ひさしぶりに江古田の焼き鳥や。

鎌倉でロケ。鶴岡八幡宮の裏手、大きな庭と暖炉のある洋風の一軒屋をお借りしての撮影。レトリバーとミニチュアシュナイザーもいた。絵に描いたようなロケーションと言える。こんな家に育ったら、もうちょっともうかりそうなカメラマンになっていたかも。

山育ちの海知らずのせいか鎌倉とか逗子への憧れが強い。生まれ育った山形県米沢市というのは、地図で見ると太平洋と日本海のちょうど真ん中。周囲をぐるりと山に囲まれた盆地になっている。町の中心部から車で15分走るともう山の中。四季の移り変わりは劇的で、梅とこぶしと桜が競うようにいっぺんに咲く。夏は暑く、冬雪深い。いいところだが住むにはつらい。

米沢に18年、東京に出てきて早23年。人生の半分以上を東京で暮らしている。でも東京人にはなれなくて、かといって米沢人でもない。東京に一生住むつもりもないが、米沢に帰る気もない。実家はとうになくなった。どこにも帰れない寂しさがある。

先日日記で紹介した新垣譲の「東京の沖縄人」を読むと沖縄人の島に対する強い思いにうらやましさを感じる。今東京に住んでいても、必ずいつかは沖縄に帰る気持ちを皆持っている。無作為に抽出したはずの取材対象者のはずなのに、あきれるくらい地元への思いが強い。田舎から出てきて東京に住んでいる人にこの本を薦める。本当に面白い。そしてだんだん身につまされる。

東京を離れNYに移り住んだカメラマンのI氏が、学生ビザからジャーナリストビザへの切り替えのため一時帰国。江古田で飲みながらNYから見た東京の話しを聞く。話しているうちに今撮っている「東京」の足りない点が見えてきた。彼にも写真を見てもらう。次にやることがちょっと見えてきた。