今日はヤキゾバ。

ギャラリー冬青に細江英公写真展「花泥棒」を見にいく。その日はサイン会とトークショーがあった。写真集に細字、中字、太字の銀ペンを使い分け、相手の名前と日付と自分のサインを入れていく。

これぞサインという筆捌きに感動。年季が違うとはこのことだ。大物のサインは必ずと言っていいほど美しいものだ。

モノクロプリントをしている人は見にいったほうがいい。多分首をかしげるはずだ。なんでこんなにトーンがあるの?細江さん33歳の時の作品。プリントは息子の 細江賢治が制作したモダンプリント。エドワードウェストン親子のようだな。

細江さんの話を聞くと、いつも次の作品の話になる。決して「昔はよかったね」で終わらない。今回は次に出展するデジタルフォトフェスティバルの写真絵巻の話を熱く語ってくれた。話を聞きに行ってちょっとどんより気味だったのがさっぱりした。

ギャラリー冬青オープニング時からのスタッフ岩崎さんが退社されると聞かされた。もし、岩崎さんが冬青にいなかったら冬青はこんなにうまくいかなかったはず。作家のフォローから海外の折衝まで全てを担っていたのが岩崎さんだった。どれだけ皆が信頼していたことか。おめでたい退社ということで、残念だけどお幸せに。

目黒のギャラリー「やさしい予感」でグループ展を見た後、そのまま歩いて都写美へ。結構近い。「旅」と「サルガド」。館内のポスターに内藤小百合の名前があった。12月からの展示だ。

日本人が捉える旅の写真のルーツを見る。まだ見ぬものへの好奇心的なアプローチは今でも変わらないが、現在では情報の氾濫で何を見ても「既に見た」という思いになる。旅を撮ることはどういうことかを考える。

サルガドは「重い」。今まで見たサルガドのどの展示よりもズンとくる。サイズの大きさも関係してくるのだろうが、あらたな宗教画を見ている気にさせる。でもこれが今起こっている現実。アトリエで書かれた空想画ではない。2005年からはデジタルを使っているようだ。

五味さんと阿佐ヶ谷で一杯。出てくる話はほぼ伝説級。しかもこれから新天地で新たな伝説を作るようだ。聞いているだけでクラクラする。「3千円展」でなんで皆が五味さんにあんなに協力するのか分かる。生き方が魅力的だ。