夏休み気分

朝=イワシとキャベツのパスタ/夜=きゅうりとオクラと茗荷と帆立の和物、冷や奴、きんぴらごぼう、唐揚げ、白米

部屋の模様替え。対面ワークショップが終わったので、部屋のレイアウトを元の配信専用に戻した。

今週の金曜日に秋田入り。https://www.grblog.jp/article/18182/

リコーGRのイベント。日本各地をいろいろな写真家が回るそうで、僕は秋田担当。初日の金曜日はイオンラインライブで、土曜日がワークショップ。日曜日も会場に顔を出して交流会と盛りだくさん。こんな時期ですが、感染予防をしながら、皆さまが楽しめるように考えています。秋田近郊の方は是非ご参加ください。週末のオンライン講座の配信も最終回を終えたので、気分は夏休み。秋田や八戸は仕事だけど、なんだか林間学校みたいな感じで楽しもうと思っている。

 

〈2013年7月26日の日記から〉

新国立美術館へグルスキー展。1枚の写真では史上最高値(2012年落札当時3億3千万円)の作家グルスキーの日本初個展ということで話題になっている。世界でもっとも有名な現代写真家のひとりだ。2001年MOMAの大規模な展示から日本でもグルスキーのことを耳にするようになり、僕は2006年東京国立近代美術館でのドイツ新興写真のグループ展で初めて目にした。今回の展示では最高額で落札された「ライン川」を見られるのかと期待していた。あるにはあったのだが、幅数十センチの小さなサイズでの展示でちょっと肩すかし。以前は8x10インチの大型カメラを使って撮影し、現像後にフィルムスキャンでデータを作り、加工後銀塩プリントしていると聞いていたが、現在では中版デジタルカメラを使っているそうだ。初めてグルスキーの写真を目にしたときは、まだデジタル写真という発想が自分の中になかったので、写真が持つコントラストと彩度の高さを不思議に思っていた。当時のアシスタントに「なんでこんなにピカピカしているんですか?」と聞かれて答えに窮した覚えがある。グルスキーは、最初期からデジタルを積極的に利用した写真家で、「ライン川」も対岸の建築物は後処理で消していると解説にあった。年代ごと、シリーズごとではなく、インスタレーションに近いランダムな構成になっている。なぜかほっとするのが2000年以前のデジタルを多用していない作品だった。予想通りのすごい展示だったが、不思議と感動はなかった。

その足で竹橋の国立近代美術館のプリントスタディへ。今回はエドワードウェストンの息子ブレッドウェストンの作品を見せてもらう。エドワードウエストンは写真の教科書の最重要ポジションを占めるくらいの大御所。次男エドワードは写真の才能を受け継いだようで、小学校を出るとそのまま父について撮影旅行を重ねていたそうだ。父と息子が同じカメラを使い、同じ場所でアングル違いで撮影しているものが残されている。インタビューを読むと父親をとても尊敬していて、お互いが理解者であり、父親はブレッドのことを「ブラザー」と呼んでいたとあった。ちょっと衝撃的だったのが「父はずっと貧乏で、僕はそれになれてしまった」ということが書いてあったこと。教科書に載るほどの作家がずっと貧乏だったというのだ。このプリントスタディというシステムは素晴らしい。額やガラス越しではなく、生のプリントを直に触れんばかりの距離で見ることができる。この生を見る体験は美術館で見る写真とまったく違うものだ。そういえばグルスキー展では床の線が引いてあるところより前に出ると警報音がピーピーなる、皆、細部を見たいからついつい近寄りたくなるのだ。