デジタルモノクロームカメラ

朝=厚揚そぼろ、納豆、味噌汁、白米/夜=ピーマンの豚肉巻き煮、赤カブ即席マリネ、キャベツのアンチョビ炒め、粗食

リコーペンタックスがデジタルモノクローム機をリリースした。ボディは一眼レフのK 3Mark3がベースなんだそうだ。2500万画素APS-Cセンサーという凡庸なスペックがモノクローム機になることで、にわかに特別感が出てきた。しかし気がついたときには、すでに予約分の注文は完了になっていた。ボデイ価格33万円が瞬殺。モノクローム機としてはライカMモノクロームとQ2モノクモノクロームがある。でも実はモノクロ専用機を最初に出したのはPhase One(フェーズワン)で、たしか2008年くらいだったかな。当時5000万画素で500万円していた。発表会に行った時に、この機種は主に研究用だけど、アメリカの写真家が個人で購入していると言っていた。

2012年に、ライカM9ベースのモノクローム機がで出たときに、かなり心が揺れたが、その頃はまだまだフィルムや印画紙が潤沢にあったので手を出さなかった。しばらく借りて使ってみたけど、かなりセンシティブな印象で、フィルムのモノクロとはまったくの別物だということだけはわかった。

最近ギャラリーにやってきたお客さんが、ライカMモノクロームやQ2モノクロームを持ってくることが多くて、デジタルモノクローム機が気になっていたところだっただけに、今回のペンタックスの発表は驚いた。しかし、同じAPSーCセンサーなら、それをGRに入れればいいのにと考えるのは僕だけじゃないはず。これは来年あたり出るだろうな。そして謎の爆売れするんだろう(笑)

<2010年4月14日の日記から>

ヨドバシカメラにコダックの印画紙が少量入荷したというので買いに行く。が、既にすべて売り切れ。そのあおりかフジのカラー印画紙も光沢の六つ切りが在庫切れを起こしている。モノクロ印画紙とカラーの薬品だけを購入。暗室用品売り場は書籍コーナーが半分近くを占めてきて、専用売り場の廃止は時間の問題となってきた。自転車で行ったのでニコンサロンとコニカミノルタギャラリーへ。コニカでは渋谷敦志写真展「明日があるから」の最終日だった。渋谷さんにドキュメンタリー写真について話を聞く。ドキュメントと写真が段々離れていっているような気がしていたからだ。多くのジャーナリストはスチールカメラからムービーカメラに持ち替えている。ここにきてデジタルカメラの多くにムービーが組み込まれてきてムービー撮影は特殊なことではなくなってきた。音がついて、動きがあって、何か伝えたいことがあったならムービーのほうが説得力がある。渋谷さんもムービーの依頼仕事があるそうだ。それでも「写真」にこだわる理由はと尋ねたら「写真が好きだから」。あたりまえでもっとも納得できる言葉だった。荷物を抱えて自転車でフラフラ帰る途中、ギャラリー冬青へ。井本さんはポートフォリオレビューでいそがしそうだった。これで作品を見るのは3回目。ゆっくり全ての資料に目を通す。細江賢治さんとのトークショーの申し込みは順調だそうで、早くも20名ほど集まっているそうだ。写真集コーナーで田中亜紀の新写真集「泳ぐ太陽」を見つけて購入。僕は冬青で2枚オリジナルプリントを買っているので2割引きで買うことができる。たしか5枚以上プリントを購入すれば最大で5割引きになるはず。これはかなりお得なシステムだ。新作は桜だった。小さいサイズの写真集。かばんにそのまま入れて帰る。

<2009年4月14日の日記から>

やるべきことが一段落したので、かねてから気になっていた映画「ゼラチンシルバーLOVE」を見にいくことにした。「都写美でやってますよ」ということだったのでとりあえず恵比寿へ。時間調整は「やなぎみわ」を見ればいいやと思っていた。ところが肝心の映画は4月10日で終了していた。他の上映館を調べたが、東京ではすでに見れるところはなかった。ガックリ。後はDVDかあ。気を取り直して「やなぎみわ・グランドマザー」を見る。スケールが違うねえ。テキストがストリーを作り出して見るものを誘う。撮影テクニック、プリントフィニッシュ、テキスト、全てにおいて完璧。これは誰が見ても面白いわ。会場で評論家の竹内万里子さんに会った。アメリカでの研究を終えて帰国したばかりだそうだ。なんだか以前と雰囲気が変わた気がする。相変わらず格好いいね。3階展示の日本に写真が伝わってきた創世記の写真が面白かった。鶏卵紙にプリントされた明治天皇の写真(御真影)はすごい。美しい。これが写真が発明されて間もない頃のものとは思えない。以前ワークショップの受講者が「曽祖父の写真なんです」とガラス湿板の写真を見せてくれた。手札サイズの写真は桐の箱に入っていて箱書きには「明治13年」とある。幕末に坂本竜馬が写真に写ってからわずかの年数だ。信州の庄屋の息子で東京の慶応大学に進学するときのものだと言う。当時、写真は相当高価だったことだろう。それを裏付けるのが入れ物に書いてある「俗人見ルベカラズ」。相当貴重だったんだろうな。ガラスネガの下に黒ラシャを引くと、ポジ像に見えるようになっている。これは日本で独自に発達した技法だそうだ。ヨーロッパでは銀板写真から鶏卵紙を使って複数のプリントが取れる紙ネが方式が主流になったようだ。本来はガラスのままで見るものなのだが、ためしにワークショップ中にプリントしてみた。六つ切りの印画紙にはきれいに像が浮かび上がった。