『カメラホリック』みてね

昼=お客さんが来たので、諸々の野菜付け合わせとカツオのカレー/夜=天草の素麺

SONYのFX30のマイクハンドルユニットが、海外で安く売っていたので取り寄せてみた。評判の良い店だったけど、なんだか騙されていないか注文してから心配になったけど、まともなものが届いて一安心。でも安いから飛びつくのはもうやめようと思った(笑)。

カメラ本体にユニットを取り付けて、あれこれ設定を試しているうちに13時になった。今日は19時にお客さんが来るくらいなので、時間はたっぷりある。ハンドルユニットを取り付けたFC30はいい感じになった。最近外での撮影が少ないけど、これを使った撮影をやってみたくなった。

昨夜の「2B Channel」ライブで雑誌『カメラホリック』9号の紹介をした。僕の写真も6ページ掲載してもらった。これはハッセルブラッドのX1D2というミラーレス機での撮影。アウトフォーカスのシリーズでピントがどこにも合っていない。印刷したらどうなるのかと思っていたが、いい感じになっている。このシリーズをどう育てていこうかと思っている。次はローライフレックスにネガカラーでやって見ようかな。

<2021年6月15日の日記から>

美術史講座の参加者から質問があった。面白い内容だったので、日記に残しておこうと思う。・先生にとって芸術とは ・美術史の中でどこが一番のターニングポイントになったか ・美術史上、最も価値のある作品は? ・先生が最も欲しい作品は?(お金や購入機会は関係なしに)

「芸術とは何か?」という質問に、真っ先に浮かんできたのが「変えてくれるもの」。見てすぐというわけではなくて折に触れて傷口がジュクジュクするような作品。いつのまにか自分の「社会って、アートって、写真ってこういうものだ」というものが変わってしまっている。ギャラリー小柳でのソフィ・カル「海を見る人」、2006年東京都現代美術館での大竹伸朗、2019年国立新美術館でのボルタンスキー、最近行った杉本博司の「江之浦測候所」。その他にも劇画の吹き出しのように「ガーン」ってなるものがたくさんある。その度に僕の考えは変わっていくのだ。美術史の中でのターニングポイントは、個人的には1800年代中頃の「ロマン主義」なんじゃないかと思う。写真もその頃登場してきて絵画に揺さぶりをかけるし。何より目の前のものを描こうとする運動は絵画だけではなく、音楽や文学に波及している。もうひとつあげるなら第一次世界大戦と第二次世界大戦の間の1920年から30年。ウディ・アレンの「ミッドナイトインパリ」が大好きということもあるのだが。美術史上で最も価値のある作品は間違いなく「モナリザ」。理由は世界中でもっとも知られた絵画で、おそらく今後も変わることはない。誰にも知られていない作品は誰にも影響を与えることはない。その反対に多くの人に知られた作品は、その中に大きな影響力を受けて「変わってしまう」人がいるから。僕が個人的に欲しい作品。生涯をかけて手に入れたい作品は実はすでに決まっている。それはイタリアの画家「モランディ」の机の上の静物画。「モランディ」でググるとすぐに出てきます。香港のギャラリー「ガゴシアン」で見て、直感的に「あ、モランディ買おう」って思った。なぜだろう? 以前から知っている作家だったし、それだから見に行ったわけだが、実物を見て「呼ばれてる」って思った(笑)。でもその時は価格を聞かなかった。冷やかしになるのは嫌だったのだ。今度ガゴシアンに行く時は「以前見たモランディ欲しいんだけど」って言うつもり。

<2006年6月15日の日記から>

仕事で九州の由布院に行ってきた。別府は行ったことがあったが由布院は初めて。由布院の名前は、学生時代山口瞳のエッセイで知った。以来ずっと行ってみたかったところだ。仕事とはいえ思いがかなって嬉しい。そのエッセイの中にもあった日本一サービスのいい旅館とされる「亀の井別荘」に泊まることができた。一泊4万円だ。仕事で泊まるのがもったいないところだ。もっとも仕事でない限りおいそれとは泊まれないが。夕食もおいしかったが、外のテラスで食べる朝食は格別だった。温泉効果でお肌スベスベ。仕事はオーナー中谷健太郎氏の撮影。話を聞いていると惚れてしまう。72歳とは思えない若さだ。「あらまほしき日常の提供」が亀の井別荘のポリシーだ。今日は撮影の帰りにイタリア文化会館の写真展とニコンサロン新宿の千田 貴子写真展「Anonymous City」を見に行く。千田と書いて「ちだ」と読む。彼女の撮るガラスに映りこんだイメージが好きだ。今回は東京がテーマだが、地域性や地場性は関係ない。セレクト次第でいろんな形に変化しそうな緩やかな塊りを感じる。