かれても、違いはごくごくわずか。でもそのちょっとした差が面白い。

「カメラなんて何でもいい」と言う方がかっこいい気がするけど、目の前のライカを見るとそんなことは言えないな。写真は「2B Channnel」のtwitterと渡部さとるのインスタに載せてあります。

 

<2014年3月20日の日記から>

バス教授のレビュー。面白いことを言っていた。

「写真にだまされていないか注意しなさい」

セレクトのときに「いい感じの写真、色であったり形であったり、見栄えのいい写真が、本来自分のテーマとは外れているにもかかわらず入り込んでしまう。厳しくセレクトをかけなければならない」。だまされるなというのはそういうことだ。よく写っている物を外すのは難しい。甘い言葉で「私を選んで」と誘ってくる。レビューの際に、バス教授が一番多く口にした印象に残る言葉は「クリテック」だった。常に自分の作品について批評的であれ。あたりまえのことが一番難しい。他人の作品には厳しくなれても、自分の作品には甘くなってしまう。ワークショップをやっていると、たくさんの写真を見ることになるが、他人の作品でもずっと見続けていると甘くなってしまうものだ。

もう一つ、面白かったのは「オランダではどうやってアーティストがギャラリーとコンタクトを取るのか?」についての話。「大学の卒業制作展示会のレセプションにギャラリストや美術館のキュレーターを招待する。そこで握手をするのがファーストコンタクト。そこから作品を継続的に見せていくきっかけを作る」とのこと。これはすごいなと思った。大学とマーケットが連携しあっている。日本でも東京芸大あたりではやっているのかもしれないが、少なくとも写真関係の大学では聞いたことがない。

さらに「銀塩モノクロプリントの市場はあるのか?」という質問には「コピープリントが難しいという理由で好まれる場合もあるが、普通はインクジェットでも銀塩でもまったく関係ない。サイズを大きくできるメリットからインクジェットを使う作家が多い。いずれにせよ内容が大事」「オランダでは写真専門のギャラリーは少ないが現代アートのギャラリーはとても多い。そしてそれらのギャラリーは好んで写真を扱う」「作品は言語化されなければならない。プリントと言葉、どちらかのクオリティがかけていたらマーケットでは扱えない」「結果としての作品は大事だが、過程を見たい」「スナップ写真という言葉は現在のオランダでは使わない。iphoneができてからは、ただ撮っただけでは説得力がない」

近頃日本で言われていることと大きく変わりはないが、おそらく向こうのアーティストは学生時代からみっちり現代アートの考え方を仕込まれているんだろうな。