ワークショップに参加してくれていた女性がめでたく結婚することとなった。
報告を受けたときに「結婚記念に渡部さんに写真を撮ってもらいたい」とお願いされた。おめでたいことだ断る理由はない。
友人が結婚した時の撮影でずっとそうしていたように、新居で撮ることにした。仕上がりだけを考えるのなら事務所にきてもらうほうがいいのだが、僕は新居にこだわる。
結婚当時の新居は数年で移ってしまうことが多い。どんなとこだったかいつしか忘れてしまう。
子供ができてその子が結婚するときに「これが私達が結婚した時に住んでいたところ」と写真を見せてほしいのだ。
だからわざと台所やリビングなどの生活感が出る場所を探したりする。
撮影にはローライ一台だけ持っていった。光のいい場所に立ってもらいゆっくり撮影した。室内はネガカラー、外の公園ではモノクロを使った。
今日はそのプリント。一日かけてプリントする。仕事のプリントは印刷の時まで持てば問題ないが、彼女に渡すものは一生ものにになる。
幸せそうに笑うふたりの写真は、プリントしていて気持ちがよくなる。