3ヶ月に一度くらいモスバーガーを食べたくなる。

7月1日からコダックのT-maxやTri-Xのブローニーが30パーセント以上の値上げになるらしい。

Tri-xの生産が終了するのではないかと噂が出ているだけに、少々の値上げならしかたがないと思ってしまう。個人的にはブローニー1本800円、いや1000円までかな。

近頃イルフォードのフィルを使っている人をよく見かけるようになった。感度も25から400まであり、バリエーションも豊富だ。

コダックのように所帯が大きい会社よりも小回りがきくヨーロッパのメーカーのほうが元気だ。カラーと違ってモノクロは小ロット生産が可能で、設備も大掛かりでなくても大丈夫だからだろう。

驚いたことに乾板フィルムまで再生産されていてネットを通じて買うことができる。そしてプラチナプリントや湿板写真のような古典技法のワークショップも盛んだ。

これまで写真は「写るほうへ」の進化を続けてきたのに、「写らない」ほうへの回帰が始まっているのは面白い。昨今のデジタルカメラについている「アートフィルター」というのは、わざわざ写らなくする加工しているわけだ。

僕もポラロイドやピンホールのような「写っていない」写真に、より写真らしさを感じてしまうことがある。

写るといえば、脅威の4800万画素シグマのSD-1が70万円で発売されることが分かった。EOS1DsやニコンD3X、ペンタックス645D、ライカM9といったハイエンド機と同じ価格帯だ。SD-1は30万円以下だと思われていたから驚いた。確かに特別なカメラだとは思う。センサーは唯一無二。出来上がる世界も特別なものだ。

近頃感じるのは意外とシグマユーザーが多いことだ。ワークショップの参加者を例にとると7人中かならずひとりはDP1DP2を持っている。これはかなりの高確率だ。

実は僕もDP1を一瞬だけ持ってた。一瞬というのは、海外ロケのときの個人用の写真を撮る道具として購入したのだが、日差しの強いギリシャで日中撮影したら、まったく背面モニターが見えず、構図も決めることができなくて途方にくれたのだった。落として失くすからと外付けのファインダーを持っていかなかったのは失敗だった。

結局数回使っただけで、帰国後すぐに手放してしまった。

そのことをシグマの人に話したら「ああ、多いんですよね、そういうかた。せめて一ヶ月『我慢』してもらうと良さが分かってもらえるんですが」

正直な人だと噴出してしまった。そうか我慢が足りなかったか。そういわれると我慢してみようかと思えるよ。