梅雨明け。
月曜日は新しくできる写真館スタジオのセッテイングのお手伝い。元アシスタント泉と、現暗室番のSも一緒。
武蔵野市の東大和市駅前に新しくできるスタジオで、名前は「公園写真館」。初めは葬儀社の社内に遺影撮影のための仮設スタジオを作るのを手伝っていたのだが、いつのまにか専用の本格スタジオになってしまった。
本オープンを前にライトのセッテイングを詰めていく。ストロボメーターで細かくライトバランスを決めていった。最終的に3メートルの紗幕越しにソフトボックス2灯、メインは135センチの大型オクタゴンライトが1灯なり、バックはモズリンのムラバック。
カメラはEOS5DMark3とペンタックス645D。使ってみたら5DMark3はいいカメラだということが実感できた。買っても後悔しないカメラだという口コミは本当のようだ。シャッターのレスポンスやAFの速度と精度は完成されている。色もニュートラルでイメージがつかみやすい。
EOS5DMark3でライティングテストをしていたのだが、いざ親子4人を撮る段取りになったときに、EOS5DMark3に50ミリと85ミリの単焦点ではスタジオのサイズにうまく合わないことがわかり、急遽645Dでも撮影することにした。
モニターでチェックすると645Dの描写力がかなりいい。パソコンのモニターで見ると、あきらかに頬のあたりの輪郭の丸みや艶がEOS5DMark3とは違う。ところがそれがプリントにダイレクトに反映されるかというと、これが難しい。プリントで渡すのが写真館。いくらモニターでよく見えていてもしょうがない。プリントは今後の大きな課題となる。
2組の親子を撮影したのだが、モデルではない子供を撮影するのは想像以上に難しかった。照れるし、動くし、走り回る。昔の写真館のような一発決めではなく、シャッターを重ねていってリラックスさせていった。撮影後すぐにモニターでチェックできて仮プリントが作れるのもデジタルならでわ。
本格オープンは8月を予定している。
火曜日、今日は昼前に35度を超す勢い。熱中症のニュースばかり流しているから外に出るのがためらわれる。
梅雨があけたせいか暑いけれど心は軽い。今まで見そびれていた写真展を回ることにする。
八丁堀の日本写真学院「水谷充」、銀座ライカギャラリー「菅原一剛」、銀座BLDギャラリー「中平卓馬」、西麻布ギャラリーEM「Monochorome展」、新中野ギャラリー冬青「福岡 耕造」。銀座ニコンは行ったけれど架け替え中だった。本当は木場の現代美術館も行きたかったが断念。
冬青では売り込みに来ていた作家さんが、今まさに写真展が決定したところだった。ロンドン在住の日本人写真家のかた。とても美しいプリントだった。
高橋社長は明日から沖縄で印刷立ち合い。「明日から僕のブログは今週いっぱいお休みしますと渡部さんのブログに書いておいてください」との言付け。暑い中沖縄までご苦労様です。
日本写真学院の「水谷充写真展 A PRIVATE VIEW」は感慨深かった。コマーシャルの分野で仕事をしていた作者の本格的な初個展。
彼とは20歳の頃からの友人であると同時に、アシスタントを経験せずフリーカメラマンになってしまった僕の唯一の師匠と呼べる存在だ。彼のスタジオに間借りして最初の事務所を作り、ライティングからマネジメントまでフリーカメラマンの基礎を教えてもらった。
作品の中には彼がスタジオで作品撮りをしていたのを、横で見ていたものもある。当時の彼の活躍はものすごくまぶしく見えていた。
一時は10年以上離れていたが、近ごろ一緒に仕事をする機会があるのはとてもうれしい。
ポートレートがほとんどの展示の最後に1枚の花の写真があった。そういえば人物だけではなく、なんでも興味を引くものをスタジオに持ち込んでは撮影していたな。
真っすぐで力強いのに、どこか儚げな写真だった。