アレック・ソス

朝=おにぎり/昼=「シードリングカフェ」の寝かせ玄米弁当/夜=アジとハマチと鯖の寿司、ラーメン

葉山の海岸沿いにある神奈川県立近代美術館へ、アレック・ソスの展示を見にいく。この美術館は昨年に続いて2度目。会場はかなりのスペースがある。『Sleeping by the Mississippi』から始まる、ソスのこれまでの仕事を連続的に見ることができた。今まで連続しているように感じていたのだが、ひとつひとつの作品の背景がかなり違っているのが見えてきた。

館内で、以前渋谷のアップリンクで観た映画『Somewhere to Disappear』もやっている。1時間ほどのドキュメンタリーだが、どうやらこの時に撮っていた『Broken Manual』は彼の作品性が大きく変わるきっかけだったようだ。

「ソスというとエイトバイテンのカラーでオンザロードの写真家だよね」という意識がガラッと変わってしまった。そして最新作の「A POUND OF PICTURES]」の制作意図がちょっとだけわかった気になれた。10月までやっているので是非。逗子駅からバスか車で。駐車場あり。

ギフトショップにはソスの写真集がほぼ置いてあった。その中で彼の代表作、『Sleeping by the Mississippi』『Niagara』『Broken Manual』『Songbook』『A Pound of Pictures』の5冊を1冊にコンパクトにまとまた『Alec Soth: Gathered Leaves Annotated 』をお土産に購入。

 

<2021年8月13日の日記から>

渋谷へ。今年1月にスチール撮影でちょっとだけお手伝いした映画の完成試写会だった。来年公開のため、まだ情報は公開できないのが残念。自分が参加しているからということを抜きにしても面白い映画だった。いつの時代も映画作りって人を魅了する。

夕食後、気になっていた映画「メッセージ」をAmazonで見る。これ、妻と一緒に観なかったら寝落ちしたしていたところだ。2時間の映画の中で1時間45分は何の話をしているのかさっぱりわからない。最後の最後で意味が出来上がる。過去と現在と未来が同時に存在する宇宙人の話なのだが見終わって「ああ!」ってなった。僕が写真集『demain』を作るときにずっと考えていたことと同じなのだ。宇宙ものとしては「コンタクト」「インターステラー」と似ている。宇宙人の介在によって人類の意識レベルのレイヤーが上がる。ラスト15分のための映画、いや本当に大事なのは5分間か。「ニューシネマパラダイス」的ラストシーンだ。1時間45分はよく分からない内容だけど、映像が素晴らしいので大丈夫(笑)「単線的な時間は存在しない、過去も現在も未来も同時に存在する。過去は未来を作らない」を映像で説明した映画。未来を知ってしまったら絶望でしかない。それでも生きていくという「メッセージ」だった。

 

<2007年8月13日の日記から>

 『日本カメラ』8月号誌上で「手作り写真集の作り方」の記事ページが掲載されている。デザイナーであり製本家としても活躍している津村明子さんに、僕が手作り写真集の作り方を教わるという内容だ。A4にプリントした写真を半分に折って貼り合わせて作っていく。彼女の手にかかるとあっと言うまに「本」が一冊できあがる。その本を持ち帰ってワークショップの人たちに見せたら、できばえに驚いていた。自分が作ったわけではないのに「すごいだろう、これが30分でできちゃうんだぞ」と自慢していたら、自分も作りたいから教えてと何人かに頼まれてしまった。そう言われても、僕は作っていたのを見ていただけなので、ここは津村さんをお招きして「簡単製本講座」を開いてもらうことにした。全員脱落することなくA4サイズ25枚ほどにプリントしたものが2時間で一冊の写真集にしあがった。かなり「本」である。8月号の『日本カメラ』をちゃんと読めば作れるはずだ。是非お試しを。

ギャラリー冬青で販売するためのプリントが仕上がった。最後に写真の検品とスポッティング。自分では気が付かなかったムラや汚れを指摘される。そのたびに1枚2枚と写真に×印をつけていく。販売用にはならないが、印刷用にはまったく問題ないので分けておくためだ。ギリギリ納品分は確保することができた。これでようやく冬青に持っていける。