友人の別荘に行ってきた。
本人は「アトリエ」と称しているが、あきらかに別荘だ。森の中の小川に囲まれていて、夜には蛍が飛んでいる。ウッドデッキに椅子をだし、日暮れから飲んだ。
彼とは同じころにフリーカメラマンとなり、ほぼ同時に結婚し、競うように外車を買って、そして同じようにカメラマンとしてのキャリアを積んでいった。絵にかいたような貧乏カメラマンからの「成り上がりの友」なのだ。
もうこの年になると、何を買ったとか、何の仕事をしたとかはどうでもよくなってきて、くだらない、どうでもいいような話で何時間も飲んでいた。
蒼穹舎で染谷學写真展「道の記」をやっている。6X6と35ミリのモノクロ。
ああ、もう自分なんて消えてなくなりたいと思った。蒸し暑い日なのになんだか冷たい汗が出る。
見なきゃよかったと思う自分と、見れてよかったという自分が両方いる。片方は写真を撮る自分で、片方は写真好きな自分。
またしてもサリエリの気持ちが分かてしまった。