器のはなし

朝 大豆シリアルきな粉ヨーグルト

昼 猪肉のキーマカレー、八朔イチゴアボガドのサラダ

夜 新玉ねぎのチーズ焼き、削り節ご飯

 


週末は昼に学生相手の相談会、夜は美術史講座の配信で慌ただしい。美術史の方は後半戦で、ついに最新の現代アートまでたどり着いた。今話題になっている「NFTアート」についても解説。

NFTとはノンファンジブルトークンのことで、一般的には仮想通貨だと思ってもいい。それとアートがくっついたというのはどういうことか? やる意味はなんなのか。なぜビープルという無名に近い作家の作品が75億円にもなったのか。

それはブロックチェーンを利用したユニーク性の担保にある。実は1年半も前に「2Bchannel」でそのことについて小林弘人さんに解説してもらっていた。

 


NFTアートは、環境問題とか法整備とかいろいろな問題を抱えていて、それが主流になることはないと言われているが、仮想空間上のデジタル作品を流通させる形として今後も注目されていく。

 


そんな時代の写真学生は大変だ。僕らの時代は「撮って撮って撮りまくれ。それ以外にない」と、今思えば牧歌的だった。

昨日の学生の質問に「テーマが大事だと言われましたが、テーマってどうやってつくるのですか」というのがあった。

「テーマは人前に自分の作品を出すときの器。その中に写真を入れていく。器には定番のものや流行もある。たとえば最近では『ジェンダー』『人種』『SDGs』なんかが多い。以前は『時間』とか『記憶』が定番だったが、今では時代遅れな器になっている。器は自分得意分野、専門分野がある人は作りやすい」と答えた。

学生の中に地方の大学で日本の神話を研究をしているのがいた。それこそ器になる。今勉強していることをベースに器を作って、そこに写真を盛り付けていけばいいのだ。

 


写真を写真の上だけで考えていける時代は終わってしまった。専門分野なしにテーマを見つけるのは困難なのだ。