『銀一』のパーティで頂いたお土産は丹羽社長の一代記とライカA型のイラストがはいった風呂敷だった。
この風呂敷がかっこいい。レアもの度から言えばそうとう高い。おそらくヤフオクで高値がつくんじゃないだろか。でももったいなくてそんなことはできない。この風呂敷にライカを包んで持ち歩きたい。
同級生の中には「不肖・宮嶋」も来ていた。彼の名刺にはそのまま「不肖・宮嶋」と書かれている。もはや記号になっている。
彼は同級生の中での一番の出世頭で学生時代から色んな意味で抜きん出ていた。
「大学の同級生にはどんな人がいるんですか」と聞かれたら「不肖・宮嶋」と答えれば写真界を知らない人でも納得してもらえて便利だ。
宮嶋が僕の頭をさして「えらい白うなったなあ」と言う。しかし宮嶋もそうとうなものである。
話題は大学の話になり「とうとう入学時にデジタルカメラとプリンターが必需品になったらしいぞ。キスデジじゃだめで最低30Dが必要だし、プリンターはエプソンの5500が必要なんだって」
もはや写真学生の必須アイテムが「ニコンFM2にラッキー90MS」という時代ではなくなったのだ。
暗室作業はやることはやるが、やりたくなかったら無理にやらなくていい。という状況らしい。
僕らの時代は1年生の時にシノゴだった。2年生でよやく35ミリカメラが出てくる。カラー実習もあったが、これは選択科目で必修ではなかった。
今モノクロは選択科目になったのだ。そんなことになるから印画紙メーカーはなくなり、暗室用品も品薄になるのだ。とうとうサンダースのイーゼルも製造中止になったと銀一の2代目が言っていた。
そんなしんみりした話しからデジタルの話題になると皆とまらなくなる。
新しいフォトショップCS3のことから最新プロ用デジカメまで雑誌では絶対書いていないことがどんどん飛び出してくる。
僕らは昔のことを引きずりながら先端のことも理解していかなければならないメンドクサイ世代なのだ。