X2Dはいいやつだ

朝=玄米パスタ/夜=イカ炊き込みご飯、手羽元の黒酢煮、味噌汁、漬物

日記自体を書くのは1ヶ月ぶり。10月はルデコの2B&Hグループ展が終わった後、すぐに1週間、熊本へ。天草に3泊してから、山都町の山奥の農家に泊まり、高千穂にも連れて行ってもらい、最終的に鹿児島市に1泊して帰宅。それぞれの場所で友人にお世話になってきた。

持っていくカメラはローライフレックスにするか、買ったばかりのハッセルブラッドX2Dにするか悩んで、結局ハッセルにした。最近はなかなかフィルムカメラに手が伸びない。フィルムはストックがあるんだけどね。体はひとつだから、両方持って行くことはしない。「旅にカメラとレンズはひとつだけ」が僕の昔からの信条。

今回はX2DにXCD65mmF2.8をつけた。このレンズは真ん中に全振りしている設計のようで、周辺は崩れるが、中心の解像度はびっくりするくらいだ。ソニーのツアイスから出ている55mmF1.8と同じような写りになる。

両方とも、日本のメーカーでは絶対作らない、偏った設計になっている。真ん中を重視するあまり、過剰補正になっているのか周辺はかなり崩れている。そんなレンズはダメかというと、そんなこともなくて、ポートレートには最適だったりする。あ、でも周辺のボケを気にする人には向かないか。

X2Dを使い始めて「一億画素の意味ってなんだろう」ってずっと考えている。でも答えなんて出るわけない。選んだカメラがたまたま一億だっただけ。なんだか交際相手を選ぶときに言ってそうなセリフだな。X2Dはいいやつだ。ずっと付き合っていける。

<2021年11月2日の日記から>

朝9時過ぎから学生さん3人がルデコグループ展の相談にやってきた。3時間ほど雑談。20歳の話を直に聞けるのは貴重。あっという間に時間が経って、あやうく次の打ち合わせに遅れそうになった。まだ詳しくは話せないが、来年2月を目処に出版する写真集の編集のお手伝いをしている。これも「写真的解決」のひとつだな。束見本と呼ばれている印刷前の白いページの本に写真を貼りつけて、打ち合わせ中にダミーブックを作っていく。するとかなりいい感じのものができた。いつも思うのだけど、このダミーブックの状態が一番写真集っぽい。「俺って天才」と思う瞬間だ(笑)

<2003年11月2日の日記から>

鼻水が出る、くしゃみも。風邪かな。土曜日はジェームズ・ラブロック氏のプリント。1枚目のトーンがなかなか出ず、10枚同じものを焼いた。自分でもなにがなんだかわからなくなる。そういう時は暗室から「2B」にプリントを持っていって床に並べてみる。濃いグレーのトーンだけで構成されているからほんのちょっとの差で印象が変わる。最後に撮った夫人とのポートレートは今年一番の出来だ。いいものが撮れた。2人の関係性が出せたと思う。その後ロケハンのため代官山へ。。ジェームズ・ラブロック氏が超大物なら、来週撮影する女優はプチ大物。どのくらいかといえば「身体にワインが流れている」くらい大物。予定してあった某有名レストランカフェがほぼ使い物にならないので、近くの西郷山公園にいってみる。そこもたいしたことはなかったが、なんとかなりそうだ。それにしてもどんよりとした空だった。オープンテラスのお店はほぼ満員。お茶も飲まずに帰った。代官山近くの旧山手通りには結婚式の客があふれていた。街道沿いの多くのレストランで結婚式をやっているのだ。黒い礼服が違和感を誘う。日曜日はワークショップ。新宿の中央公園でポートレート実習。いい天気で気持ちよかった。ほかにもモデル撮影の集団が大勢いた。10人以上で女の娘を囲む図は結構怖い。対して弱小ワークショップ集団の我々は3人一組となってモデル、カメラマン、アシスタントを交代でこなす。モデル役をやると、撮られる気持ちがちょっとは分かるのだ。中藤毅彦写真展「DeepHabana」をコニカミノルタギャラリーに見に行く。写真集を購入。中藤作品を見た後で隣のブースの写真展を見たら、普通のモノクロプリントが物足りなく見えた。それほどに中藤写真の粒子は際立っている。明日は青山ブックセンターでの「文学フリマ」に間借り出店。