鳥とじゃが芋の香草炒め。

安井仲治という大正時代に現代で通用するような作品を作っていた写真家がいる。森山大道が彼にささげるオマージュ「仲治への旅」という写真集があるほどの存在だ。

数年前に回顧展で初めて全容を見たのだがとても面白かった。写真のほとんどを空襲で焼いたらしいのだが、わずかに残った写真というにはそのバリエーションの多さに驚いた。

彼はプロの写真家ではなく「旦那芸」を極めた人だ。純粋に写真に取り組むにはそのほうが都合がいい。

その彼が残した『写真家四十八宜』というのが今でも頷けて面白い。あるブログで前文を引用していたので紹介。http://miyuki8313.exblog.jp/8782259/

「夏の暗室出た時よろし」

クーラーなどない時代、汗だくでプリントしていた様子が実感できる。学生時代を思い出してしまった。

写真家白岡順が新しく写真のスペースをオープンした。名前は「カロタイプ」。写真史に登場する印画技法のことで「紙ネガ」のことを指す。由来はギリシャ語の「美しい」からきているそうだ。http://www.calotype.jp/

レンタル暗室とワークショップを行っていくそうだ。展示のスペースもある。

先々月オープニング前に見る機会があったのだが、真新しい引き伸ばし機が並び、全紙までできる流しが設置されていた。

ここで暗室を借りれば、もれなく白岡さんにレクチャーを受けることができるわけだ。

パリでは白岡さんを知らない写真家はいない。「パリの写真を黒くした」という伝説が残っているほどなのだ。

そこに行けば白岡さんに会えるという場所ができたということは幸せなことだ。