撮影が大手町だったので、北の丸の東京国立近代美術館「ドイツ写真の現在」を見に行く。
ベッヒャー夫妻から始まったドイツ現代写真の今を展示している。人気が少々衰えたとはいえグルスキーはいい。どれもプリントサイズが巨大だ。フィルムで撮ったものを、パソコン上で処理し、もう一度ネガかポジに打ち出したものをプリントしているようだ。
ベッヒャーがこんなにも持ち上げられるのはなぜかとずっと思っていた。確かに大学の教え子の多くが作家として活躍している。教育者としては偉大だ。
でも曇りの日に撮られたベタッとしたトーンは決して美しいとは言えないし、タイポロジーという考え方の提唱者としても同時展示のサンダースのほうがはるかに先だ。
オリジナルの写真群を見てそれが氷解した。全ての都市ランドスケープの源がベッヒャーにある。宮本隆二も、TOKYO NOBADY もベッヒャーが見え隠れするのだ。
「今年の写真展の中で3本指にはいりますね」、アシTがしみじみと言った。現代ドイツ写真と、ザンダー。写真を考えるなら見ておいたほうがいいと思う。
コニカミノルタの選考に落ちたと日記に書いた。そんなことは書かない方がいいんじゃないとも言われたが、いいことも悪いことも書くことに決めていたからこれでいいと思っている。
書いた翌日、あるギャラリーから連絡があった。「日記見ました。うちでやってもらえませんか」捨てる神あれば拾う神ありだ。今日打ち合わせをして来年2月に急遽やることに決まった。25枚ほどの展示になる予定だ。