SLXはファインダーの見え方もいい。

引っ越し準備でカメラをパッキングしていると、ついつい用もないのにファインダーを覗いてシャッターを押してしまう。

もういい加減飽きてもいい頃だとは思うのだが、安い望遠ズームにテレコンバーターをつけて真っ暗なファインダーを覗いてはミロスラフ・ティッシーみたいだなとニヤニヤしている。

デジタルカメラはキヤノンEOS、ソニーα7、リコーGR、シグマdp、オリンパス、フジフィルムくらいだが、フィルムカメラは掘り出すと湧くように出てくる。

その中で一番好きなカメラは何かと聞かれると、やっぱりローライ。二眼レフのフレックスがもっとも使用頻度が高いが、実は一眼レフのSLXが一番好き。1974年に作られた電子式6x6サイズカメラだ。

『旅するカメラ4』にも出てくるが、とにかくシャッター音がいい。バシュとシャッターが切れてジャーと巻き上げる。いかにも、という作動音はテンションがあがるあがる。

それにこのレンズはプリントがしやすい。コーティングのせいだろうか?レンズの構成はハッセルのプラナーとまったく同じだが、いわゆるハッセルぽさはなく、ローライらしいのだ。ローライらしさってなんだと言われても困るのだがコントラストのつき方が繊細な気がしている。

「prana」を作っていた5年前くらいまではよくつかっていたが、数年前にパリに持っていったときに突然動かなくなってしまった。

修理を受け付けてくれるところもなく、そのままにしてあったのだが、また使いたくなった。電池を新しくしたら動くかと思って、バッテリー中身のセルを交換するサービスに出してみた。

期待は外れ、やはり動かず。バッテリーではないとすると本体か。使えないと分かると使いたくなるのは世の常。

ヤフオクを見ると動作不確認、ノークレームノーリターンばかり。そんなものに数万円も出せるわけがない。

問題は本体なのか、バッテリーなのか。それをもう一度はっきりさせたい。

これを解決できるのは2Bでしょ。ということでローライSLXと60002(SLXと同じバッテリーを使う)を持っているのに連絡して持ってきてもらった。

彼のバッテリーを手持ちのSLXに入れてみたら、なんと動いた。

そこで僕のバッテリーを彼の6002に入れてみたら今度は動かない。つまり問題はバッテリーだとこれで特定できた。

しかしセルは入れ替えているのだから問題はないはず。となるとバッテリーについているヒューズの問題か?試しに動かないバッテリーのヒューズと作動しているバッテリーのヒューズと交換してみた。

すると軽快に動き出したではないか。

スッキリした。ヒューズを新しくするだけでもう一度使えるのだ。俄然やる気が出てきた。今週どこかに撮りにいこうかな。

空シャッターを切ってはテンションがあがる月曜日となった。