借りている家には玄関前に小さな庭がある。小さいとはいえ油断しているとジャングルのようになってしまう。とくにアボガドの木の成長っぷりといったら。さすが南の国の木だ。
年に2回、友人の庭師が手入れに来てくれる。僕はそのお手伝いでゴミ袋にせっせと打ち落とされた枝や葉を集める。
職人の動きは見ていて気持ちがいいから、一緒にやっていて楽しい。
アシストの楽しみっていうのがあるんだな。
ところが庭仕事をしていて唯一の問題が虫。特に最強最悪なのが「チャドク蛾」。悪そうな名前だ。
細い糸のような体毛に触れるだけで腫れ上がり、1ヶ月は痛痒い。市販薬はまるで効かない。
体毛は外敵を認識すると抜け落ち攻撃してくる。しかも抜け殻や、卵ですら触るとアウト。うかつに近寄れない。
チャドク蛾は椿の木に寄生する。毎年毎年庭仕事をするたびに大きな被害をうける。昨年は妻が病院に行くはめになった。ちょっとしたふくの隙間から侵入してくるようだ。
今年こそ万全の格好で臨んだつもりだったが、軍手の切れ間から侵入したようで両腕がボコボコにんってしまった。
かゆい、でもかくと痛い。でもかゆい。
庭師には憧れるが大変な仕事だ。