ライカ3g+スーパーアンギュロンで米沢の雪を撮るんだと張り切っていたものの、着いた当初は雪もなく、おまけに雑事に追われてなかなか撮影できずにいた。
それでも大晦日から元旦にかけて大雪が降り、ようやくフィルム1本分くらいが撮れて、やれやれと思っていたら、いつまでたっても巻き上げられれる。
おそるおそる蒔き戻しノブにテンションをかけると、手ごたえの後にフィルムがズルッと滑ってスプールから外れる感触があった。
正月早々やってしまった。フィルムのパーフォレーションにラチェットが噛んでいなかった。バルナックライカを使うときに一番やってはいけないミスで、一番やってしまうミスだ。
丸一日撮影した名作がパー。
でも40年前に造られたバルナックライカを使うということはそういうことだ。ちゃんと写したかったらGRDにワイドコンバーターを付ければいい。
気を取り直してフィルムを入れなおす。テレフォンカードを使って慎重に。巻き上げると、蒔き戻しノブがきちんと巻き上がるのを確認する。これで大丈夫。
米沢最後の朝、1本分の撮影をして東京に戻った。