ワークショップ33期残り午前の部1名です。

モンゴルにはフェーズワンP20とハッセルSWCの組み合わせを持っていった。フェーズワンは通常スタジオなどの条件が整った場所で使用されるものだが、今回は気温40度以上という過酷な条件で使うことになった。

トラブルは一切発生せず、ホコリゴミに関してもほぼ問題なかった。35ミリモノクロフィルムで撮ったものは、砂がかんでいたのか、ほとんどのカットに横筋が出てしまいプリントできずがっかり。

ハッセルのSWCはボディにミラーを内蔵していないため1眼レフの形を取れず、距離は目測となってしまう。超広角レンズだから絞り込めばピンとは合うと思われがちだが、意外とシビアでピンボケを量産してしまう。

今回はデジタルバックなのでフィルムに比べピント合わせにより正確さを求められる。特に近距離は誤差が大きく反映されてしまうので難しい。

僕は腕の長さを利用して60センチと40センチの距離は正確に知ることができるが、1メートルから2メートルの間の距離はかなりむずかしい。

そんな話をモンゴルでしていたらジョンさんが「ローライ35ユーザーが考えたヒューマンレンジファインダーというものがあるよ」と1枚の名刺を取り出した。彼はいつもそれを財布の中にいれて携帯しているそうだ。

名刺の上側には右側から90センチ、1メートル、1.2メートル、1.5メートル、2メートルと線が引いてある。

彼は右目をつぶり腕を伸ばし、名刺を片手で持つと「あのドアまで1.5メートル」だと距離を言い当てた。カメラの距離計を使いそのドアまでの距離を測るとぴったり1.5メートルだ。

これは両目の視差を利用した三角測量なのだそうだ。試しに目的物を指差し、右目と左目で交互に見てほしい。すると指の位置がずれるはずだ。そのズレを数値化したのが『Human Rangefinder』ということだ。

ためしに『Human Rangefinder』と検索するとそれを解説したwebサイトが出てきた。
http://figitalrevolution.com/2009/03/24/the-human-rangefinder-leica-zeiss-xa-lca-rollei-lomo-diana-holga/

距離は腕の長さと両目の間隔に依存するためジェネレーターも存在する。http://tomchuk.com/rf_hfd/index.php

これを作っておけばもはや目測は怖くない。「感度分の16」の露出計算と合わせればどんなカメラだって使いこなすことができるわけだ。