アパートに帰ってレトルトカレー。うまい!

パリフォト3日目。毎日飽きずに会場の写真を見ている。

今年は2年に一度のパリ写真月間にあたり、パリ中の100以上のギャラリーで写真を展示している。それも合わせて見ようと思っていたのだが、世界中の選りすぐりの写真がパリフォトに集まっているのだから今回は会期中は集中して見ることに決めた。

それでも午前中の時間を利用して何軒か回っている。でも会場に来ると何度でも見ほれてしまう写真がたくさんあり飽きることはない。

3日目を終え、赤丸(購入済み印)の写真が多くなってきた。10000万円単位の写真もたくさんある。

18世紀の写真創生の時代のものから今年撮られたものまで、壁1枚を隔てて展示されているのだ。なにが良くて何が悪いとか、売れる傾向とかまったく関係がない。

なにか憑き物が落ちたような感覚になってきた。

毎日各ブースでサイン会が行われている。初日僕がサイン会を開いている最中にウィリアム・クラインがサイン会を開いた。

いてもたってもいられなくて、自分のサイン会の会場を抜け出しクライインのブースに並んでしまった。

新作の写真集を購入し列に並ぶ。さすが大物写真家。なかなか始まらない。列の前にはクラインの絶版写真集を何冊も抱えた人達が並んでいる。いったい総額いくらになるんだと聞きたくなる。

1時間も待ってようやく会うことができた。
目の前のクラインを前に緊張してしまう。撮影ではどんな大物と言われる人を前にしても緊張などしたこともないのに、クラインを前にすると心臓が高鳴る。

サインは通常本人の著作にしてもらうべきものだ。当然といえば当然。でも僕はクラインの本の他に自分の写真集traverseを携えていって「ここにサインが欲しいと」と言ってみた。

クラインは驚いた顔で本当にいいのかと僕の顔を覗き込む。顔を見つめられ僕はもはや「Please」というのが精一杯。

クラインは判読不明の文字の後にWilliam Kleinそしてハートの絵文字を入れてくれた。

用意してあった言葉は何一つ言えなかったが会えただけで十分だ。握手をしてもらい伝説の人と触れることができた。

ミーハーだなと思われるかもしれないが僕にとっては伝説の人なのだ。オリジナルプリントも持ってるくらいだ。会えてよかった。

横にいた人にあなたも写真家なのかと聞かれ、「そう、実はちょうど今サイン会している最中です」と言ったら笑われてしまった。

明日は最終日。最後まで楽しみたいと思ってます。