ワークショップ32期、現在8名の応募。

写真集が2冊、事務所に届いた。

普後均「学校マロニエ通りからアーチをくぐって」

2006年に解体されたお茶の水神田駿河台文化学院旧校舎の最後の姿を撮影したもの。普後さんの「GameOver」や山の上ホテルシリーズを彷彿とさせる。穏やかなのだが背後に緊張感を漂わせる写真。アイテムというか細部というか、全体を撮らずに全体を見せることができる写真家だ。

どこか懐かしい色合いは普後さんならではなのだが、久しく見ていない色合いはどこから来るもののだろうと思っていたら、やはり2006年になくなったコダクロームを使っての撮影だということがamazonのレビューで分かった。

http://www.amazon.co.jp/%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%83%9E%E3%83%AD%E3%83%8B%E3%82%A8%E9%80%9A%E3%82%8A%E3%81%8B%E3%82%89%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%81%E3%82%92%E3%81%8F%E3%81%90%E3%81%A3%E3%81%A6-%E6%99%AE%E5%BE%8C-%E5%9D%87/dp/416008088X/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1269137982&sr=1-1

コダクロームかあ。すっかり忘れていた。なくなってみて切実に良さを感じてしまう。

飯塚達央「白い夜

白い夜」は2010年4月23日〜5月9日 東京水道橋「アップフィールドギャラリー」で写真展が開かれる。それに合わせての32ページ立ての小冊子だ。書店流通はないので、ギャラリーでの販売だが彼のサイトからも購入できる。http://www.photoseason.net/

昨年「白い夜」のオリジナルプリントを見せてもらう機会があった。そのとき思ったのが「やっぱり北海道の雪は半端じゃない」ということ。もう米沢あたりでは積もってもすぐに溶けてしまうようになり、2月に行っても肩透かしをくらうような気分になる。

雪を雪のように写すのはかなり難しい。飯塚さんは撮影時間を夜に絞ることで雪を表現しようとしている。

写真集を見ていて中学生の頃の記憶が不意によみがえってきた。

友人宅から帰る道すがら、店の軒先からこぼれる明かりでそこだけ雪がぼおっと白く光っている。雪に吸収されて聞こえるのは足元の雪を踏みしめる音だけ。その頃の雪は今とは比べものにならないくらい深くて、でもまだ子供だった自分は雪を疎ましく思う気持ちはまったくなかった。

ずっと写真集を見ていてら、家々からこぼれる明かりにばかり目がいってしまった。